2020年12月31日 星期四

〈アニメビジネスの特性分析と課題解決に向けた一提案-〉亀山泰夫、中村伊知哉

  1. 序論
    1.  本論文の背景
      2002 年から 2006~7 年までの伸長は、「AKIRA」や 「ポケットモンスター」をきっかけに日本のアニメに国際的な注目が集まり、 さらに国が政策としてコンテンツ産業の支援を開始したことで6、アニメ産業界あるいはアニメ業界(AJAの定義による)に新たなプレーヤーや資金の流入 が起こり、“アニメバブル”と言われる現象が起こったことを主な原因としてい る。
      そしてそこで製作されたテレビアニメや劇場用アニメ映画から思うような資 金の回収ができなかったことで、“アニメバブルの崩壊”が起こり、2010 年代 初頭まで続く下降傾向が始まった。
      「アニメ産業市場」、「アニメ業界市場」ともに 2011~12 年に関してはやや回 復を見せているものの、少子化によるキッズ向けアニメの先行き不安、ビデオ グラムの売れ行き減退による大人向けアニメの先行き不安など、社会やメディ アの変化に対応する必要に迫られている
      1. アニメ産業市場
        社団法人日本動画協会の定義に よると、「アニメ産業市場」は、アニメの映像商品及びそこから派生した商品
      2. アニメ業界市場
        アニメを製 作・制作する企業が実際に得ている売上を「アニメ業界市場」と定義してその 推移を示しているが、製作・制作関連企業の売上に関して
    2. 本研究の目的
      本稿の前半部分においては、 「アニメビジネスの特殊性はどこにあるのか?」 「それはどんな仕組みにより支えられているのか?」 「アニメの市場はどのように形成されてきたのか?」 「アニメの影響力はどのように拡大し、どこまで及んでいるのか?」 といった繰り返し行われる一連の問いかけへの回答として、ビジネスモデル、 マーケット、プレーヤー、マーケットといったキーファクターに着目しながら、 日本のアニメビジネスの特性を明らかにする。そして後半部分において、現状 を分析、問題解決に向かう戦略提案を行う
    3. 研究対象と方法
      研究にあたっては以下の2つの方法を実施し、合わせて先行事例を実践する 関係者へのインタビュー、文献、Web による調査を行った。
      1. 国産テレビアニメシリーズのメディア展開、ビジネス展開に関する調査
        1. 日本のテレビアニメシリーズの制作数推移 (調査の対象としたテレビアニメのシリーズ数)

      2. ABPFにおける事例の検証
        ABPFはアニメ業界の企業とアニメに関連した事業に興味を持つ異業種の 企業が出会い、新たなビジネスを起こすことによる、国内、海外での二次利用 収入の増加を目的とした組織である
        筆者はABPFに事務局の一員として、企画段階から参画し、運営協力を行 うとともに、表 1.5、1.6 に記載するほぼすべてのセッションに関する会員向け レポートの作成あるいは監修を行うことで、アニメやアニメから派生するキャ ラクターの二次利用展開に関し、多くの事例を得た。
  2. 関連研究と本論文の方向性
    1. アニメビジネスの成り立ちと二次利用の構造
      1. 津堅は、コスト面の問題から不可能と考えられていた国産テレビアニメの制 作を、制作面での省力化を実践したシステムの構築と、マーチャンダイジング による制作経費の回収・補填といった作品制作の外側のシステム構築を行うこ とで実現した「鉄腕アトム」を日本流「アニメ」の原点と論じた。
      2. 中村は、コンテンツ産業は、マンガ、小説、アニメ、映画、ドラマやゲーム 等の分野でコンテンツの中身を軸として作品が展開されることで1次的な経済 波及効果がある他、テーマパークや教育産業などの関連産業への二次的な波及 効果があり、多メディア展開が市場拡大に貢献していると論じる
      3. 木村は、コンテンツ展開方策の理念モデルとしてグッドウィルモデルを示し た。グッドウィルモデルは、コンテンツビジネスの基本価値をコンテンツにお けるキャラクター、その名称、ストーリーが持ちうるグッドウィル(顧客吸引 力、営業上の信用)と仮定し、コンテンツの構成要素であるワンシーン、キャ ラクター、メカデザイン、ストーリー等を抽出して、模倣あるいは二次創作を 行うことによって商品化を行い、商品化の展開を通じて収益をはかる事業の構 想模型である。
        この構想模型を、アニメを利用して営業行為として現実化する ための仕組みと展開行為がアニメビジネスと考える。アニメのライセンサーは、グッドウィルを商品化権、ビデオグラム化権、販促使用権などのさまざまな権 利としてライセンシーに許諾することで、アニメをビジネスとして成立させて いる。
    2. コンテンツが持つ特性とメディアミックス
      1. 大塚は著書「物語消費論」の中で、象徴的な例としてビックリマンチョコを あげ、オマケシールを目当てにチョコを買う子ども達が、商品そのものの消費 ではなく、それを通じて背後にある大きな物語(世界観、設定、ストーリーな ど)を消費していることを指摘し、これを「物語消費」と呼んだ
      2. 東は、「物語消費」を踏まえ、「物語消費論」で言う「大きな物語(世界観)」 が、大きな「非物語(情報の集積)」に置き換わり、その文化圏内で共有される より大きな「データベース」を消費の対象とする形態を「データベース消費」 と名付けた。
      3. 木村8は、こうしたコンテンツの特性に関し、ゲームや小説、マンガ、オリジ ナルアニメといった原作コンテンツをメディアミックス展開した事例をあげな がら、コンテンツが原作から派生していく過程を「M+3Sフリー特性」に基 づいた「コンテンツ・エコシステム」という考え方で整理している。「M+3Sフリー特性」とは、コンテンツの特性を
        1. 「メディアフリー特性」
          原作に適用されたメディアと異なるメディアに原作をそのまま展開するこ
        2. 「スケールフリー特性」
          原作のキャラクターあるいはメカデザインが本来持ちうる寸法の伸縮およ び重量の増減が可能な特性
        3. 「スタイルフリー特性」
          原作のキャラクターあるいはメカデザインが本来持ちうるプロポーション の洗練化、誇張、変形、配色、彩度の変更が可能な特性
        4. 「ストーリーフリー特性」
          原作のストーリーに基づいてその過去や未来、あるいは異なる時空間にお けるストーリーの創作が可能な特性を「ストーリーフリー特性」として、 それらの特性
    3. メディアミックス展開に関する議論
      1. 出口は、コンテンツ産業の超多様性市場への分化の進行を指摘し、「コミック マーケットやコミティアなどの同人誌市場の隆盛を背景に、アニメのコミッ ク化も作品とのタイアップ企画で営業視点からプッシュするマーケティングの 時代から、受け手のニーズに応える形での趣向を変えたメディア展開を行うこ とが求められる時代へと市場が変化しつつある」と現状を論じている。
      2. 三原は、アニメの世界観を駆使したアプローチに注目し、アニメ「涼宮ハル ヒの憂鬱」の北米展開についての研究を行う中で、北米においては全体の 40%の関連商品しか入手できない状況であったこと、原作であるライトノベル に関しては、北米において公式ルートでは一切入手不可能であったことを指摘 し、さらに翻訳、吹き替えといったローカライズ作業の際に、作品の根本的なテーマに関わる決定的に重要な要素が翻訳されずに残る「減殺」が起こってい ることを指摘している。
    4. コンテンツビジネスの今後に関する議論
      1. 新宅・柳川は、デジタル化の進展に伴って発生するフリーコピーがもたらす コンテンツ業界への影響を分析し、今後の方向性をコンテンツ製品とアナログ 製品のセット販売や、ライブエンタテイメントなどに見出している。 
      2. まつもとは、デジタルメディアが進化する中でのアニメビジネスの変化につい て注目し、インターネットによる映像配信を新たなウィンドウとして捉え、ウ ィンドウイングモデルを再定義している
  3. 国産アニメのビジネスモデル、マーケット、プレーヤーの特性
    1. 国産テレビアニメシリーズと日本的ビジネスモデルの誕生
      日本で最初の商業用アニメーションが制作されたのは 1917 年とされる。1 その後、アメリカのアニメーションが本編映画の前座的な扱いからスタートし、 発展したことと同様に、劇場公開作品を中心に国産アニメーションの制作は続 けられたが、市場については、1930 年代以後隆盛を迎えたディズニー・プロの 作品を始めとする外国産アニメーションが席巻した
      1. 東映動画
        1956 年には東映動画(現在の株式会社東映アニメーション)2が設立され、 アメリカの工程別制作システムを導入、1958 年公開の「白蛇伝」等の劇場用映 画で、高い評価を得たが、1953 年に開始されたテレビ放送においては、アメリ カを中心とする海外産アニメーションが市場を席巻する状態が 1960 年代にな っても続いた
      2. 外国産アニメーション
        1955 年に放送開 始されたフライシャースタジオ4の「スーパーマン」5を始めとして、1955 年か ら 1962 年までの間に 35 タイトルの外国産アニメーションが主に平日 18 時台 の子供向けの時間帯で放送されており6、日本の子どもたちには、テレビでアニ メーションを視聴する習慣がついていた。


      3. このように市場が待ち望んでいる状況なのに、国産のテレビシリーズが制作 されなかった理由は、制作期間と制作費の問題だった。
        この問題について山口は「東映動画で 1 時間 30 分程度の長編アニメを作る 場合、スタッフ数が約 200~300 人、制作期間が1年半くらいかかっていた。予 算も 6,000 万円以上かかる
        この方法で 30 分 番組を作るとなると、単純計算で1本あたりのスタッフ数が 100 人、制作期間は6カ月、少なく見積もっても予算が 3,000 万円となる。30 分番組 1 本の制 作費相場が 50~60 万円といわれた当時の環境では、あり得ない話であった
        こうした問題を解決し、1963 年 1 月に放送開始した日本最初のテレビアニメ シリーズとされる「鉄腕アトム」の制作を行ったのは、手塚治虫が率いる虫プ ロダクションだった
        1. 手塚治虫
          手塚はスケジュール、予算、人員と いった国内の制作環境に対応するために、リミテッドアニメでも 30 分に対し 10,000 枚を超えていた動画枚数を 2,000 枚に抑え、撮影、演出等において さまざまな手法を編み出すことで
          また、制作費に関しては、上記手法を採用してもまだ大幅に不足していたが、 手塚は不足分をマーチャンダイジングによる収益と自身がマンガから得る原稿 料で補填することにして、番組をスタートさせた
        2. 鉄腕アトム
          「鉄腕アトム」は常に視聴率 30%前後を 記録する人気番組となり、番組提供スポンサーの明治製菓を始めとする関連商 品は爆発的な人気を呼び、制作会社である虫プロダクションが放送期間中に得 たマーチャンダイジング収入は 5 億円(当時)にのぼった
      4. 追随した他のアニメ作品群もまた「鉄腕アトム」と同じ 手法を取ったことで、制作費を放送局からの制作費(放送権料)と関連商品の マーチャンダイジング収入によりリクープするモデルは国産テレビアニメの基 本的なビジネスモデルとして定着した
        本研究において調査の対象となったテレビアニ メ 2,638 番組のうちおよそ8割にあたる番組がこのモデルで製作されており、 これらは全体において少数であり、また 2013 年現在においてミニ枠の番組を 除いては1社の販促を目的としたアニメ番組は存在していない

    2. 広告代理店プロデュース方式
      番組を1社で提供してくれるスポンサーが少なくなったことで、 番組を放送するための資金調達を担う機能を持った広告代理店がテレビアニメ のプロデュース機能を担うことになり、広告代理店が各社に番組企画をセール スしてスポンサーを取りまとめ、営業面での保証付きの企画として放送局に持 ち込む「広告代理店プロデュース方式」が拡大していった
      1. 広告代理店プロデュース方式
        スポンサーからの番組提供料、放送局からの放送使用料等の収入を 受け取り、制作会社に制作発注を行い、放送局には電波料を支払う。アニメに 関連した商品化を受け付ける窓口は、制作会社や広告代理店が行い、契約によ り定められた比率に従って、収益を分配する。


      2. 広告代理店プロデュース方式の番組において、スポンサーの中心となったのは、 景気の上昇とともに売上を拡大していった玩具メーカーで、「マジンガーZ」 (フジテレビ 1972 年 12 月~1974 年 9 月)放送中にポピー(現在のバンダイ) が発売した“超合金ロボット”24のような男児向け玩具や、女児向け番組に登場 するステッキやコンパクトなどの変身アイテムが商品の中心となった。

    3. 大人向けマーケットの誕生と発展
      広告代理店プロデュース方式のテレビアニメが定着していく一方で“大人向け テレビアニメの元祖“と言われる「海のトリトン」(朝日放送 1972 年 4~9 月)、 「宇宙戦艦ヤマト」(読売テレビ 1974 年 10 月~1975 年 3 月)の放送が開始 され、1977 年に「宇宙戦艦ヤマト」の劇場用映画が高校生、大学生を中心に225 万 5 千人の観客を動員し、配給収入 21 億円、興行収入 9 億円(年間興行 成績 9 位)の大ヒットを記録することで、子供以外のアニメファンの存在を顕 在化させた
      「海のトリトン」に中嶋製作所が提供につき、玩 具を発売しており、「宇宙戦艦ヤマト」のスポンサーにも玩具会社である野村ト ーイの名前が見られるように、この2作品を始めとする“大人が見られるアニ メ”はこのような背景の中で成立し、大人向けアニメのマーケットを作った
      またこうしたアニメを取り上げたアニメ専門誌が続々 と創刊されることで、恒常的にアニメを見る学生や社会人のファン層が確立し、 定着した。
      1. 1975~1985 年に創刊された主なアニメ雑誌


    4. メディアの変化が生み出した新しいシステム
      テレビアニメの場合、 音楽を担当するレコード会社が、主題歌やサウンドトラックといった音楽商品 と並行してビデオのライセンスを受け、販売を行っていたが、こうしたビデオ グラムの事業者は企画の決定を左右するような位置でなく、ライセンシーの1 社としてサプライチェーンの川下に位置していた
      1. 広告代理店プロデュース方式のサプライチェーン


      2. 一方で 1982 年には完全に大人のファン層だけを対象として、ビデオグラム のみで発売するOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)が登場、中学 生以上のアニメファンを吸収し、日本のアニメの特徴的な市場である大人向け マーケットを確立した


      3. 製作委員会
        製作委員会方式は、劇場用映画ではすでに採用されていた方式で、アニメに関 しても同じく劇場用映画で採用が始まり、1980 年からスタートした「ドラえも ん」劇場用映画シリーズにおいてすでに原作元、出版社、放送局、広告代理店、制作会社が共同出資による製作を行い、各社の特性を生かして作品をヒットに 結びつける図式はすでに実質的に行われていた


    5. 製作委員会方式の構造
      製作委員会方式では、こうした費用のうち、制作費とプロモーション費を、 複数の企業が出資した製作委員会が負担して、出資したアニメが稼ぎ出した収 入でリクープする。しかし、放送枠のスポンサードの大部分も製作委員会参加 各社が行うので、結果的にはアニメを制作して、放送するために必要なほとん どすべての費用を製作委員会参加企業で負担する
      1. 製作委員会の権利ビジネス
        アニメは二次利用を前提として製作されており、以下のような様々な権利が 発生する。アニメの製作委員会方式は、こうした言わば川下にいた事業者がメイン・プレ ーヤーとなって川上統合を果たした結果の産物とも言える。
        1. 国内商品化権
        2. 国内番販権
        3. 海外番販権
        4. 海外商品化権
        5. インターネット配信権
        6. ビデオグラム化権
        7. 放送権
        8. 映画化権、舞台化権、イベント実施権
        9. 販促使用権
        10. 音楽出版権
      2. 製作委員会への参加プレーヤー
        プレーヤーの業種は、映像パッケージ販売会社、アニメ制作会社、出版社、 放送事業者、広告代理店、レコード会社、ゲーム会社、アニメに関連した商品 化を行うメーカーや企画・プロデュース会社といった業種の企業である。


      3. 製作委員会の収益と配分
        製作委員会に参加する企業がビデオグラム化権等の諸権利を使う際のロイヤ リティ率等の条件はこの段階で決定する。 幹事会社の役割はこの製作委員会組成時のプロデュース作業とともに、出資 金や委員会収入の管理を行うことである。参加企業は製作委員会の契約締結後 に幹事会社が設置した専用口座に自社の出資金を支払うが、出資の見返りとし て先に挙げた権利を独占的に使用して、それぞれの企業の得意分野でビジネス を行う。
    6. 第3章まとめ
      二次利用ビジネスを根幹とする日本のアニメビジネスは、50 年前に放送を 開始した最初のテレビシリーズにおいて発想されたシステムを、これに続く作 品群が発展、拡大させていく中で築かれた
      こうした発展拡大の結果として日本のアニメは、玩具会社をメイン・プレー ヤーとしたキッズ向けアニメと、映像商品販売事業者をメイン・プレーヤーと した大人向けアニメという2つの柱を持った幅広いマーケットを得た。そして、 その多くを支える仕組みが製作委員会方式である
      1. キッズ・ファミリーアニメと深夜テレビアニメの制作分数推移


  4. 国産アニメのメディア展開
    1. アニメにおけるメディアミックス
    2. メディアミックスの源流
      1950 年代、数々の少年向け月刊誌が創刊されており、その中心はマンガと 冒険小説だった。月刊誌の人気作品は子供向けにラジオドラマ化され、さらに テレビ放送が始まると実写番組化された。こうした番組において、マンガは原 作の源としてだけでなく、番組を成功させるためにコミカライズを行うメディ アとしても作用した
    3. メディアミックスの進化
      1. 1970 年代後半から 1980 年代に入り、複雑なストーリーを持つ大人向けアニ メの制作が拡大すると、より複雑なメディアミックスを行う作品が現れる。
        1. 機動戦士ガンダム
          「機動戦士ガンダム」は、テレビアニメの放送の他、玩具、マンガ版の連載 が行われ、冨野由悠季が書いたテレビアニメとは異なるストーリーを持った小 説は、50 万部の大ヒットとなった。さらに放映終了半年後に発売された「ガン プラ」と呼ばれるプラモデルが爆発的な売れ行きを見せ、後の劇場版公開もあ わせ、社会現象ともいえるブームを巻き起こした
      2. 1980 年代後半になると、キッズ向けコンテンツのメディアミックス展 開が注目される。小学館が発行する「月刊コロコロコミック」5は、小学生向け のマンガ雑誌として 1977 年に創刊された。創刊当初、同誌の中心となったのは、 学年別学習雑誌で人気を得ていた「ドラえもん」を始めとするマンガ連載だっ たが、1980 年代中頃のファミコンブームの頃から、小学生向け情報誌の色彩を 帯びていく


    4. 大人向けアニメのメディアミックスの複雑化
      メディアミックス展開は、1990 年代半ば頃に入ってさらに進化し、とりわけ 大人やティーンに向けたアニメにおいて極端に複雑化する。この原因はメディ アの変化によるものが大きい
      この状況を変えたのが、1990 年代のマンガ雑誌の創刊ラッシュである。大人 向け市場が成熟していくに従って、各出版社からは様々なマニア向け雑誌が創 刊されていった。さらにゲーム会社等による出版界への新規参入がこの状況に 広がりを加えた。各社が自社内で複数のマンガ雑誌を持つことになり、ひとつ のコンテンツをこれらの雑誌上で複数のストーリーとして展開する中で、メデ ィアミックスはより複雑化した。
      1. 2010 年代の メディアミックスモデルである

         
  5. アニメ業界が解決すべき課題
    1. アニメ産業の 5 フォース分析
      1. 大人向けアニメ、子ども向けアニメの2つの分野に関して、それ ぞれに5つの競争要因による分析(ファイブフォース分析)を行った
        1. キッズ向けアニメ
          ここで言うキッズ向けアニメは、主要なリクープの対象をキャラクター玩具 や食品、ステーショナリー等のいわゆるキャラクター商品とし、20 時までのキ ッズが視聴可能な時間帯で放送されるものとした

        2. 大人向けアニメ
          大人向けアニメは、主要なリクープの対象がDVD等のパッケージ化された コンテンツで、主に 22 時以後の深夜で放送されているものである

      2. 日本の少子化の状況
        ただ、こうしたキッズ向けアニメの課題に対する対処はすでに始まっている。 国際展開を前提とした海外との共同製作による一連の取組である。
        日本と海外との共同製作は、1980年代にはフランスやイタリアなどのヨ ーロッパの国営放送局や制作会社との間で行われて





    2. 大人向けアニメ事業のSWOT分析
      1. 大人向けアニメ事業のSWOT分析


  6. 激化する競争と変化
    1. メディアの変化に伴う競争の激化
      1. 国内の映像コンテンツビジネスに影響を与えた主な新しいサービス (2005~2009 年)


      2. 1980 年代以後、テレビでの放送や劇場での上映という形式に加えて、ビデオ やDVDが登場することで、大量の映像コンテンツのアーカイブの視聴が可能 となり、映像コンテンツは過剰供給の時代を迎えた。
      3. 2000 年代のインターネット・メディア拡大の時期を 迎えても、主要なデバイスとしてテレビに依存し、ビデオグラムなどのパッケ ージを中心的な商品としており、その状況は現在も続く

        大人向けアニメが実施している戦略は、インターネットを活用しつ つも、やはりテレビを中心に国内の限られた対象に向けて、商品の幅を広げて いくというもので、根本的な解決策にはなっていない。むしろ、消費者に対し てコンテンツが過剰に供給され、さらにサービスが過剰となっている現在は、 外からのイノベーションが起こりやすい状況と言える。実際、ビデオグラムの 売上が下降する一方で、ニコニコ動画や pixiv のような二次創作メディアが勢い を増し、「初音ミク」が piapro から生まれる二次創作の輪の中から様々な商品 や作品を生んでいる状況は、脅威である
    2. 二次創作市場の拡大
      1. コミックマーケット85(2013 年 12 月開催)作品別参加サークル上位


      2. コミケ参加サークル数上位作品のイラスト投稿サイト投稿数


      3. こうした二次創作はアニメ事業者へのロイヤリティ(使用料)を生み出すも のではないが、アニメ事業者はこうした二次創作の場を、プロモーションの一 環として考えており、さらに作品やクリエーターの源泉として利用している。
    3. アニメの消費構造の変化
      1. 体験型市場の拡大
        ライブエンタテイメントにとどまらず、コスプレイベントや聖地巡礼、テーマ パークでのアトラクションや鉄道会社や自治体が主催するスタンプラリー等、 市場は、年を追って拡大しており、将来的な可能性はさらに大きい
      2. 聖地巡礼
        1. らき☆スタ
          2007 年に放送開始したアニメ「らき☆スタ」9の舞台となった埼玉県鷲宮町 (現在の久喜市鷲宮地区)の町おこしが、放送後 3 年間での同町への経済効果 が 22 億円10と推定されるなど大きな反響を呼び、これに続いて様々な大人向け アニメにおいて実際の地域がモデルとして使われて、その場所をファンが訪れ て“聖地化”することで、アニメの聖地巡礼現象が生まれた。
      3. 番組関連ライブイベント
        日本のアニメにおいて声優は単に、声をあてて演じる人ではない。ステージ やインターネットラジオ、時には一般番組で、歌い、踊り、語り、まさに番組 のキャラクターを全方向で演じている
        アニメに関しては、こうしたイベントの他に、第1話や最終話の試写イベン トや、全話のオールナイト鑑賞会、DVD等のパッケージソフトの発売記念イ ベント等、多くのイベントが行われており、それぞれのプロジェクトのメディ アミックス戦略の中に組み込まれ、また物販の場としても大きな機能を果たす。 こうしたイベントの多様化に伴って、映画館の機能も変化しており、試写イ ベントの会場として使用される他、ライブビューイングの会場として使用され ることも珍しくない
      4. 美術展
        1993 年にラフォーレミュージアム他で開催された「私のアトム展~100 人の MY FAVOURITE [ATOM]」は、絵画、イラスト、マンガ、映像、音 楽等の分野で活躍するアーティスト 100 余人が制作した 100 余点のアトムを展 示するというもので、アニメをテーマとした美術展の先駆けとなった
        アニメの作品や作家に因んだ美術展や、原画展は各地で拡大の傾向を見せてい る。入場料、協賛費とオリジナルグッズや図録の販売、地方開催のセールスを主な収益とするが、事業の収益の幅を広げる機会となる。またさらに作品にと っては作品の新たな世界をファンに提示し、ステータスを一段上昇させる良い 機会となる。
      5. アニメミュージカル
        アニメを原作としたミュージカルは、1991 年に当時デビューから間もなか ったSMAPをメインキャストに起用して青山劇場で開催された「ミュージカ ル 聖闘士星矢」がその草分けだが、最も成功した例は「ミュ―ジカル テニス の王子様」(通称“テニミュ”)である。
      6. ライブコンサート
        アニメのライブエンタテイメント市場が拡大する中で、存在感を増している のが、アニメソング(通称“アニソン”)のカテゴリーである。アニソンはメデ ィアコンテンツであるアニメが、メディアコンテンツである音楽とクロスオー バーしたクロスメディア商品とも言えるもので、音楽業界の中でも著しい成長 を見せている。
        2013 年のシングルランキングでは、年間上位 80 曲の2割にあたる 15 曲が アニメ関連楽曲で、こうした楽曲を使ったコンサートは、アーティスト単独の ライブから10数名のアーティストが出演するフェスティバル形式まで多様な形 で行われている 
      7. コラボレーションカフェ
        コンテンツと食の分野を結びつけたコラボレーションが数多く行われている。 もともとは、「ドラえもん」や「ポケットモンスター」等のキャラクターを使っ たファーストフード店の玩具付きセットや、店舗の販促にキャラクターを使用 する形で定着していたが、大人向けの飲食にメディアコンテンツを利用するテ ーマカフェが近年広がりを見せている。
      8. 消費構造の変化
        1. アニメの消費構造の概念図

        2. 欧米のアニメーションは、日本のアニメのような、背景にある物語やデータ ベースを消費することで消費形態を深化させる方向よりも、むしろその展開領 域を広げて国際展開を拡大する方向に進化している。メディア・コングロマリ ットのもとで製作され、ハリウッド映画と同様のビジネスモデルで展開される アニメーションは多くの国で多くの視聴者に受け入れられるように、日本のア ニメに比べると、シンプルで、わかりやすく作られている。
           ゆえに、こうした消費は日本の、とりわけ大人向けアニメの特性である。 この変化した消費に対応するビジネスを組み立てることが大人向けアニメのひ とつの課題である
  7. 課題解決に向けて
    1. 日本のアニメビジネスの特性と課題

    2. 新たな海外展開モデルの構築
      1. 海外向け動画配信サービスを使ったアニメ展開の構想モデル

    3. 新たなプレーヤーを加えた製作モデルの構築
      1. プレーヤーの固定化
        1. アニメ製作委員会のプレーヤーと役割

      2. 聖地巡礼の可能性 ~アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の事例
        2011 年に放送された「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」(通称“あ の花”)の舞台となった埼玉県秩父市は、継続してファンを呼び続けている聖地 のひとつだ
        イベントに関しては、8 月から劇場用映画が公開された 2013 年も、「あの花」 聖地巡礼マップの配布やスマートフォンを利用したデジタルスタンプラリーを 実施、映画公開直前には劇場版先行上映イベント「あの花夏祭 in ちちぶ」を開 催、重要文化財・秩父神社の境内での野外先行上映、キャスト陣によるトーク ショー、主題歌を歌うアーティストのライブ、スタンプラリー、屋台村など、 市内各所でさまざまなイベントを行い、約1万 2 千人を動員した。 さらに映画公開中の 10 月にも、秩父市内の椋神社で行われる龍勢祭8での 龍勢(ロケット花火の一種)打ち上げの際の口上と挨拶にメインキャストの声 優を招き、合わせてオリジナルイラストを使ったグッズの販売を行った。 オリジナルグッズに関しては、制作会社と市の商議課が包括的な契約を結び、 事業所は全て商工会議所を通じて、制作会社に申請を行う仕組みを作って進行 している。ストラップやバッジといった定番商品に加えて日本酒やカルタ等、 アイテム数は 100 を越えているという。
      3. アニメの聖地巡礼の課題と方向性
        博報堂DYメディアパートナーズは 2012 年にアニメの聖地巡礼の経済効果 を年間 100 億円と試算した9が、一方で岐阜県の十六銀行が試算したテレビアニ メ「氷菓」10 1作品が及ぼす岐阜県への経済効果が 16 億円という報告もあり、 聖地巡礼の経済効果は 100 億円にとどまらない実感がある
        しかし、アニメ事業者にとっては、番組のプロモーション効果と、地元での 限定品の販売によるロイヤリティは期待できるものの、ともすれば負担も大き く、経済効果で語られる金額に現実感が得られるようなマネタイズはまだ出来 ていないのが現状である。
        事業化を進めるためには地域とアニメ事業者をつなげるコーディネーター役 が求められており、聖地巡礼を自社の事業に結びつけられる鉄道会社や旅行会 社にその期待がかかる。
      4. 体験型消費に関わるプレーヤーの事業参加
        消費構造の変化に伴って登場した異業種のプレーヤーたちのビジネスを拡大 して、アニメ事業の資金、収益の一部に組み入れる状況を構築するためには、 双方のビジネスに関する理解やアニメ事業者からの協力、そして聖地巡礼によ る地域活性の場合で言えば、効果的な時期、場所でのイベントの実施や、キャ ラクターの使用、商品制作に関する細やかな指導といったものが必要になるが、 既存のアニメ関連事業者が抱える事業の幅の拡大とプレーヤーの固定化の解消、 拡大という課題に応える可能性を持つものである。 
        1. 異業種や自治体をプレーヤーに加えた製作委員会モデル

      5. クラウドファンディングによるプレーヤーの拡大
        アニメ制作会社トリガーは、文化庁の若手アニメーター育成プロジェクト「ア ニメミライ」14の支援を受けて制作した 25 分のアニメ作品「リトルウィッチア カデミア」の続編制作に際して、アメリカのクラウドファンディングサービス Kickstarter を通じて資金協力を呼びかけ、全世界の約 8,000 人から 62 万 5000 ドルの資金を得た。資金を得て制作を開始した「リトルウィッチアカデミア2 (仮)」は、当初の予定 20 分の倍の長さの中編作品となる予定である
        クラウドファンディングの段階、プロトタイプ作品公開の段階でユーザーの 評価を知ることもできるので、シリーズ展開の可否、予算、展開等についての 判断材料が得られることと、一般に対して作品理解を深められるので、シリー ズ作品あるいは劇場用映画制作に際しては、業界外のプレーヤーや一般投資家 からの投資を募る可能性も広がるのである
        1. クラウドファンディングを利用したアニメ展開の図式

    4. メディアの選択
      1. テレビ放送の重要度の低下と映像配信の浸透
        1995年の「新世紀エヴァンゲリオン」の社会現象とも言える大ヒットの 後、製作委員会方式の大人向けアニメはまず、テレビ東京系列を使用すること で、その数を増やしたが、2000年代に入り、“独立局ネット”と通称される 独立局を積極的に使用した放送形式が特に製作委員会方式の大人向けアニメに おいて急速に拡大した
        1. 独立局ネット
          “独立局ネット”とはそれまで一般的だった地上波キー局の系列を使って 放送するのではなく、関東地方の東京メトロポリタンテレビ(MX)、テレビ 神奈川(TVK)、テレビ埼玉(TVS)、千葉テレビ(CTC)、関西地方の 京都放送(KBS)、サンテレビ(SUN)、中部地方の三重テレビ(MTV)、 岐阜放送(GTV)といった独立局を使って視聴者人口のボリュームゾーンの 関東、関西、中部の3地区での放送を行い、他の地区については地方局との 個別交渉による編成あるいは、BS局、CS局での放送や映像配信によりカバ ーする方式のことを言う。
          キー局に比べてこれらの独立局は、放送するための コストが安く、もともとターゲットが絞られる大人向けアニメが、全国津々浦々 までのカヴァレッジよりもコストを優先したことで、この方式が拡大した
        2. 2011 年の代表的大人向けアニメのメディア展開

        3. 2012 年の代表的大人向けアニメのメディア展開

        4. インターネットによる映像配信の利用は進みつつある。アニメコンテンツの映像配信は、コンテンツの映像配信ビジネスが本格化し、バンダ イチャンネル15や ShowTime 16等が設立された 2002 年頃から、開始され、当初 は地上波放送が終了した作品が供給されていたが、二次使用の領域としてでは なく、地上波と同時展開するメディアとして、映像配信が積極的に取り入れら れるようになった
          テレビ放送と映像配信を同時展開する番組の数は 2010 年以後急増しており、 表 7.2、7.3 にあげた番組の多くも同時展開を行っている。また、表 7.3 にあげ た 2012 年の 10 番組のうち、6 番組は「ニコニコ生放送」「みんなでストリーム」 といった双方向配信を行っている。さらにテレビ放送に先行して映像配信を行 う番組も数を増やしている
      2. メディア展開多様化の必要性
        テレビ放送の重要度の低下と映像配信の浸透は、大人向けアニメのメディア ミックス戦略において、これらがいずれ並列にメディアの選択肢のひとつとな ることを示唆している
        テレビ放送を中心に位置づけるのではなく、メディアの選択肢のひとつとし て考えるならば、広がった選択肢を駆使できる戦略的なコンテンツを、最適の メディア戦略を選択して展開するとき、最大の効果が生まれ、個々の作品が異 なった多様な戦略を実施することで、ユーザーの幅が拡大し、過剰供給の問題 は解決に向かう。 
        1. 映像コンテンツのウィンドウウィングモデル

        2. アニメを使ったコンテンツ展開の概念図

  8. ゲーム発コンテンツの最新事例「艦隊これくしょん」
    1. ゲーム産業とアニメ産業の関係性
      ゲームがアニメを、 アニメがゲームをメディアミックス展開のひとつとして使い始めるのは 2000 年代に入ってからのことである。
      現在主流となっているSNSをプラットフォームとしたソーシャル ゲームの業界との間で行われているのは、ヒットゲームやキャラクターのアニ メ化や、アニメのキャラクターがゲームに登場する“コラボ”に留まっている
      多くのソーシャルゲームがアイテム課金を主な収益手段とするビジ ネスモデルを取り、2012 年にはコンプガチャ問題が起こったが、そんな状況の 中で、オンラインのブラウザゲームを出発点とした新しいメディアミックスが 始まっている。本章の表題とした「艦隊これくしょん」である。
    2. 「艦これ」ファン拡大の背景
      「艦隊これくしょん」(通称“艦これ”)は、角川ゲームスが開発・運営を行い、 株式会社 DMM.com(以下、「DMM」)がプラットフォーム、登録ユーザー、 課金システム、ユーザーサポートの提供を行う、PC用のブラウザゲームであ る。
      1. 2013 年 4 月のサービス開始当初の目標会員数は 10 万人だったが、twitter や 口コミでイラストやゲームの内容が話題となり、同年 7 月中旬には会員数 20 万 人を突破、11 月中旬の時点では、新規の会員登録は抽選制となっているが、会 員数 120 万人を突破、DAU(Dayly Active User)9の数は 40~50%と言われて おり、スマートフォンに対応しないブラウザゲームとしては驚異的な大ヒット となっている
      2. 「艦これ」の特徴のひとつとして、課金方式”があげられる。簡単に言 えば、「艦これ」は、ほぼ家庭用のゲームソフト1個分の金額で、十分に楽しめ るように作られている
      3. ゲーム内容やキャラクターの魅力や、特徴的な課金方式が、口コミと twitter 等のSNSを通して拡散することで、人気が拡大していった状況が窺える。
    3. ネット発のオリジナルIP
      角川ゲームスは、2013 年 9 月 26 日、プレス発表会“KADOKAWA GAME STUDIO MEDIA BRIEFING 2013 AUTUMN”において、プレイステーション Vita 向けソフト「艦これ改(仮)」を 2014 年に発売することを発表するととも に、「艦これ」アニメ企画も進行中であることを発表した。
      1. 2013 年 12 月現在連載中の「艦これ」関連小説、マンガ

      2. 「艦これ」に関しては、 現在は大規模なメディアミックスが進行中だが、こうした戦略の起点となるよ うなゲームの開発は 5 年前の角川ゲームス創業の時から目指していたもののひ とつだという
        『事業領域の拡大とグローバル化というテーマを持って、次世代のKADO KAWAにステップを上げていく時に、コミックやライトノベルを出発点とし たコンテンツは、これからも勿論出てくると思いますが、角川会長がよくおっしゃるように、人と人とのコミュニティとかネットとか違うところからコンテ ンツが生まれてくる。その事例としてよくおっしゃるのはニコニコ動画ですが、 そのように従来意識しているメディアミックスモデルも変わってくると思いま す。』
    4. ゲームとアニメの世界展開
      1. 海外に対してゲームを先兵としたメディアミックス を行うことに関してはどうお考えですか?
        『私見ですが、アニメは自分の理解では一部のローカルビジネスになってい て、ビジネスとしてキャッシュを生み出さないという構造が、コミックより厳 しい。パイレーツ(海賊版)の問題もあるのですが、欧米のゲームが持つビジ ネス基盤を現地の企業が持っていない。ネットで、タダで見られるものに対し てアメリカは投資をしようとしない。自分たちで産業化しようとしない。この ためにあらゆるものが映画化しないとキャッシュを生み出さない構造になって しまっていて、BDやDVDでアニメを見るというガラパゴス的状況なのは日 本だけという構造になっていますね。ビジネスとしてのポテンシャルはゲーム の方が圧倒的に持っていると思います。』 
    5. 第 8 章まとめ

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〈「魯」、「滷」之間的文化建構—以臺灣特色小吃「魯(滷)肉飯」為主的討論-陳元朋〉

  1. 序論
    不管是「魯肉飯」、「滷肉飯」,又或是「嚕肉飯」,這個閩南語發音為” -bah-pn g”的米食型態,都具有指涉當代臺灣社會日常飲食特色的旨趣在。對本文而言,這是 個極其重要的認知模型。在這裡,「特色食物」與「臺灣」的聯動關係是一個不可 分割的結構。在常態下,人們對於「異名」的容錯彈性極大,甚至根本絲毫無感; 然而,一旦聯動出現外力所導致的窒礙,「證誤」就會成為一種日常飲食行為裡的 文化活動。值得注意的是,這個模型應該還適用於所有文化裡的那些被認知為具有 「代表性」的食物群,本文所探討的案例其實只是通例的一種,但卻絕非孤例。
    一切都是由 MICHELIN 所出版的 The Green Guide:Taiwan 所引發的。西元 2011 年,這本極具權威性的國外旅遊書,將臺灣向來自視為特色的「魯肉飯」,書寫成 是源自中國山東的一種米食形式。一時之間,輿論大譁,而臺灣官方則提出了名之 為「滷肉飯正名運動」的策略來作為回應,而一場存在於「魯」、「滷」之間的文 化建構活動也於焉展開。 
  2. 略論「魯肉飯」的烹飪技術源流
    1. 烹飪學
      若以嚴謹的「烹飪學」度之,周春明所記錄的「魯肉飯」烹調方法,或許更近 於「燒」的範疇。根據羅俊在他所編《烹飪學》一書裡定義,所謂的「滷」是:「把 肉類、蛋類等食材經處理好後,放入燒滾的滷汁中,利用滷汁調味,使菜油而不膩, 這種烹調法,叫做滷」。
      至於「燒」,則其定義是:「燒菜就是把食材經過炒了以 後,仍留在鍋裡,再加少許水或高湯,用微火悶燒一段時間,使食物熟透,這種烹 調的方法叫做燒。放醬油和糖增色的,稱為紅燒;不放醬油和糖的,稱為白燒。」 8 我 們可以清處的看到,手續上夾帶「炒」與「放醬油」兩步驟的「紅燒」,無疑是更 能與前舉「魯肉飯」的製作程序相互契合的
    2. 吉田集而-東アジア豆醬文化圈
      吉田氏指出,所謂的「東アジア豆醬文化圈」,在地理上包括了中國大陸、日 本列島、朝鮮半島等東北亞地區,而以「大豆」為主要素材的各種「醬」與「醬油」, 則在此一範疇裡扮演著「鹹味」與「鮮味」的調味角色。而就這個角度來看,使用 醬油調味、增色的「魯肉飯」,當然也可以說是這個「豆醬文化圈」方始能夠蘊育 的米食型態

    3. 醬油-明代
      總體而言,明代關於醬油的記錄,主要還是集中 在「本草」的系統裡。明神宗萬曆廿四年(1596),李時珍在他的《本草綱目.穀 部.釀造類》裡,首先將被稱之為「豆油」的醬油登錄於「醬」的分類項下,並且 詳述了其製作的辦法。而李氏的這段記錄,稍後又在明思宗崇禎十六年(1643)被 完整抄錄在據稱為姚可成所編輯的《食物本草.味部.造釀類》的「醬」條項下, 而其名稱亦延襲的是李氏《綱目》中所使用的「豆油」一語
      明代中期以降,「本草」文本裡出現醬油的記錄,其實是一件極值得注目的事 情。這是一種傳統藥學文本;除此之外,它還具有一定程度的「博物」屬性。它的 記錄原則,早在公元六世紀初就由陶弘景的《本草經集注》確立,此後不論是唐代 的《新修本草》,亦或是宋代的《嘉祐補注神農本草並圖經》,以及影響深遠的《經 史證類備用本草》,乃至於在公元 1505 年,亦即明孝宗弘治十八年編纂完成的《本 草品彙精要》,都採取的是一種「後書包夾前書」的資料集成模式。19在此,我們必 須要建立一種概念,此即:對於歷代藥學專書的編纂者而言,任何被登錄在其中的 物類,都必須具備著「習慣性」與「普遍性」這兩種原則。准此,倘若文獻上的「醬 油」,未見於明初的《本草品彙精要》,卻出現在明末的《本草綱目》與《食物本 草》之中,那麼我們就幾乎可以確認,醬油之成為中國人普遍使用的烹飪調味料, 大概就是在十六至十七世紀這百餘年間裡
  3. 側寫 2011 年的「臺灣魯肉飯正名事件」
    1. 朱振藩
      朱振藩認為,由於《孟子》一書中有所謂的「膾炙」,而其字義也蘊含了「滷」的 意涵在,因此「滷肉是源自山東,是沒有錯的」。
    2. 胡天蘭
      表示關於「魯肉飯是否起源於山東」這個議題,她「不 予置評」,「也不便置評」。胡氏又指出,她個人曾在上海的臺菜館吃過魯肉飯,但「因為大陸的醬油不同」,因此「味道當然與臺灣的魯肉飯不同」
    3. 梁幼祥
      梁氏先是從 中國古代烹飪技法的角度,提出「炙就是炙,滷就是滷,換了烹飪法,形味全然不 同」的觀點,以駁斥朱振藩那種「炙亦滷」的說法。接下來又以《禮記.內則》中 名為「淳熬」、「淳母」的那種「以肉醬澆蓋米飯或黍米」的吃法為例,指出古今 儘可有外形相似的飲食品類,但我們並不能以文獻上曾經有過這種記錄,就遽認為 當代臺灣「魯肉飯」的淵源就一定是古代某種相類似的饌餚——這其實也是對朱振 藩引用古籍方式的一種正面批判。最後,梁氏以他出身臺南眷村的成長史為例,指 出他從未在山東老鄉的家中「看過一點類似的菜或點」
    4. 韓良露
      以〈魯肉飯與淳熬〉為題,先是考證「周八珍」之一的「淳熬」 在味覺上可能距離「魯肉飯」頗遠,接下來又指出「食物就像人一樣,一代代相傳 都會有基因改變,變出不一樣的人,不一樣的食物,但都會跟比較接近的祖宗三代 比較像」以論述「魯肉飯」乃為華夏古饌餚變體的正當性。最後則是大聲疾呼,認 為我們應該勇於「承認我們繼承了華夏飲食文明」,並提出「魯肉飯難道不可以既 臺灣又華夏」的質疑,而「政治歸政治,華夏歸華夏」則是韓氏為其意見所劃下的 最後句點。
  4. 「魯」、「滷」之間的文化建構
    1. 在歸納所有意見表述的內涵後,我們可以勾畫出以下五點, 以突顯前述臺灣民眾對此所持糾結心態的內在邏輯:
      1. 臺灣的「魯肉飯」被外國人寫成是源自「山東省」的食物,當然應該改正。 
      2. 但叫「魯肉飯」是我們的習慣,為什麼要改成「滷肉飯」? 
      3. 是「魯肉飯」?還是「滷肉飯」?有差嗎?不是都看得懂嗎?
      4. 正名正到要改名,你怎做事的?
      5. 你花那麼多錢改名,然後搞得像是促銷大會,你沒事可以注意了嗎?
    2. 即使是發生在不久以前的 當代事件,歷史仍然是所有參與者建構他們思緒中飲食文化的主要憑藉。對「米其 林」而言,「魯」不就是歷史上「山東省」的簡稱嗎?因此「臺灣魯肉飯」的淵源 地就是山東。對在 2011 年 6 月至 8 月的所有輿論發言人而言,不論是贊成或反對「米 其林」論斷的任何一方,又或者是持調合論態度的,甚至是不表意見的,又有哪一 方不是訴諸於歷史的?從《孟子》到《禮記》,從自身經驗到技術源流,人們其實 是在歷史中尋求、並建構當代臺灣物質文化的「合理性」與「正當性」。事實上, 就連臺北市政府對於「魯肉飯」正名的舉措,也是在歷史的脈絡中建構臺灣特色美 食的歷史。
  5. 結論
    歷史,可以用很多方式去呈現,除了追本溯源的方式 外,觀看人們對於特定事物所抱持的態度,描述人們被特定事物所引發的舉措,分 析人們建構特定事物「合理性」與「正當性」的思考脈絡,其實都可以是當代歷史 研究的範疇。而本文之旨趣,亦即在此
    1. 「魯」、「滷」之間所存在的,其實是臺灣民眾的文化感受。前者是約定俗成 的共識,後者是描述近實的文字,但兩相交戰之下,「共識」顯然要比「近實」更 能反應當代臺灣人的心聲

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該文除了要側寫這場發生在當代的飲食文化活動(魯(滷)肉飯正名運動),也將探討其所涉及的文化意涵。而在進入此論述之前,則先將焦點彙聚在烹調技法的歷史脈絡裡

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從小事件拉出台灣飲食文化的建構,這就是歷史學的以小見大,細看小事件,拉出大脈絡與意涵。

2020年12月22日 星期二

〈日本におけるテレビアニメ放映データの分析 ──リストの作成とその概要──〉増田のぞみ・東園子・猪俣紀子・谷本奈穂・山中千恵

  1. 調査の目的と概要
    1. 調査の目的
      日本においてテレビアニメの歴史は半世紀を迎えた。2013 年は,1963 年に「鉄腕アトム」の放映が始まり,30 分の番組が毎週放映されるという連続テレビアニメのフォーマットが形成されてから 50 年になる
      本稿では,このテレビアニメリスト作成のプロセスおよびそのデータの概要の一部について説明することにし たい。
      1. 一般社団法人日本動画協会
        2008 年より「データベースワーキンググループ」を設け,アニメ業界の産業データの調査を行っている。そ の調査結果をまとめた『アニメ産業レポート』が毎年発行されており,そのなかにはテレビアニメの放映本数や 制作分数といったデータが含まれている 。また,「リスト制作委員会」の原口正宏らが関わるテレビアニメデー タも年ごとにまとめられ,ウェブ上で公開されている
    2. 調査の概要
      本リストに掲載する作品は 1988 年までは『テ レビアニメ 25 年史』(アニメージュ編集部,1988)に掲載されたすべての作品,1989 年以降はアニメ雑誌『アニ メージュ』(徳間書店)に掲載される「年間パーフェクトデータ」に載っているすべての作品とした。
      以上のような作業を進めた結果,1963 年から 2010 年までの全 5,273 件のデータ入力を終えることができた。
    3. 調査項目
      本稿では,放映の概要と原作の媒体に関する項目を主に扱うこととする。主人公の設定,物語の舞台設定に関 する項目については,別稿を用意する予定である。
  2.  新作放映数と話数の推移
    1. テレビアニメ新作放映数の変遷
      本テレビアニメリストより作成した日本におけるテレビアニメ新作放映数の推移を示したグラフが図 1

      本研究グループでは,元データで期分けされているタイトルはそのまま期分けを含めることとし,同じタイト ルのなかで 1 つでも期分けが含まれていれば,そのタイトルはすべて期分けの対象とした。その際,期分けの表 記が抜けていたり,ズレが生じているような場合には新たに加えたり,順序を入れ替えるなどの調整を行った
      本調査によって明らかになった新作放映数の全体の推移は,図 1 の通りである。この図からは,各年に新しく 始まるテレビアニメの数は,年ごとの増減はみられるものの全体的に 2007 年までは上昇傾向にあることがわか る。1963 年からゆっくりとしたペースではあるが,着実にその数を増やしていき,とくに 1990 年代から放映数 が大幅に増加している。
      1. 1989
        この背景としては,1989 年に BS(アナログ)放送「NHK-BS2」が 24 時間本放送を開始,CS によるケーブル テレビ向け番組供給も開始され,多チャンネル化が進行したことが注目される。多チャンネル化により放送枠が 拡大したことがテレビアニメの放映数の増加に影響を与えていると考えられる 
      2. 1990-2000年代
        また 1990 年代後半から 2000 年代にかけてはさらに大幅な本数の増加がみられ,グラフは 2006 年の 221 本,続 く 2007 年の 227 本がピークとなっている。この増加の背景には,深夜枠の拡大がある。
        増田弘道は,2006 年にアニメの制作本数が伸びる「バブル」が現出した背景のひとつとして,1997 年にテレビ東京を中心として安 価で放送コードの緩い深夜枠が開放されたことをあげている。これによって,アニメビジネスを新たに始める事 業者と OVA に流れていた既存の事業者が深夜枠に押し寄せることとなった。コアなアニメ ファンやヤングアダルト層に向けた深夜アニメの増加が,テレビアニメ放映本数を大きく押し上げたと考えられ る。
    2. テレビアニメ放映数に関するデータ
      テレビアニメの放映本数の変遷をまとめたデータとしては,冒頭に述べたように日本動画協会の「データベー スワーキンググループ」が発行する「アニメ産業レポート」に記載があり,日本動画協会のホームページにも 「TV アニメタイトル数[1963 年~2012 年]」というグラフが公開されている
    3. 話数の推移
      このグラフを見ると,1960 年代には 1 作品あたりの話数が多く,1970 年代にピークを迎え,その後は 2000 年 代にかけて話数が減っていくことがわかる。毎週 1 話ずつ放映される作品の場合,1960 年代から 1970 年代にかけては,平均の放映期間が軽く 1 年を超え ることとなる。1970 年代の 81 話という数字は,1 つ 1 つの作品に平均して 2 年近い放映期間があったことを示し ている。それが 2000 年代になると大幅に減少し,2 クール) 程度の作品が主流になっていることがわかる

      日本動画協会のデータベースワーキンググループ座長である増田弘道は,テレビアニメの制作実態を知るため には,制作本数だけでなく制作分数を調べることが重要であると述べており,『アニメ産業レポート』においては 制作分数のデータが重視されている。増田は「テレビアニメのほとんどが 30 分のシリーズ作品だった 2000 年代 以前ならタイトル数で数えるのも有効だが,デジタル技術の進歩によって比較的簡単にショートアニメが制作さ れるようになった時代においては,制作分数に注目しなければならない」と指摘する
  3. 原作媒体の割合の変化
    1. 原作の分類方法
      テレビアニメの原作媒体についてみていく。テレビアニメはマンガなど他の媒体で発表された作品 を原作に作られることも多い。アニメオリジナル作品はどの程度存在するのか,またどのような種類の原作が多 いのかを知るために,初出の媒体をみることとした。

      このようなメディアミックス作品については作品ごとに制作される 経緯が異なり,発表年月日が早いものを原作とするのか,そもそも原作は存在しないと考えるのか,その判断は 困難なものとなる(本研究では,原則として発表年月日が早いものを原作とした)。こうした何を原作とするのか 判断が難しいケースが増えていること自体が,現在のテレビアニメの状況を表しているともいえる
    2. 原作媒体の割合の変化


  4. おわりに 
    新作放映数の推移をみると,テレビアニメはこの 50 年間に着実に制作本数をのばし,アニメーション表現のひ とつのジャンル,またテレビ番組のひとつのジャンルとして日本において揺るぎなく定着しており,テレビはア ニメにとって主要な媒体であり続けてきたことがわかる。とくに 1990 年代以降,衛星放送をはじめとした多チャ ンネル化の進行や深夜枠の拡大にともなって新作放映数が増加している。ただし,放映本数が増加する一方で,1 作品あたりの話数の平均は減少し,放映期間が短くなる傾向が確認された。また原作媒体のデータからは,マン ガ原作作品の割合が一貫して高い水準を維持していることが明らかとなった。このことは日本におけるテレビア ニメとマンガの関係を考えるうえでも重要な示唆を与えるだろう。

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列出1963到2010年之間的動畫討論其變化

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但是年度動畫如果可以把今年新作與舊作一起刊出來就好了,甚至OVA也一起就更完整了

2020年12月20日 星期日

〈後 311 之日本的思想:由倒錯至實踐〉-東浩紀(Azuma Hiroki)

  1.  虛構的時代
    所謂「虛構的時代」之終結,並非如我在前書所論斷之 1995 年。或許, 「虛構的時代」其實一直延續拉長至現今的 2011 年的說法似乎更為恰 當。如此長達四十一年之「虛構的時代」,日本的政治可說處於完全冷感 麻痺的狀態。所謂政治冷感的說法,並非單指政治或自民黨政治的運作 不順暢而已。而是指人們不再對政治抱持熱情慾望。在 1970 年代,人們 急速地不再需要政治,政治冷感的麻木狀態長期持續延宕
    1. 村上春樹
      村上是全共鬥世代,且為 1947 年至 1949 年時期出生的戰後嬰 兒潮團塊世代。與他同時代的群體即為投入安保鬥爭學生運動的同一群 人。但是,他在七○年代之後開始「疏離」。藉由脫離政治,創造出新的 思想與新的文學。村上正是 1970 年代背景產生的作家。而村上「疏離」 的文學書寫在八○年代開始大量生產。而以 1995 年發生的奧姆真理教事 件產生新的契機。從此由「疏離」(detachment)轉向與社會「連結」 (commitment)的書寫。村上春樹的定位象徵著這個時代的建構之變化。
    2. 御宅族
      所謂「御宅族」,是指熱中電玩遊戲或漫畫及動畫等 各種日本獨特的大眾文化的群體。在台灣也廣為大眾所接受。論及日本 特質的次文化特徵,借用社會學者宮台真司的用詞,就是「無關連化(無 差異化)」(in-differentiation)。在文化研究領域尤其是日本動漫,普遍 以「無關連化(無差異化)」的觀點看待其中所具備的實用性質與特性
      因為日本次文化的一個重要特徵,是「現實」與「文化」間某種相互的 反映關係毀壞掉了,「御宅族文化」變得如此壯大,才顯現出其作為「虛構 的時代」之表象
      1. 正因為「無關連化」的徹 底實踐,至此才讓「虛構」因勢而生
        日本至 1970 年代為止,國家的機 能運作依舊順暢。但 1970 年代前後開始,國家的力量開始弱化變得非常 小。而國家力量耗弱之際,御宅族們為了填補缺口龐大的真空狀態與空 洞的大窟隆,開始編織出自己群體的故事。何謂「張開的龐大真空缺口」? 這個字眼說明上有點困難。對日本至某時期為止的御宅族們而言,他們 的強項不是熟知理解日本社會的「現實」,而是宅性意味的「現實」。
        比如說,對宅族而言,與其閱 讀《朝日新聞》倒不如收集自己社群的情報資訊來得有意義。亦即,在 大敘事凋落後所張開的空洞缺口,御宅族們不斷用小敘事進行填補這些 空洞。在其過程中呈現出因理想崩解後因勢而生的「虛構」。而這種「虛 構」是與「現實」無關下被製造出來的一種奇幻幻想(fantasy)。日本大 眾流行文化之特異性,在於它是由如此的奇幻幻想所支撐建構之故。
    3. 1970年代
      1. 輕小說
        1970 年代村上春樹剛出道之際,實際上亦是輕小說誕生的同 一時期
        「輕小 說」在現今日本文學中佔據極龐大的市場,是極接近漫畫與動漫之所謂 「角色小說」(The Character Novel)。它不是描寫「現實」的人物,而是 描寫近似漫畫或動漫的人物角色(Character)的小說。在現今日本佔有極 龐大的數量。這類「角色小說」的誕生是在 1970 年代後半期。「輕小說」 的誕生究竟應該擺放在那個時期,眾說紛紜,難以遽下定論。唯一公認 確認的看法是新井素子這位作家。新井素子的出道幾乎與村上春樹為同 一時期。村上春樹在日本出現文壇是與「輕小說」的登場同一時期
      2. 「同人誌 展示特賣會」(Comic Market)
        它原先是由「SF 科幻同 人誌」出發展開的。「SF 同人誌特賣會」的出現,其實在初期階段其社群 性質具備強烈左翼性格及思想性。因為它是產生於 1970 年代初期的同人 誌,理所當然地摻雜進極大成分之政治性。但沒多久,這類同人誌迅即 快速地被切割脫離而孤立(detachment)。到了 1980 年代,現今可見的漫 畫形態或動漫,其色情淫穢的(pornographique)二次創作已經大幅地佔 據其中心。七○年代中「同人誌展示特賣會」急速地擴大壯大,確立了 現今的型態。
        「同人誌特賣會」的產生背景其實存在著全共鬥世代的海報 宣傳(hand bill)文化。亦與此時期蓬勃發展的轉寫印刷相關。在此個人 想提醒各位有關「同人誌特賣會」的思想性。即便現今,「同人誌特賣會」 的委員會仍然沒有成立有限公司這類組織。「同人誌特賣會」完全是採用 志工性質的組織。簡言之,它不是追求利益的自治公社(commune)。其 工作人員對於組織運作之意識如何不得而知,但卻有思想體系。領導者 至今仍然只是一種形式,重點在於它沒有一般公司般的系統樹(tree)狀 的構造。參加人員集合一起,彼此都是對等的身份。名之為「特 賣會」,理念上是「交換會」。大家都是創作者。大家聚在一起交換各自 的創作產品。這是集體共同的理念。所以「同人誌特賣會」不向參加者 收取入場費。
        但個人認 為,「同人誌特賣會」中有著極為強烈的意志力作用著。它是全共鬥意味 之某種反對抵抗性質。是絕對不要建造出系統樹(tree)狀的構造之強烈 意志作用於其中。「同人誌特賣會」是御宅族文化的中心,因而御宅族之 強烈影響亦反映於其中。
        1. 超扁平
          超扁平(Superflat)是日本藝術家村上隆(Takashi Murakami)對漫畫及動漫所提 出的概念。指日本消費文化獨特的膚淺空虛感。包括日本各時代各種類的平面繪畫、動漫、次 文化、角色文化等泛稱的特徵。指的是平面性二次元的繪畫空間,上等和下等文化共享的中間 地帶「Superflat」(超扁平)缺乏深度且誇張可愛的漫畫式形象。大量餘白。不太使用遠近法的 技巧。此共通特徵廣見於日本傳統繪畫、現代漫畫、動漫等。畫面無立體感,顯示其平面性、 裝飾性、遊戲性。並包括日本動漫相關連之立體作品的公仔等作品。
  2. 後 311 的日本遽然以 2011 年為一個極大的轉折點,出現由 長久「疏離」脫政治化的社會轉變成緊密「連結」社會的現象。這正是 日本社會現今極為重要卻棘手的困難課題。因為近四十年來日本脫政治 化的時期過長,社會已經遺忘遺棄掉許多政治性的表現。簡單來說,由 於脫政治化的時期過長,具體而言,政治人材極為短缺。長久以來「政治」在日本社會並未能佔據重要位置
    今天的日本,個人必須很遺憾地說, 如此淺顯易懂之與社會「連結」的方式正迅速大量地抬頭。但是,這種 社會現象若要遽然以國族主義的抬頭論斷之,卻也是有困難的。釣魚台 諸島的問題雖然完全是國族主義的象徵。但是首相官邸前的抗爭集會卻 是關乎「自由主義」(liberal)與「生態」(ecology)問題的活動。也是關 於「綠色經濟」(Green Economy)面向的議題。一般而言,兩者的訴求 在意識型態上是完全相反的兩個面向。基本上就個人的觀察,這兩種意 識形態在本質上是相同的。二者都是淺顯易懂的一種社會「連結」。對於 極為容易理解的政治,以極為簡單易懂的標語化的形態,讓群眾迅速地 與社會達成「連結」,這種社會現象在現今的日本正迅速強烈地不斷抬頭 當中。
     個人認為最重要的是如何將 如此淺顯易懂的「連結」形態轉化深化成更為困難的「連結」方式的課 題。將「連結」社會的行動轉化成更複雜化的「連結」。

得這篇文章想要討論什麼?

討論日 本沈重之危機下如何具體改革?重建新國家所必須具備的 新思想為何?針對「日本 2‧0」在思想、心理、理念、價值 觀上全新的「思維模式」(mind set)提出其建言與構想

我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
如果對柄谷行人、村上春樹不熟的話,我會覺得沒有辦法很好的體會這一篇文章,但說實在這類型的論述往往只以部分領域的變化來窺知全體,粗糙又有點簡略,總覺得往往是先定好想表示的主張,再隨便找些東西來當立論的基礎。(好啊 也可能是我功力太淺不懂啦)

2020年12月19日 星期六

〈追求飲食之清-以《山家清供》爲主體的個案觀察-陳元朋〉

  1.  引言
    南宋時期才出現文獻可見的變遷。一個被稱之為「清」的飲食判 準,開始躍上歷史的舞台。新興的味覺認定,在性質上不獨關涉人類 的基本官能,更是一種富涵文化意義的感知體系。它雖然也被奉持者 當作是一種美味的標的,但在一定的程度上,它卻又將美味的範疇從 既有的口感、味覺中解放出來。省費、健康、原味——這些或是散見、 或是側面影響早期飲食審美的因子,現在全都被融混在「清」的抽象 味覺中,而拙文所引以為個案討論的文本《山家清供》,則又厥為 箇中的代表著作
    事實上,位居這部著作中核地位的「清」, 也並不是寫作者林洪一人的僻處自說而已。林氏的見地,其實代代不 乏承繼的集團成員。而就這一點看來,此一與飲食相涉的「清」,不 獨是古代中國飲食審美認知的匯整與創新,它應該還具有階級文化的 內在才是。
  2. 「清」之意涵與生活之「清」
    1. 林洪
      林洪,字龍發,號可山,生卒年與里貫皆不詳,除了著有《山家 清事》、《文房圖贊》、《茹草紀事》、《山家清供》等書外,還編 有《大雅復古集》(已佚)
      1. 明代胡應麟(1551–1602)-《詩藪》
        詩最可貴者「清」。然有格清、有調清、有思清、有才清。…… 若格不清則凡,調不清則冗、思不清則俗。……清者,超凡絕 俗之謂,非專於枯寂閒淡之謂也
      2. 方回-《桐江集. 馮伯田詩集序》
        方回對 於文學作品所訴求的「清」,其實與「新」是一體之兩面。按照他「非 清不新,非新不清,同出而異名」的邏輯理路,詩之「清」,其實就 是詩之「新」,同時也可以說是詩之「清新」。而這個「清新」的內 在,則是所謂的「意味之自然」。
        藉「新」以述「清」,用「新」來區別「舊」、再以「自然」聯繫「清新」,方回的論述,既說明了「清」的內在是「自然」,又指 出「清」是有別於既有的、尋常的。換言之,他筆下的「清」,雖說 是併合了「新」的表述,但仍然具有與「俗」對立的性格。
      3. 林洪-《山家清事》

        這些事物之所以被著錄簡冊,甚至還被稱之為 「清事」,其原因即在能夠見證作者的「一己之清」。
        在上表所呈現的十五項「清事」中,除了〈金丹正論〉以下的五 個篇目是屬於比較抽象的個人思緒外,其餘十個篇目幾乎都涉及特定 技術的討論。
        事物之「清」否?端賴人之「清」否?而人之所以能夠躋 於「清」,則總是來源那種種與「俗」相對立的內在背景


  3. 「清供」之清
    1. 「清供」之意
      1. 在部分 佛教典籍,以及一些僧侶與文人的唱答之作中,它常被當作齋食解
      2. 在若干描述歲時節慶的文編裡,這個用語又常被拿來指陳各色鮮花 擺設
      3. 在像是《雪庵清史》、《清寤齋心賞篇》這類專記士 人雅好的文本裡,它則常是文玩古董的代名詞
      4. 對於某 類飲食方式、又或是饌餚類型的專稱,而林洪的《山家清供》則正是 箇中的代表作品。
        將日常飲食名之為「清供」,林洪無疑是想藉此來突顯自身的品 味。然而,「清供」之所以能夠在社群中發揮區別的功能,憑的卻似 乎不是食物素材的本體
        大抵而言,除了苜宿、蒼耳、葶藶這三種草 本菜蔬,以及獐、狸、兔、雉四種肉類外,幾乎所有的食材品類, 都可以在有關這個時期日常食物原料的當代歷史研究中尋見蹤跡
    2. 《山家清供》中的「清」
      林洪在整部《山家清供》中所言 及的「清」,還是個頗為複雜的概念,它的意涵往往不止一種
      1. 這「清」有時指的是尚儉的作風-《山家清供》卷下〈假煎肉〉
        瓠瓜與麵筋皆是尋常便宜之物,不加價昂的肉類共炒,僅以葷油 煎之,主要祇是在取其肉味,但在花費上則減省不少,而此則謂之「清 味」
      2. 有益於身體,也符合林洪對「清」的要求-卷上〈簷蔔煎〉
        「油煎麵拖梔子花瓣」之所以能達到「清和之風備矣!」的境界, 主要在於其對「道氣」與「身色」所能產生的正面作用。此中,前者 的表述雖然比較隱晦,未必就能遽斷其與血肉之軀的關聯,但後者卻 無論如何都像是針對生命機體而言的。事實上,如果從這兩者與「清」、 「和」二字的對位關係來研判,林洪顯然是將這個與健康相關的飲食 對象,設定在「清」的位階上。
      3. 對「素材原味」的追求-卷上〈傍林鮮〉
        竹筍本自有其原味,合肉共烹,味覺當然非一,這是林氏所不取 的。而從他引用的蘇軾詩文看來,這種對原味的刻意保持,實無異於 對「清」的追求
      4. 如果倚循上 述三種林氏對「清」所下的定義,我們似乎還可以將其人的飲食活動 作如下之表述:
        第一,富貴人家普遍棄之於蔽屣的樸素食物,林洪卻 甘之如飴。
        第二,有別於「裹腹充飢」或「感官嗜欲」這兩個大多數 人的進食目的,林洪還多了一個健康的飲食訴求。
        第三,一般人常會 添加配料進行烹調的食材,林洪只愛好其原味。
        很明顯的,在多方表 白「清」之意涵的前提下,林洪在飲食一事上所展露的喜好或偏愛, 並未與一般人同趣。他的飲食之「清」,顯然也具有與「俗」對立的 性格。
  4. 「清味」的構成-特就「烹飪技法」與「食物種類」論
    從袁枚將之稱為「真味」的作法來進行推敲,它 的宗旨應該在於「食材原始味覺」的保持。當然如果純從技術的層次 上來考量的話,那麼「濃厚之味」的達成,就可能得利用一些足以突 顯或增強「味」的法子;而「清鮮之味」,則是要在不廢烹調之功的 前提下,對食材進行足以保持其「原味」的加工

    「濃」與「厚」相綴,「清」和「鮮」比肩,袁枚下筆描述味覺 的辭彙,顯然具有「同義複詞」的性格。換言之,他說的「清鮮之味」, 其實也可以說是一種「清味」。而如果與林洪在《山家清供》裡所追 求的「原味」相埒,存在於《隨園食單》裡的那種「無俗塵」的「真 味」又明顯可與之通釋。因此,在味之「清」、「鮮」、「原」、「真」 相互類通的前提下,「烹飪技法」或許還是我們進一步理解「清味為 何物?」的可行取徑之一。
    1. 《山家清供》裡的烹飪技法
      「蒸瓢瓜」、「蔥椒鹽水白斬雞」,再加上那道被誤認的「鱠」, 這三道饌餚嚐起來的感覺當然不盡相同,但卻同樣被林洪認定是具有 「清」之素質的。為什麼原本全然不同的味覺經驗,現在卻可以統攝在看似劃一的味覺大纛下?豈非「清味」乃是一種專指「真味」或「原 味」的泛稱嗎?再看看這三道饌餚間的共通點——它們全都有著相對 「易簡」的烹飪技法

      下圖所示,即是出現在《山家清供》裡的九種烹調技法。拙文以 為,這些看似操作層次的東西,很可能正是「清味」判準的重要締造 要素。


      1. 「盦」字原有覆蓋的意思,在兩宋時期的烹飪術語中,指的乃是 一種「柴火燜燒法」。這種技法在《山家清供》中的出現場合分別 是〈蟠桃飯〉條、〈玉井飯〉條與〈滿山香〉條
        其中,前兩者是山桃,以及藕與蓮子混米共「盦」的燜飯;而第三道饌餚則是以「盦」 製作的「燜蔬菜」。

      2. 「煮」是《山家清供》中最常使用的烹調技法,總計有三十七個 用例。其中,有些是利用此法來製作羹湯的,也有一些是藉以取得軟 爛的食材。

      3. 「蒸」在《山家清供》中共出現十九次,對象有葷有素,也有不 少糕點使用此法

      4. 這個字彙今日臺灣雖較少見,但其技法卻是十分的普遍,亦即「燙」 或「汆」的意思。《山家清供》的譯注者認為,所謂的「焯」乃是: 「放入滾水中汆一下,立刻撈出來。」
        此種技法林洪共使用十次,除了兩例是為了麵食餡料的熟成外,其餘都是為了涼拌菜的製作。 

      5. 「瀹」字一般理解作「烹」,如「瀹茶」之謂。不過,察考《儀 禮.既夕禮》與《漢書.郊祀志》裡的記載,「瀹」似乎也有著「過 水汆燙」的意思。事實上,林洪筆下的「瀹」之出現場合,也支持前 述的推論。因為,在全數三個用例中,就有兩例是針對筍、蕨、萵苣 所進行的食材軟化工作

      6. 考查《山家清供》裡的十二道涼拌菜,僅有三種是屬於「生拌」,其餘九種則 是先將食材以「焯」或「瀹」的手法進行處理,再與其它調味料拌合 的「熟拌」

      7. 「烤」的意思不外以火直接加熱單一食材。這種調理技法在《山家清供》裡共出現三次。其中兩次使用的食材是獐與鴛鴦,另一次則 是為了製作塗抹蜜的甜麵餅。

      8. 「炒」是傳統中國烹飪技法中分枝最多的一種。雖然同樣是入油 於鍋、加料翻攪,但因應不同的口感訴求,這種技法其實還可以再細 分為「煸炒」(以少油逼乾水份)、「滑炒」(拖蛋汁溫油炒)、「抓 炒」(旺火快炒勾芡)、「清炒」(食材僅一種,配料為調味料)。《山家清供》計有炒例八種,且全都屬於「清炒」之流。

      9. 有關「煎」的定義,《飲食文化辭典》的定義是:「以少量的油 遍布鍋底,再放入經過掛糊或拍乾粉的原料,再用小火將原料煎熟至 兩面金黃的一種烹調法。煎的原料一般都是單一的」。
        在林洪的筆 下,施用對象「單一」的「煎法」共出現六次,且全都屬於「托麵油 煎」的一類。
      10. 小結
        鄙見以為,在《山家清供》所展現的:「真味」──「原味」── 「清味」三方關係譜系裡,烹調技法必定扮演著重要的角色。我們可 以清楚的看到,林洪所記述的庖廚技術雖然多達九種,但是像是具有 「濃縮」作用的「」、強化調味料味覺的「」,以及使食材富含油脂與溫度的「」,卻全都被排除在外。

        而與這些相對存在的, 則是那些在當代烹飪專家眼中能夠「突出主料滋味」的「」、「留 存食材原味」的「」、「保存食材色澤味道」的「」與「」、 不致違礙食材口感味覺的「」,以及「強調單一食材」的「」、 「」與「清炒」。這也就是說,在烹飪行為發生的前提下,這些技 法的使用,在一定的程度上是足以反映林洪刻意追求「清味」的事實。 這種味覺,不是單一的感官,理論上來說,它其實還具有泛指諸般食 材「原味」的體質
    2. 被賦予意義的食材
      鄙見以為,林洪賦予饌餚的「清味」,很可能有相當 一部分早在烹飪行為發生前就已經存在了。這箇中的關鍵,不全在食 材的本體,某些人士之於部分食材所發抒的議論,以及這些議論所引 發的認同,很可能更是決定性的要素。 


    3. 筍-〈鎛金煮玉〉
      茲以出現次數最多的「筍」為論。這味食材在《山家清供》裡總 共出現八次,其重複出現的特徵,確實足以反映林洪偏愛。
      文中提及有關筍的兩種處理方法,其一是「拖麵軟煎」,其二 是「片切煮粥」。就技術層次上而言,這兩種筍的料理方式,都能夠 符合前段所述及的那些食材原味保存辦法
      而鄙見以為,林洪之所以會對筍之為物 展現偌大的興趣,大概也跟這種「名賢同道」的議論有所關聯。從引 文中可知,為筍撰疏的濟顛,顯然對這食材是有所偏愛的;而脫俗如 濟顛者都看重的食材,又豈能是尋常咀嚼之物?換言之,在林洪的思 緒裡,吃筍不獨是吃筍,品嚐筍的味道,等於也在展現一己對清流好 尚的認同
    4. 蟹-蟹釀橙
      出現在這段引文中的象徵意義至少有兩個組群。
      其一是所謂的「新 酒、菊花、香橙、螃蟹之興」,這部分其實隱喻的是「中秋」,因為 根據陳元靚《歲時廣記》與周密《乾淳歲時記》的記載,宋人在中秋 之日除了有「食螯蟹」的習俗外,還有會飲新酒、頭簪菊花,以及品 嚐鮮橙的歲時活動
      第二個組群,則是由危巽齋的〈贊蟹〉文 來體現。以文章為洪邁、楊萬里所賞視,稱得上是南宋前期著名的清流 士人
      從引文的內容來推敲,螃蟹這種食材,之所以會被林洪納 入「清味」的範疇,大概除了感官嗜欲與節令趣味之外,還包括了被 特定食材所引發的那種對於清流前賢相關議論之想望
    5. 林洪之所以會對某些食材展露出比較多的興趣,應該還正是受 到若干詩文創作者的影響。這些人物,包括了杜甫、蘇軾、陸游、岳 珂、楊萬里、章鑑,他們之於林洪,或是詩聖文宗、或是名流賢達, 要之皆為指標性的士流代表,而他們對於某些食材的好尚,現在倒成 了林洪判準「清味」的另一項指標
      我們或許還可以推斷,立基於「清」的飲食品味,大概至 遲到十三世紀中期,已浸然成為部分士人推許並奉持的一種獨特之生 活方式
  5. 結論
    林洪言之再三的「飲食之清」, 至少還是具備了突出知識階級內部高低等差的意義。關於此,《山家清供》中屢次出現的那些諸如「君子─小人」、「山家─勛家」、「山 林─貴家」之類的敘事筆觸,其實已將林氏的認知表露的十分清 楚——倘若無法具備這種飲食審美,那麼即令是富貴達宦,其素質仍 舊是「俗」而非「清」 
    鄙見以為,與飲食相關的「清」之議題,不論是涉及思想層面較 多的「清供」,又或是與身體感知發生較密切聯繫的「清味」,似乎 都與兩宋以降蓬勃發展的士流文化難脫關聯。

得這篇文章想要討論什麼?

拙文擬對存身在林洪傳世著作中的「飲食之清」進行探討。除了 將以林氏的傳世著作來追索其人筆下的「清」之定義外,也將針對出 現在《山家清供》一書中的飲食饌餚進行全面的剖析。而勾勒抽象概 念的具象呈顯,以及推定若干可能存在的「清味」感知方式,則是全 文論述的旨趣所在。

我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
一個料理的背後,其食材、烹調方式,構成了該料理是否為清,食材的本質鑲嵌在該時代、價值觀之中,烹調方式則關聯於感官味覺,兩者共同影響一道料理的最終評斷。
能夠從料理的評斷方式抓出那個時代價值觀的線索,總覺得挺不錯的。
如果回到當代,就像是有的人會追風一樣,追求某些指標性人物的生活品味,來凸顯自身的品味不凡等,又或者店家試圖營造這樣的氛圍,來吸引他的目標客群。

2020年12月18日 星期五

〈若者のオタク化に対する警鐘 若者の考える「オタ活」とオタクコミュニティの現実 -廣瀨 涼〉

  1. はじめに
    筆者は、オタクという言葉が気軽に使われるようになった結 果、若者がオタクのコミュニティの実態を知らないまま、気軽にオタクのコミュニティに参加してし まい、自身の抱いていたオタ活との間にギャップが生じてしまう現象に対して問題意識を抱いている のである。結果的にコンテンツ離れしたり、そのコンテンツを好きであると公言することに息苦しさ を感じている若者のオタクも多くなってきている。本稿では、その要因を筆者なりに考察してみた。
  2. 「オタク」という言葉の今
    オタクという言葉 がアイデンティティと同義で使用されており、趣味に対して時間やお金を消費する「オタ活」を通し て、自身のアイデンティティを充足したり、発信している。このような変遷を経て、近年「オタク」という言葉は日常的に使用されるようになってきている。
  3. オタ活と SNS
    オタクの活動の場は時代の流れとともに変化している。インターネットの登場により、「2ちゃんね る」のような大型匿名掲示板での交流が、オタクの情報交換の場の中心となった。
    実際に SHIBUYA109 来館者(15~24 歳女性)を対象とした「オタクに関する調査」4をみる と、「最も力を入れている興味対象に対する具体的なヲタ活」として「Twitterで情報収集する」(73.1%) や「SNS の専用アカウントを作る」(53.3%)が高いなど、SNS における活動がオタ活において大き な意味を持っていることが伺える。
  4. SNS におけるオタクのコミュニティの構造
    SNS に存在するオタクのコミュニティの特徴として、コミュニティの境界線が明確ではないことが 挙げられる
    同じ自身が確認できない広い範囲の大きなオタクのコミュニティであっても、現実社会のコミュニ ティでは、個人が“能動的”に行動を起こすことにより、広義のコミュニティ(オタクがたくさん集 まる場)との接点を持っている一方で、SNS においてはオタクとしてアカウントを作成した段階で、 広義のオタクのコミュニティに“受動的”に接点を持つことになってしまうのである。
  5. 若者がオタ活をすることに対する問題
    筆者は、若者が、オタクのコミュニティの性質を十分に理解しないで他 のオタクと交流することに危機感を抱いている。オタクという言葉が気軽に使われるようになった結 果、若者がオタクのコミュニティの実態を知らないまま気軽にコミュニティ参加してしまい、自身の 抱いていたオタ活との間にギャップが生じてしまうという現象が起きているためである。結果的にコ ンテンツ離れしたり、そのコンテンツを好きであると公言することに息苦しさを感じている若者のオ タクも多くなってきている。
    筆者はこの要因として、①「ファン資本」と②「コンテンツ市場の性質 とオタクの定義」が関係していると考えている。
    1. 「ファン資本」
      ファン資本とは、ファンコミュニティで相互作用を行う ための元手となるもののことである.オタクのコミュニティにおいては、オタク同士の情報交換や交 流といった「相互作用」が不可欠である
      1. 実資本
        龐は実資本を、我々自身の経済力や人脈、スキルといった社会生活を送る上での元手と定 義しており、その中には経済資本、社会資本、文化資本が存在すると論じている
        実社会のコミュニティでは、相手の名前や年齢、職業などの人となりを、交流を通して認識してい くが、SNS におけるコミュニティは繋がり合うきっかけが「趣味嗜好」であるため、相手の本名はお ろか、年齢や性別もわからないまま交流をすることが一般的である。そのため、趣味嗜好に対するベ クトルのみが接点であるがゆえに、SNS におけるオタクのコミュニティは、一見、実社会における社 会的立場はフラットな状態に見える。しかし、フタを開ければ交流をしていた相手が確固たる経済基 盤を持つ大人であるということももちろんある。
        アイド ルとの握手券や人気投票のための投票権獲得に CD を大量に購入し、自身の経済力でアイドルを応援 するというシステムが、支出額=愛という一種の視覚化できる指標を定着させてしまったことで、他 のコンテンツにおいてもその歪んだ構造がより影響を強めていると筆者は考えている

        筆者は、オタク とは、好きな対象に対して時間やお金の消費を繰り返すことで精神的充足を行う存在であると考えて いる。自身のペースでその対象に向き合うべきなのである。せっかくそのコンテンツが好きでコミュ ニティに足を踏み入れたのに、他人を顧みた消費によって心理的に切迫感を感じてしまい、そのコン テンツを好きであると言いづらくなってしまっては、精神的充足どころか本末転倒である


    2. 「コンテンツ市場の性質とオタクの定義」
      従来のオタクは、他人 から認識されることで成立しており、レッテルとしての側面が強かった。言わばそれを称賛と捉える かは別として、他人からオタクと思われたらオタクであり、他人からにわかであると思われたら、に わかだったのである
      最近の若者は、自称することでオタクは成立すると考えており、アイデンティティを顕示す るように自身がオタクであることを発信している。また、他のオタクは比較対象ではなく、あくまで も仲間であるという考えが強いようである
    3. マウンティング
      マウンティングとは、自分の方が優位と思いたいが故に、自分の方が立場が上であ るとアピールすることを意味する。オタク同士のコミュニケーションにおいては、コンテンツに対す る知見の深さやイベント参加経験等コンテンツ自体との結びつきの強固さをアピールする「経験力」、 グッズの購買力や投資力をアピールする「経済力」、いつからファンかをアピールする「オタク暦」が マウンティングの主な対象となっている。
      ファン資本で論じた通り、消費することがコンテンツ愛に 繋がると考える層が存在しており、彼らは他のオタクに経済力でマウントをとる。その対象は若年層 のオタクも含まれており、消費を煽ったり、消費する経済力がないことに劣等感を抱かせるような発 言をする。
    4. 同担拒否
      もしくはその一部を独占したいと思う欲求をもつ オタクもおり、自身が好きなコンテンツ(特に特定の人やキャラクター)と同じコンテンツが好きな オタクを排除しながら交友関係を広げようとしたり、自身よりコンテンツに対する熱量が少ないオタ クに対して、「なぜそのようなことも知らないのか」「そんなことも知らないならファンを名乗るな」 といったように高圧的な態度をとることもある。これは、自身の購買機会を守るという側面と同時に 社会資本という側面から見ても、ファン資本(情報提供や珍しいグッズの見せつけ)を提供し続ける 中で、比較的ライトに消費をするオタクを自称する層や経済力がない若者に対して、同じ土俵に立っ てほしくはないという一種のプライドのようなものも垣間見ることができる
    5. オタクを自称することがアイデンティティとなっている多くの若者がこのようなオタクが存在して いることや、オタクを自称することのリスクを認識していない。その結果、コンテンツコミュニティ に対して、自身が抱いていたイメージと差異が生じ、他のオタクとコミュニケーションをとることを やめてしまったり、最悪の場合そのコンテンツから離れてしまうこともあるのである。 
  6. その「オタク」は誰を指しているのか
    オタクに関する調査は、市場規模やトレンド、消費傾向を把握するための重要な資料であるのは間 違いないわけであるが、その対象がどのような人々を指しているのか念頭に置いて調査結果を見てい くことが大事である
    1. オタク人口
      1. 矢野経済研究所では、 調査項目で「自分がオタクか否か」を問い、それを下にオタク人口やオタクの個人消費額算出を試み ている。2017 年の彼らの調査によると、18~69 歳までの男女のうち 19.9%が何らかの「オタク」で ある、と答えている。そのため、オタクを自称する幅広い層をサンプルとして扱っており、2018 年の アニメ市場のオタク人口を 598 万人と算出している
      2. 野村総合研究所の 2005 年の調査では、 アニメオタク人口を 11 万人と推量しており、算出された数字だけ比較すると、ほぼ 10 年で約 590 万 人増えたことになってしまう
        野村総研の調査では、2004 年 8 月に野村総合研究所が行った「趣味やこだわりに関する生活者調査」 の分析の結果から、消費性オタクの出現率を生活者全体の約 11%、心理性オタクでは全体の約 36% であると特定した。そして、消費性オタクであり、かつ心理性オタクである層、すなわち中毒的で極 端な消費行動を示し、かつ心理的にもオタク的な特徴を有する生活者を「オタク」と定義づけた。こ の「オタク」の出現率はおよそ 3.6%、つまり 28 人に 1 人の割合でオタクが存在するとしており、野 村総研によるオタクは、彼らの基準によって ......... オタクかオタクでないか線引きされた存在であると言え るだろう。
    2. 対象市場の範囲の差
      SHIBUYA109 来館者(15〜24 歳女性)を対象とし た「オタクに関する調査」では、72.6%が「ヲタ活」をしていたという
      1. 「ヲタ活」という言葉が「ファン」「お金や時間をたくさん費やしているもの」 という 2 つの軸で使われていることがある
        1. 自分向けヲタ 活
          自分向けヲタ活は、エステやネイル、 カフェ巡りなど消費の結果が自身に回帰するものを指し、一般的に自己投資や自分磨きと呼ばれるよ うな性質を持っている。
        2. 他人向けヲタ活
          他人向けヲタ活は、アイドルや YouTuber、マンガやアニメなど、従来のオタ クが消費してきたような「コンテンツ」を対象としており、自分の消費が興味対象の応援に繋がる性 質を持っている。
      2. 矢野経済研究所が調査対象をアニ メやマンガなど 16 市場に限っている一方で、若者の考える「ヲタ活」は言うなればすべての市場であ てはまるため、若者の 8 割がオタクであると自認するようになってもおかしな話ではないのである。
    3. オタクの消費調査
      1. SHIBUYA109 lab. と CCC マ ーケティングによる 15~24 歳の女性を対象とした「オタ活に関する調査」によると「1 年間でヲタ活 に使う平均金額」は約 58,000 円という結果となり、ヲタ活に費やす費用は、年間の可処分所得の約 10.1%を占めていたという。
      2. 矢野経済研究所の「2019 年オタクに関する調査」を基に算出した オタクの平均年間消費額は「平均 22,500 円」であった
  7. 若者がオタク化することに際して
    このような若者のオタクを大きな器で受け入れることが、コンテンツ消費人口を増やし、コンテン ツを継続させることに繋がるわけだが、全てのオタクにそのようなスタンスを求めることは不可能で あろう。そもそも、オタクにとっては、マウンティングする事による優越感、されたことによる屈辱 感自体が消費行動に繋がったり、結果的にコンテンツに対する理解や知見を深めるモチベーションに なるからである7。そのため、コンテンツコミュニティの全てのオタクが若者のオタクに対して寛容な わけではないという状況については、そのコミュニティにオタクを名乗って参与する若者のオタク自 身が十分に認識して自衛する必要があると筆者は考えるのである。

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討論了當オタク層擴大之後,產生了階級以及衝突,這之間的心態分析,以及討論オタク消費市場也應要分析這其中的階級,上下階級的人數相差很多。
而這些都可歸結到當次文化逐漸成長時,均值分布不再,取而代之的是金字塔分布,但我好奇的是,這樣的團體發展,能所有團體共同的現象,抑或是オタク特色而產生的現象呢?

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在上面

2020年12月17日 星期四

〈ゼロ年代以降における日常系4コママンガ作品のア ニメ化に関する研究〉牧和生

  1. はじめに
    本論文では、このような変化の大きいあるいは多様な嗜好性が反映される市 場において、市場的にはニッチであるとされる日常系4コママンガを原作とす るアニメについて主に取り上げる
  2. アニメコンテンツにおける性格の変化
    1. 記憶と意味の縮減
      中込の議論の本質は、センスメーキングを通じた「意 味の縮減」についてである。例えば、地域に伝わる言い伝えや地域に特化した 民具などは、その地域の歴史や風土の特徴を反映した叡智の結晶である。しか し、そのような叡智の結晶は、突如として生み出されたものではない。人々の 工夫や時間を経てようやく洗練されていくのである。中込はこのような人々の やり取りの中で、人間の持つ多様性が1つの方向に向かうことを縮減と捉え、 人々が考える「意味」も縮減しうると考えたのである
    2. アーティストにおける意味の縮減
      スロスビーの指摘は、芸術的価値と経済的価値という芸術作品の2面性であ ると解釈できる。スロスビーはさらに、一般的に経済的価値を有する作品は歴 史的な価値が少ないため、アーティストにとっては生活するための金銭を獲得 する手段になりうると述べている。しかし、重要なことは本来であれば長い年 月を経てその名を残すようなアーティストであったとしても、生活の苦労など から経済的価値の含まれる作品の製作に傾倒してしまうことである。
    3. コンテンツとデータベース消費
      東はこの『デ・ジ・キャラット』は作品自体に物語がないと指摘す るが、物語性がないこととキャラクター消費を単純に結びつけることも少し注 意が必要である。それは、全く新しい属性を有したキャラクターが生み出され ることの方が稀ではないかということである。既存のキャラクターに存在する 属性を解釈したうえで改変し、自己の創造性の中に内包することで成果物とし て表現する。この作業そのものが、クリエイターが意味を創造することに他な らない。しかし、その創造された意味およびその成果物は、一見すると差が分 かりにくいものかもしれない
      岡田は、進化した視覚論を用いてオタク文化に おける消費の革新性について説明を試みたが、それはその分野における十分な 知識を有した人間でなければならない。
      一方で、東が『デ・ジ・ キャラット』をキャラクター消費の例として取り上げた意味も理解できる。属 性の違いを理解できるかどうか、クリエイターの創造性を消費者が汲み取れる かどうかは主観による影響も大きいからである
    4. コンテンツツーリズムとデータベース消費
      具体的にデータベース消費の問題点を挙げる と、東が提示するオタク消費論は極めて受動的であり、受け取った情報から の2次的な行動の余地がない。言い換えれば、オタクは属性分解マシーンで あり、キャラクターを要素ごとに分解し新しい属性に出会うこと、あるいは提 示された属性を過去のデータベース(自己の記憶)からリファレンスし、その「微妙な差異」に気が付くことで満足を得る存在であると捉えられる。つまり、 オタクたちが消費するのはデータベースの拡充が主たる目的であって、その欲 求のままにキャラクター消費を続けていく。
    5. しかし、2次創作活動や3次創作活動において重要であるのは、それぞれの 活動において作品などの再解釈や意味の構築が作者によって行われるというこ とである
      この点をさらに言及すると、コン テンツツーリズム研究などを見れば、データベース消費が必ずしも当てはまら ないケースも散見されるということである。創造的消費と受動的消費の分岐点 となるのは、コンテンツ消費をきっかけとして、何かを発信したいと消費者 が感じるかあるいは行動を起こすに値するトリガーがあったかであろう
  3. 日常系4コママンガにおける「意味」の余地について
    1. 日常系4コママンガの定義
      キネマ旬報の研究チームによると、日常系4コママンガの重要な役割を果た したのが『あずまんが大王』(あずまきよひこ作)であり、竹書房、芳文社、双 葉社が主に日常系4コママンガ作品を多く発行している出版社であるという
      1. 竹書房は、『まんがライフ』『まんがくらぶ』などの4コママンガ専門誌を 発行している出版社である。その他の雑誌では、麻雀雑誌なども発行してい る。かつては、萌え4コママンガ専門誌『まんがライフMOMO』(2008年創刊、 2018年休刊)を発行していた。竹書房から発行される雑誌で多いのは、4コ ママンガ専門誌である。
      2. 芳文社は竹書房と比較すると、さらに4コママンガ雑誌のカテゴリーが細 分化されている出版社である。1956年に日本初の週刊マンガ雑誌『週刊漫画 TIMES』を発行し、その後1981年に4コママンガ専門誌『まんがタイム』を創 刊し、以降『まんがタイム○○』と冠するターゲットとなる購読者を絞った4 コママンガ雑誌を発行した。2003年には、萌え4コママンガ専門誌『まんがタ イムきらら』を創刊、その後『まんがタイムきららMAX』『まんがタイムきららキャラット』を創刊し、2020年現在もこれら3誌は継続発行されている8。 『まんがタイム』系列の雑誌はすべて月刊誌である。一時期は『まんがタイム きらら』系列以外の雑誌も多数あったが、現在では休刊等で整理がなされてい る。
      3. 双葉社は『クレヨンしんちゃん』(臼井義人原作)を連載している出版社で ある。マンガ雑誌としては『漫画アクション』を主軸として、4コママンガ雑 誌月刊『まんがタウン』を2000年に創刊した。かつては萌え4コママンガ専門 誌『もえよん』(2004年創刊)を発行していたが、2005年に休刊となった。
        こ れら3社のマンガ雑誌の一部は、コンビニエンスストアなどでも取り扱いがあ る。
    2. 日常系4コママンガにおける代表的作品の特徴
      1. 日常系のみならず4コママンガを原作とする作品のアニメ化は、 いくつか制作上の問題点が挙げられる
        1. 原作のストック量である
          アニメ化された場合では、原作 のストックがアニメの早い段階で枯渇してしまうケースが出てきてしまうので ある。そうなると、『サザエさん』のように最初の数分のみ原作どおりにアニ メを制作し、残りの時間は脚本家が原作を受けて話を膨らませるという方法を取るか、あるいは原作どおりにしつつ話を引き延ばすという方法もある。クリ エイターに能力がある場合は、適宜オリジナルストーリーを制作するケースも ある。
        2. ストーリーの繋がりである
          典 型的な4コママンガでは、1本のマンガで起承転結が完結し、さらに続く2本 目のマンガでは全く別の話が展開される。しかし、日常系4コママンガの中に はそのセオリーどおりに展開せず、あたかもストーリーマンガのように執筆さ れるケースもある。つまり、1ページ目の4コママンガそのものが起としての 機能を果たし、ページが進むごとに承と転にあたる話が展開され、最後のペー ジに掲載されるマンガが結の役割を担うものである。後者であればアニメ化す る際にもストーリーの流れが汲み取りやすいが、前者の場合であれば話自体が つながらず断絶が生じる。
    3. 日常系4コママンガにおける企業間競争およびメディア展開
      他の出版社が日常 系4コマ雑誌を1種類のみ発行しているが、芳文社は3冊の同系統の雑誌を発 行しストーリーマンガ専門誌などもラインナップする。ターゲットが限定され る市場において、暇つぶし的に消費されやすい4コママンガ雑誌とは異なる定 期購読者を確保しなければ、このような3誌展開は実現できないであろう。芳 文社のこれら3誌では、新規参入の作家と創刊初期から連載を受け持っている マンガ家がうまくバランスを取っている。また、長期連載終了後にしばらく時 間を置いて同作家による新連載が始まるケースもあり、主力となる連載マンガ も定期的に入れ替わることが可能になる。つまり、芳文社以外の出版社では主 力となるマンガが限定されているか、あるいは主力となりうる連載陣の人気 が出る前に市場から撤退せざるを得なかったのではないかと推測される。いわ ゆる自然独占の形で、芳文社が市場における競争優位を獲得できたと説明でき る。
      1. 日常系4コマ マンガがアニメ化されるの
        1. 2002
          『あずまんが大王』
        2. 2007
          『らき☆すた』、『ひだまりスケッチ』(蒼樹う め作、芳文社)、『ドージンワーク』(ヒロユキ作、芳文社刊)
          『ぽてまよ』(御 形屋はるか作、双葉社刊)
          1. 『ひだまりスケッ チ』はその後もシリーズ化され、特別番組も制作された芳文社の重要なコンテンツとしての役割を果たしていた。
        3. 2008
          『ひだまりスケッ チ』は2008年に特別番組が制作され、この作品がその年唯一の日常系4コママ ンガのアニメ化となっている。
        4. 2012
          2012年はアニメ全体の制作本数が166本であった。その中で日常系4 コママンガ原作のアニメ化は10本で、内訳は7本が竹書房、残りの3本が芳 文社の雑誌に連載されている作品であった。このような作品数の増加は、作 品そのものが市場に受け入れられたという効果よりも、アニメ制作における フォーマットの変化によるものが大きい
          1. 竹書房刊のアニメ化作品は、番組と 番組の間のわずかな5分程度の空き時間に、アニメと広告(竹書房の作品の紹 介等)をセットにした極めて短い時間のものであった。
          2. 芳文社刊の3本は30分 アニメである。一部の例外はあるものの、原則として芳文社のアニメ化作品は 1話30分であり、その他の出版社は30分アニメ以外にも短い時間の作品も制 作していることが分かる。
  4. 日常系4コママンガアニメにおける経済学的意義
    1. アニメ市場におけるメインストリームではない日常系4コママンガ原作のア ニメは、年に数本はコンスタントに制作がなされている
      1. アニメそのものは娯楽の一種であるため、視聴するこ とでプラスの効用を得ることになる。しかし、ドラマのように話が続いている 場合や難解なストーリーの場合は、多忙な視聴者にとっては視聴そのものが苦 痛となりうる。この点において、前回の話を視聴し忘れていても視聴の継続が できるというのは、極めて合理的である。これらの作品はインターネットによ るコンテンツ配信に多く用いられ、好きな時間に視聴できるようになっている ものも多数ある。このような点からも、日常系4コママンガ原作のアニメには 意味が含まれていると考えられる。娯楽としてのアニメの役割は、アニメを好 む人々にとって心理的な癒しをもたらすからである
      2. 日常系4コママンガを原作とする場合もそうでない場合も、「日常系」アニ メとくくられるカテゴリーのアニメには「何もない、他愛もない日常」が描か れるものが多い。そこには壮大な物語がないと批判されるが、このアニメの役 割として閉塞感の拡がる社会からの逃避という意味もあるのではないかと筆者 は考える。つまり、アニメで描かれる何もない日常こそが社会におけるもっと も贅沢なものであり、生きにくい世の中から一時的でも現実逃避させてくれる 場を提供してくれるのではないか。その場合、難解なストーリーや設定は心理 的な負荷を与えるため望ましくない。つまり、社会の状況や経済状況と日常系 アニメの増加に相関性がありそうな気がするのである
  5. おわりに

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針對四格漫畫日常系作品的動畫化提出解釋

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前面第二章吧,掉了很多書袋,讓我看的很累,但說實在沒看第二章,直接看第三章也沒影響
總之,這文章想說的就是,為何日常系動畫增加?因為累了想無腦看番,就這樣。至少我自己是這麼詮釋的。
感覺第二章的東西很難跟第三章的東西連接在一起,也可能是我日文不好吧

2020年12月15日 星期二

〈「空気系」という名の檻-アニメ『けいおん!』と性をめぐる想像〉広瀬正浩

  1.  問題提起
    「空気系」と名指されたそれらは、大きな事件や出来事が特に起きるわけではなく、登場人物たちの何気ない日常を描いている点が特徴的な傾向とされ、そうした作品群の代表として『けいおん1』があるという。
    物語を自由に解釈した私たちが、その解釈の後に求められるのは、様々な解釈の間に見いだされる葛藤をつぶさに観察し、その葛藤を通じて自らの価値観を再構築することなのだ
  2. 「物語性の希薄さ」、「男性不在」による性的想像力の駆動-先行論の整理
    1. 空気系
      1. 文芸批評家の坂上秋成さんは「時間が流れない、女の子だけの空間。この『楽園』が終わらないで欲しいと見ている側は願っていて、ドラマチックな物語はいらない」と位置づける。
      2. 四つのコマによって一の最小単位のエピソードが構成され、そのエピソードが連続していくことで、読者によって物語世界が想像構築されていくことになる。こうした原作(マンガの表現形式が、アニメの「物語性の希薄さ」を規定していくのだという
    2. 男性不在
      1. 川(氷川竜介)は、『けいおん!』の「男性不在」を、男性視聴者にとっての「敵」の不在として捉えている。視聴者(男性視聴者)にとって男性キャラとは、自分が好きな女性キャラ(「俺の嫁」)と恋仲になりうる存在であるという。そのような男性キャラが排除されることで、恋愛の物語(コンフリクト)もまた排除されることになり、視聴者(男性視聴者)は女性キャラとの関係に集中できることになるのだという。
      2. 少女を「所有」しょうとするまなざしに晒されるものとして少女が対象化されているという意味で、宇野は「空気系」作晶は「ポルノグラフィ」であることを明言してもいる。しかしその「空気系」をめぐる「所有の快楽」は、男性自身のアイデンティティ不安を解消するための女性「所有」とは異なり、肯定しうるものなのだ。「何かのために少女を所有するのではなく、少女を所有すること自体が目的であり、快楽なのだ」そのような「快楽」は、「(性暴力的に確保されるマッチョな)ロマンティシズム」を回避しえているという一点で肯定されるべきもの(厳密に言えば「まだマシなもの」)となるのだ、宇野にとっては。
  3. 「空気系」という解釈からの逸脱一『けいおん!』分析
    1. 物語性の希薄さ
      新しいものへの変化、という主題はきわめて時間的なものである。そう、『けいおん1』は時間をめぐる物語である、と捉えることができるのだ。
      1. プロデューサーである中山佳久
        『けいおん!』は一見すると、一般的な意味での「物語」が発生していないように見えるかもしれない。しかし、現実の中高生の生活を考えてみると、彼らにも自分たちの生きている世界や空間があり、それぞれが一生懸命に生きている
        そして中山氏は「『けいおん』を観て、"何も事件が起きない”と言う人たちは、作品を短絡的に観ているだけなのではないか」と反論する
    2. 無時間性
      『けいおん!』ファンの間でも人気が高いと思われるこの場面が物語るのは、もう今のような日常が訪れることは決してないのだということを唯たちが自覚しているという、そのことである。自分たちの声問には「限り」がある、高校を卒業しても四人はこれからもずっと一緒かもしれないが、高校生としてのライブはもうこれが最後なんだ、梓を入れた五人でのライブはもうこれが最後なんだ、という時間の有限性、そして有限であるからこそ、今のこの時間・この関係がかけがえのない価値を持っていることを感じ入るのだ。
    3. 男性の排除
      女の子を性的に捉えうる男性視聴者の視線は、『けいおん!』の外部からのみ放射されるのではなく、『けいおん』の内部において何者かによって予め共有されてるのではないか。その「何者か」として注目したいのが、「さわちゃん」こと山中さわ子先生である。
      こうした視線の質に注目するとき、物語世界の内部に設置されているこのさわちゃんの視線が、ある特定の男性視聴者の視線を回収しうるということが言えるのではないか。女性登場人物が、男性(視聴者)の共有しうる性的なまなざしを共有するということもあるのではないか。そうした観点から言えば、『けいおん!』から男性が排除されているということも単純には言えないということになろう。
  4. まとめ

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挑戰宇野常寛對於けいおん的評價

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我覺得空氣系不太能算是這篇的主題,因為那是宇野常寛評論KON時,給他掛上的名詞,然後作者針對那個名詞蘊含的意義進行挑戰
雖然我個人是滿期待一個完整的空氣番的理論建構

2020年12月13日 星期日

〈アニメオタクの特徴と (消費) 行動の分析 -「けいおん!」 の聖地巡礼行動を中心に〉湯川寛学 佐藤善信

  1. はじめに
    1. コンテンツツーリズムとは和製英語であるが, コンテンツ (映画やアニ メ, 小説などの舞台となった場所) に旅行に行く (ツーリズム) という意味である
      アニメのオタクによる聖地巡礼 (アニメの舞台になった場所を頻繁に訪問するという行 動) も, コンテンツツーリズムの一種である
    2. 本稿では, 大ヒットしたアニメである 「け いおん!」 のアニメオタクをケーススタディすることによって, アニメオタクの行動の特 徴, 特にアニメの舞台の聖地化のプロセスとそのメカニズムを分析する
  2.  「けいおん!」 アニメの成功とその理由
    2009年4月2日 (木), TBS 系列で関東圏から深夜帯でテレビアニメ 「けいおん!」 の 放送が開始された。
    1. 「けいおん!」 は, 男性以外に もファン層を広げて大ブレークした
      ここまでファン層が広がったのか。 要 因の1つは, アニメを制作した 「京都アニメーション」 (京アニ) の力である
      1. 京アニは2003年以降, 10本以上のテレビアニメシリーズを制作している。 特徴は, その 丁寧さ。
         シリーズを通して, 作画の乱れや雑な動きがない。 「けいおん!」 のアニメ化に ゴーサインを出した TBS 事業局の中山佳久プロデューサーは, 「マンガやゲームだと設定 を端折れますけど, アニメ化すると細かな設定をたくさん作らなければいけない。 京都ア ニメーションは, そこもすごく丁寧」 と語る
        女性スタッフの多さも特徴である。 監督, 脚本, キャラクターデザインはすべて女性。 山田尚子監督は, 主人公らのキャラクターを作る際, 「キラキラしたオーラを出させたい と思っていました」 と語る。
      2. 中山プロデューサーが着目したのは, この 「日常」 にこそ潜んでいる 人々の隠れた欲求である。 中山は次のように説明する。 「『けいおん!』 が熱心に練習して バンドとして成功を目指すマンガだったら, そもそもアニメ化していません。 昔と違って 人々の生活は多様化している。 そんな中では何か1つのゴールを目指すというストーリー よりも, お茶を飲んだりして楽しく過ごすというストーリーのほうが共感を呼んだのでしょ う」 と。
        山田監督は, 自らが動かした 「けいおん!」 主人公たちを 「ファン目線で見ると, 彼女 たちは憧れの存在になった」 と語る。 なぜか。 演奏のうまさではない。 山田は次のように 説明する。 「なんの打算もなく, 心を開いて気兼ねなくしゃべりあえる友達って, 学生時 代にしか作れないもの。 社会人になってからではなかなか難しいので, そういうのがすご くうらやましいと思うのでしょう」 と。 誰もが通過し, そして大人になれば永遠に得られ ない 「青春」。 一見, 中身がないようで, 実は誰もが憧れるそんな青春の追体験ができる ことが, 「けいおん!」 がブレークした理由であると考えられる。
  3. アニメオタクの 「けいおん!」 視聴行動の実態
    「けいおん!」 は芳文社の月刊4コマ漫画誌 『まんがタイムきらら』 にて2007年5月号 から連載が開始された。 そして, 2008年12月9日に 「けいおん!」 のアニメ化決定が原作 出版社からリリースされた。
    1. アニメ放送開始前
    2. アニメ放送開始
      2009年4月2日 (木), TBS 系列で関東圏から深夜帯でテレビアニメの放送が開始され た。 オタクの典型的なアニメ視聴方法の特徴は, テレビの前にパソコンを置き, 「2ちゃ んねる」 の実況スレッドを開き, テレビの視聴とスレッドへの書き込みの両方を行うこと にある
      平日の深夜2時になぜアニメオタクたちはリアルタイムで 「実況」 をす るのであろうか。 その理由として以下の WEB ページでは, 彼らが, 「一体感を得たい」, 感動や興奮を 「他の人と共有したい」 ということを挙げている
    3. アニメ放送終了後
      「けいおん!」 のアニメの放送終了後には, オタクたちは別の 「板」 (アニメ専門) に 移り, 朝まで語り明かす。 恐らく, 他人の視点や新しい発見に触れたいという気持ち, あ るいは 「自分とリンクする他人の気持ち」 を発見したいのではないかと思われる
    4.  その後
  4. 「けいおん!」 アニメオタクの行動と聖地巡礼の分析
    アニメオタクの行動の大きな特徴の1つは, 聖地探訪と聖地巡礼である
    滋賀県豊郷町石畑にある豊郷小学校旧校舎群にアニメ聖地 「巡礼者」 が押し寄せる。 ア ニメ 「けいおん!」 の舞台となった高校の建物は旧小学校校舎群がモデルで, 2009年4月 の放送開始からファンが訪れだした。 アニメ好きの間ではモデルの土地に足を運ぶことを 「聖地巡礼」 という
    1. 筆者たちは, アニメオタクには5種類のタイプが存在すると考える。
      1. 聖地の特定を自ら の使命と捉える 「舞台特定オタク」
        アニメのモデルとなった舞台の 「聖地化」 のプロセスは, 「舞台特定オタク」 の活動か ら開始される。 彼らは舞台を特定し, それをインターネット上に提供することで満足感を 得たり, 情報提供後の反応を見て英雄視や神扱いされていることがこの上なく嬉しく感じ るオタクであり, 舞台の特定からインターネット上での舞台情報の提供までで満足し, こ の段階で活動からリタイアしていると考えられる。
      2. 聖地探訪の先陣を切ることに命を懸ける 「聖地探検 オタク」
         その情報を見た 「聖地探検オタク」 は, 誰よりも先にアニメ聖地を訪問し, そし てその訪問の証拠写真を SNS にアップロードすることに命を懸ける。 彼らは特定化され た聖地に万難を排して訪問 (=探検) し, 現地でなければ発見できなかったようなアニメ 聖地の様々な新発見をしようと努力するのである。 そして, 聖地での新発見の数々を現場 から SNS によって逐次的に報告をおこなうことに彼らは存在意義を感じているのである。
        特に, 彼らは SNS 上の自らの実況中継的新事実の発見に対し行われる SNS 読者からの 「すごいね!」 などの反応を最も意識する
        しかし, 自らが発見した聖地が, 「聖地検分オタク」 によって, あるいはアニメ原作 者から聖地であると認定されたとき, 聖地探検オタクは大いに満足して, この聖地からリ タイアする
      3. 聖地化を実現したいと考えている 「聖地巡礼オタク」
        聖地探検オタクによる聖地の現場における様々な新事実の発見により, アニメ聖地の訪 問に強い関心を寄せていた 「聖地巡礼オタク」 はすぐに聖地巡礼活動を開始する。 聖地巡 礼オタクは地元の人々やオタクとの交流を重視し, アニメ聖地の聖地化のためのハード・ ソフト両面の活動を使命とする。 彼らは聖地化のコアとなるオタクなのである
        他のファンもアニメに登場するギターやティー セット, レプリカのケーキなどを次々に持ち寄り, 軽音楽部の部室を再現したという行動 は典型的な聖地巡礼オタクなのである。
      4. 聖地の本物さ審査したい と思う 「聖地検分オタク」
        アニメのモデルとなった舞台が急速に聖地化されているという情報を知って, その聖地 が本物の聖地といえるのかどうかを検分したいと居ても立ってもいられなくなるオタクが 「聖地検分オタク」 である
        現地を検分に訪れる評論家 (クリティクス) タイ プのオタクであり, アニメのコンテンツについて誰よりもよく理解していると自負してい る 「物知り」 であり, オタクの世界でも彼の知識は一目置かれる存在である。 彼らは, ロ ジャースのゲイトキーパーとされる 「初期採用者」 に相当するオタクである。 従って, か れらが聖地に対して 「偽物」 と判定した場合には, これ以降のプロセスは進展しないこと になってしまうのである。
      5. そして聖地化について最も感度の遅れた 「流行追随型オタク」 の5タイプがそうである。
        聖地検分オタクのお墨付きを得るようになった聖地は, 今度はマスコミによる報道の対 象になり, それがベースとなりマスメディアもこの聖地を好んで取材対象とするようにな る。 聖地報道の過熱化と 「流行追随型オタク」 が聖地巡礼活動を開始させるようになる。
        その結果, 流行追随型オタクのプラスの口コミ (リアル とバーチャル) によって聖地巡礼はますます過熱化することになる
      6. 最後に, アニメオタクではない一般の観光客が 「観光としての聖地巡礼」 を開始する。 アニメグッズなども飛ぶように売れる。 しかし, この段階で流行追随型オタクはあまりに も一般観光客に迎合し始めた聖地の現状に嫌気がさし, 聖地巡礼からはリタイアする
        一般の観光客の聖地巡礼が一巡すると聖地としてのブームが終焉してしまうことになってしまう。 聖地巡礼を継続させるためには, 巡礼者の若返りが必要不可欠とな るのであるが, 長寿アニメではない限り, その実現は困難である。 
  5. 結論と今後の研究の方向性
    1. 第1に, アニメオタクのアニメ視聴行動の特徴は, アニメを見ながら他のオタクと掲示 板等で交信をしながらアニメを見て感じたことを共有することにある。 気に入ったアニメ の場合には, 掲示板への書き込みは幾何級数的に増加することになる。 TV アニメを視聴 しながら, オタク同士でインターネットで交流するというのは正にオタク (=お宅) の行 動としてはイメージ通りである。 そして, その結果としてアニメがオタクの中で 「神格化」 されるようになり, これが聖地巡礼につながってゆくと考えられる。
    2. アニメの舞台が聖地化するプロセスとそのメカニズムについて仮説的な解明を 行った。 聖地化のプロセスとメカニズムは, 舞台特定オタクから始まり, 次いで聖地探検 オタク, そして聖地巡礼オタクへ, さらに聖地検分オタクがお墨付きを与えると流行追随 型オタクが聖地巡礼を始める。 また聖地検分オタクの本物との判定によって, その聖地は マスコミの取材の対象となり, 一般人の興味の対象ともなる。 そうすると一般の観光客が 観光として聖地巡礼を行うようになるのである。
    3. 今後の研究の方向性であるが, 様々な可能性が存在する。
      1. 第1に, アニメのジャンルに よってオタクの行動や聖地巡礼のプロセスとメカニズムが異なる可能性が考えられる。 従っ て, 複数のジャンルのアニメオタクを分析することが必要となる
      2. 第2に, TV 放送され ることなく, 「君の名は。」 のような大ヒットした映画の場合にはオタクはどのような行動 をするのであろうか。 あるいは, あまりにもヒットしすぎて, 単なるファンが出現するだ けで, 様々なタイプのオタクは発生しないのであろうか
      3. 第3の研究課題は, 本研究ではアニメ放送時インターネット上でのオタク間の交流で, アニメへの傾倒の違いによってある種のオタク間にヒエラルキーの関係が形成された。 そ れが今度は聖地巡礼のプロセスやメカニズムに大きく作用することが発見されたが, 今後 はそのヒエラルキーの形成メカニズムを究明する必要がある
      4. 第4に, 聖地化を永続化させる方法についての理論的, 実践的な研究も必要とされる。 もう1つ重要な研究課題が存在する

得這篇文章想要討論什麼?

本稿では, 大ヒットしたアニメである 「け いおん!」 のアニメオタクをケーススタディすることによって, アニメオタクの行動の特 徴, 特にアニメの舞台の聖地化のプロセスとそのメカニズムを分析する

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作者針對聖地巡禮的御宅族族群做了五種分類,感覺挺有趣的,能從中看出御宅族內部的階級

2020年12月12日 星期六

〈徳間書店の雑誌と 文庫レーベルの歴史的位置 ―1980 年代の『アニメージュ』とアニメージュ文庫の軌跡から〉山中智省

  1. はじめに 
    徳間書店が発行している『アニメージュ』(1978 年創刊)は日本の老舗ア ニメ雑誌の一つであり,学研プラスの『アニメディア』(1981 年創刊)や KADOKAWA の『ニュータイプ』(1985 年創刊)などと並び,「アニメ雑誌 三強(御三家)」と呼ばれることもある有力誌である.
  2. 本研究の背景・目的・方法
    1. 『アニメージュ』とアニメージュ文庫
      1. アニメージュ
        1980 年代の『アニメージュ』と言えば,アニメ『機動戦士ガンダム』のキャ ラクター(マチルダ・アジャン)が表紙を飾った 1980 年 3 月号が,アニメ雑 誌としては異例の重版を果たすなど,商業的に大きな成功を収めたことでも よく知られている
      2. アニメージュ文庫
        アニメファンを主な想定読者とするアニメージュ文庫は,1982 年 12 月に 創刊された徳間書店の文庫レーベルであり,『アニメージュ』での連載等を 通して本誌とも連携を図りつつ,アニメノベライズやオリジナル小説のほか, キャラクターの写真集やアニメのフィルムブック,アニメ制作者のエッセ イ・自伝など,多種多様な刊行物を世に送り出してきた.さらには,アニメ 文化やアニメ雑誌と密接な繋がりを持つ文庫レーベルの特性上,出版,映像, 音楽の各分野に跨った商品展開が積極的に進められており,後に若年層向け エンターテインメント小説の代表格となるライトノベルと同じく,他/多メ ディアを横断するコンテンツ群を生む「場」となっていたのである.
    2. 研究背景
      日本では 1970 年代後半,角川文庫が横溝正史『犬神家の一族』や森村誠 一『人間の証明』などを対象に推し進めた「小説を本,映画,レコードなど によるメディア・ミックスの相乗効果によって売る方法」である「角川商法」 の商業的成功を受け,文庫本は「古典や定評ある著作の廉価版シリーズ」から「読み捨ての廉価本」へと変容したとまで言われている 3).また,これ以 降も文庫本を交えながら複数のメディアを横断する出版戦略として発展・ 拡散していくメディアミックスのうち,1980 年代に隆盛したものの一つが, 雑誌とその掲載コンテンツを用いた展開事例であった.例えば 1980 年代か ら「雑誌の時代」を迎えた角川は,『ザテレビジョン』(1982 年創刊),『コン プティーク』,『ニュータイプ』等の雑誌をプラットフォームとして 4),角川 文庫や角川スニーカー文庫とも連携を図りつつ,水野良『ロードス島戦記』 や松枝蔵人『聖エルザクルセイダーズ』など,現在のライトノベルの源流と なったコンテンツを数多く生み出していったのである
    3. 研究目的・方法
      そこで本稿は,まず 1980 年代の『アニメージュ』とアニメージュ文庫の 実態を,『アニメージュ』の誌面や関連広告,文庫本や目録などの同時代資 料のほか,編集者や作家といった当事者たちの証言から明らかにしていく
  3.  『アニメージュ』とその周辺動向
    1. 『アニメージュ』がもたらした功績
      『アニメージュ』は 1978 年 5 月に徳間書店が創刊した,日本で最古参の部 類に入る月刊アニメ雑誌である
      1984 年公開のアニメ映画『風の谷のナウシカ』は興行収入が約 14.8 億円 を記録し 11),映像・音楽ソフトなどの関連商品の売り上げを含めて,商業 的に大きな成功を収めることとなった.この結果を受けて徳間書店は以後, アニメ事業に本格参入するとともに,『アニメージュ』とその掲載コンテン ツを用いたメディアミックスに引き続き取り組んでいったのである
      1980 年代 の『アニメージュ』とその周辺で見受けられた『風の谷のナウシカ』をめぐ る動向は,日本におけるメディアミックスの形成・発展に対し,同誌が残し た確かな功績の一つだったと見なすことができよう
    2. 『アニメージュ』に見るメディアミックスの特徴
      980 年代以降,徳間書店が『アニメージュ』や『リュウ』の掲載コンテ ンツをもとに展開したメディアミックスについて,大塚英志はその特徴を, 「高畑勲や宮崎駿という怪物的創り手の存在が前提」の「徹底した作家主義」 にあったと述べている 
      1. クリエイター主義
        『ロ マンアルバム・宇宙戦艦ヤマト』(徳間書店,1977 年)の出版とヒット以来, 出版業界におけるメディアミックスの重要性を実感した尾形は,「アニメー ション情報誌である以上,コミックページは大量でなくてよい.しかし,そ れだけにコミック専門誌とはおのずから違う個性的な作品でなければならな い.むしろ,作家の起用も,アニメーターなど,アニメーション関係者のな かにすぐれた偉材が隠れているのではないか……という発想があった.既成 の作家を追い回して苦汁をなめるよりは,はるかに合理的だし,成功率も高 いだろう」)と考え,原作確保のために『アニメージュ』でのマンガ連載を 模索し始めたという.
    3. アニメージュ文庫の創刊が意味するもの
      別名「AM JuJu(エイエム ジュジュ)」と呼ばれたこの文庫レーベル は,「出すからには他社にないもので,アニメ・ファンが見て読んでおもし ろいものを,このポリシィで 5 部門作ってみました」)という趣旨のもと, 「NOVEL」(アニメノベライズ・オリジナル小説など),「CHARACTER」 (キャラクターの写真集・ストーリー集など),「FILM」(アニメのフィルム ブック・技法書など),「PEOPLE」(アニメ制作者のエッセイ・自伝など), 「THE BEST」(シナリオ集・絵コンテ集・画集・ゲームブックなど)の 5 部 門が設けられており ),豊富な刊行ラインナップを読者にアピールしていた
      1. アニメージュ文庫とは,尾形が重要視した「情報ミックス時代」, 換言するなら「メディアミックス興隆時代」とも言うべき状況を見越して取 られた方策の一つだったのである.そうであるならば,『アニメージュ』と その周辺動向のなかでアニメージュ文庫の創刊が意味するものは,同誌を主 軸としたメディアミックスを可能にする環境構築,及び,コンテンツ創出に 向けた取り組みの本格的な開始だったと考えられる
  4. アニメージュ文庫の特徴と役割
    1. 当事者たちが語る創刊の経緯
      1. アニメージュ文庫創刊前後の出版動向に目を向ければ,ヤングアダ ルト市場に多数の出版社が参入してくるとともに,1980 年代のアニメブー ムに乗じる形で,複数の文庫レーベルが誕生していた.具体的には,1980 年に文化出版局のポケットメイツ,81 年に朝日ソノラマのアニメ文庫,82 年に徳間書店のアニメージュ文庫,84 年に双葉社の双葉社アニメ文庫と講 談社の講談社 X 文庫などが創刊されており,これらの文庫レーベルではア ニメ関連書籍の刊行を中心に,「アニメとのメディアミックスを前面に押し 出した文庫戦略」が採られていたのである 
    2. 刊行物とその特徴―小説を中心に
      1. 初刊行となるオリジナル小説は,『アニメージュ』1984 年 8 月号から連載 が始まった首藤剛志のファンタジー小説『永遠のフィレーナ』の文庫本第 1 巻であった.そして,人気 RPG『女神転生』シリーズの原作となった西谷 史の伝奇 SF 小説『デジタル・デビル・ストーリー 女神転生』),藤川圭介 の青春小説『エイプリル・シャワー物語』などが後に続き,以降も様々なジャ ンルをカバーするオリジナル小説が多数刊行されたのである.
      2. そうしたラインナップのうち,例えば『アニメージュ』で 1986 年から連 載され,翌年には文庫化を果たした藤井青銅のコメディ小説『死人にシナチ ク』は,アニメファンの高校生を主人公に据えつつ,読みやすい軽快な文章, マンガ家・あさりよしとおのマンガと挿絵を交えたキャラクター描写とス トーリー展開,アニメ業界のパロディを多分に含む内容などが特徴的で,現 在ではライトノベルの一源流と見なす声も少なくない
    3. 作家の発掘・育成とメディアミックス
      1. 創刊間もない頃のアニメージュ文庫は,まずアニメノベライズを経 由したメディアミックスに取り組んでいた.例えば,首藤剛志『その後の戦 国魔神ゴーショーグン』は 1983 年に「アニメージュレーベル」からイメー ジレコードが発売され,同著『戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人』は 85 年にアニメ映画化とビデオ発売を果たしている.そして先に見た 2 点の記事 以降,いよいよオリジナル小説を原作とするメディアミックスが本格化して いったのである.具体的には,1987 年に西谷史『デジタル・デビル・ストー リー 女神転生』を原作とする OVA『デジタル・デビル物語 女神転生』と, 同名の PC ゲームが発売.また,首藤剛志『永遠のフィレーナ』も 1990 年 代前半に OVA 化とゲーム化が行われており,これらの様相はまさに,現在 盛んなライトノベルを原作とするメディアミックスの展開手法を彷彿させた.
      2. アニメージュ文庫 が『アニメージュ』の「クリエイター主義」をやはり基盤としながら,作家 の起用・育成からメディアミックスまでの取り組みを推し進めていた状況で ある.その意味で『アニメージュ』とアニメージュ文庫は互いに不可分な存 在と言え,当初喧伝されていた通り,両者はまさしく「兄弟」関係にあった 雑誌と文庫レーベルだったと言えよう 40).そして,両者はこのような関係 を基軸に据えつつ,メディアミックスとライトノベルの形成・発展にも寄与 してきたわけである. 
  5. おわりに

得這篇文章想要討論什麼?

本稿では主に 1980 年代の『アニメー ジュ』とアニメージュ文庫を対象として,これらの実態を雑誌の誌面や関連広 告,文庫本や目録などの同時代資料のほか,編集者や作家といった当事者たち の証言から明らかにしつつ,その歴史的位置について考察する

我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
以アニメー ジュ跟アニメージュ文庫為主,討論80年代的動畫、小說、漫畫出版狀況,可說是現今已習以為常的跨媒體製作的源頭,以及標榜創作者主義的出版方針,也是值得關注的一點。

2020年12月11日 星期五

〈秋葉原の歴史とオタク文化 --日本のキャラクタービジネスの基盤〉原啓之

  1. 序論
  2. オタクという言葉の歴史と変遷
    1. 「オタク」とは
      「オタク」という言葉は、当時 23 歳だったエッセイスト、中森明夫氏が 1983 年 6 月か ら 1983 年 12 月までの間に、成人向け漫画雑誌『漫画ブリッコ』に連載した「『おたく』の 研究」の中で紹介され、一般化したものとされている。
    2. オタクという言葉の定着
      1989 年 8 月、宮崎事件でオタクという語は広く一般的に知られるようになる。
      オタクという言葉が持っていた、若者に必要なモラトリアムというべきロマンティシ ズムは一気に色あせ、潜在的色情殺人鬼と同義語になり、己の欲望を満たすためにはどん な犯罪も平気で犯す者とされるようになったのである。これが第二のオタク排斥の波であ る。
      結局オタクは日本語として定着すべく生ま れた語のようであり、後にはメディアも当事者たちも、この語をごまかして避けたり、よ り肯定的な語にすり替える作業をやめてしまった。そこで、言葉をイメージアップさせる ための次なる戦略は、何であれマニアックな趣味を持つ者全員にこの語を割り当ててしま うことであった。「アニメオタク」「SF オタク」「鉄道オタク」「コミックオタク」「芸能人 オタク」「カメラオタク」さらには「健康オタク」など様々なジャンルで深い造詣と創造力 を持ち、それを生甲斐としている者を「オタク」としたのだ。そうした中で、ネガティブ イメージを払拭するために「オタク趣味」を自らアピールする芸能人、文化人も現れ、徐々 に差別的用語から、主にインドア志向な趣味に精通する自分をアピールするキーワードに 変化していったのである。 
    3. オタクの空間感覚とオウム真理教との関連
      このようにオタクという言葉が一般化していくなかで、1995 年 3 月オウム真理教による 地下鉄サリン事件 3 が起こった
      オウム真理教が所有する建築物は「サティアン」と呼ばれた。それらはデザインがほと んど施されず、工場や倉庫に近い外観を呈していたという点において、宗教建築のイメー ジから大きく逸脱するものであった。創価学会の大本堂などをはじめとする様々な新興宗 教の聖堂と比較するとオウム真理教の聖堂の特異さが理解できる。サティアンには圧倒的 にデザインが欠如しているのである。サティアンにおけるデザインの欠落を社会の情報化 と関連づける発言が当時多くなされた。それは、情報空間への人々の没入によってより現実の形態、空間、生活に対する感覚的価値が下落し、人々が建築の拠り所ともいえるそれ らに無関心になるということである。
      オウム真理教は建築以外のものには徹底してデザインを施していた。信者た ちの制服、布教用アニメにおける教祖や幹部たちを模したキャラクター、選挙活動におけ る女性信者の舞やヌイグルミを動員してのパフォーマンス、黄昏を背景に瞑想する教祖の 映像など、その表現は建築以外の分野では多岐にわたっている。ここにオウム真理教とオ タクの空間感覚の傾向に対する関連性が強く現れ、これを証しているという側面に、サテ ィアンの重要性がある。
    4. オウム真理教のオタク性
      日本の多くの若者、特にオタクのほとんどが心の裡に秘めている迫害のコンプレックス に共鳴させ、オタク世代の不満を読み取った麻原や教団幹部は、布教にアニメや漫画、ヒーローを取り入れて、彼らの社会への不満を自分たちのために利用しようとしたのである。 教団におけるオタク文化の影響は確固たるもので、若者問題を専門にしているエッセイス ト、大塚英治は、オウム信者を「オタクの連合赤軍」と呼んだ。これらが第三のオタクバ ッシングの波であった。  
    5. 現在のオタクとは
      オタクという言葉から想起される人物はすでに多様化している。主にアニメや漫画など のサブカルチャー、趣味に没頭する人の一つの類型またはその個人を示す言葉であるが、 具体的にいえば「こだわりがある対象を持ち」、「その対象に対して時間やお金を極端なほ ど集中的に消費しつつ」、「深い造詣と創造力を持ち、かつ情報発信活動や創作活動なども 行っている人々」として定義できる。
  3. 独自の変化を遂げる秋葉原
    1. 秋葉原電気街の形成
      1. 1945 年(昭和 20 年)8 月 15 日の終戦の時点では、東京は焼け野原であった。秋葉原電気 街の形成には、二つの大きな要因があった
        1. 一つは終戦直後、近くに位置する電気工業専 門学校(現東京電機大学)の学生がアルバイトで始めたラジオの組み立て販売が大盛況とな り、駿河台、小川町界隈の闇市などに徐々にラジオ部品を供給する電器関係の露天商が集 中し始めたことがある。
          ところが 1949 年に、当時日本を占拠していた GHQ が道路の拡幅整 理のために露店撤廃令を施行したことで、この闇市は危機に陥る。この GHQ の政策に対し て露天商が陳情した結果、東京都と国鉄が秋葉原駅のガード下に代替地を提供するという 措置が 1951 年(昭和 26 年)の露店整理令によってとられる。そして露天商がそこへ収容さ れたことが秋葉原電気街形成の始まりといわれている。これによって後のラジオセンター やラジオデパートを成す駅周辺の高密度な部品商区画が発生し、電気街の原形が形成され たのである。
        2. 戦前から店を構えていた広瀬商会が総合問屋として地 方にネットワークを持っており、遠方から仕入れの目的で小売業者や二次卸し店が多く訪 れたことである。その結果、秋葉原は安いという評判が広まり、国鉄だけでなく、当時庶 民の大事な足であった都電を利用するにも便のいい交通の結節点ということもあって、一 般客も集まるようになっていったのである
      2. こうして秋葉原は、1970 年 代には全国の家電市場の実に一割を一平方キロメートルに満たない領域で担う、日本一の 電気街に成長するに至った。
    2. 秋葉原家電市場の衰退
      秋葉原は 1980 年代までは若い夫婦が生活水準の上昇 気分に心躍らせながら、小さな子供たちを引き連れて、新しい冷蔵庫やビデオカメラを買 いに行くような場所であり、客層の中心は多くの家族連れであった。
      自動車の普及、宅配便などの物流システムが急成長したことも秋葉原の家電市場には悪 影響となった。家電製品の価格帯が下がるに従って、わざわざ秋葉原まで家族で出向くよ りも近郊のローサイドの量販店に買い物に行くことを、東京近県のベッドタウンに住む 人々は選び出したのである。
    3. マルチメディアの街へ
      家電市場を奪われた秋葉原の電器店は、主力商品をパソコンに移していくことになる。
      秋葉原の他の大型店もこぞってチェーン店を専門分化させ た。ソフマップが 1993 年 6 月に初めて中央通りに面したショップ、総合アミューズメント 館を出店したことで、現在のマルチメディア街に変貌する新しい波が起きた。1995 年 11 月の「Windows95」の発売日のお祭り騒ぎも、マルチメディア最先端の街として大きな変化 を起こす契機になった。これにともなって秋葉原を訪れる客層も、家電を買いに来る家族 連れから、専門的商品を求める若い男性のパソコンマニアへと、著しく偏ることになった のである。この客層の変化は、特殊な性格を帯びていた。それは単なる年齢層の狭まりや,男女構成の変化だけではなかったからである
    4. オタク文化の街へ
      このエヴァンゲリオンブームが、海洋堂に代表されるようなガレージキット専門店や同 人誌の専門店の進出に必要な体力と勢いをもたらし、秋葉原の一等地へと出店させたのだ。 そして恩恵にあずかった業種の進出店が予想を超える売上をたたき出すのを見て、雪崩を 打ったように同業の専門店が競って秋葉原へ進出を始めた
      こうして 1997 年以降、秋葉原は急速に電気街から日本一のオタクのメッカへと変貌す るのである。
      1. それがなぜ続々と秋葉原に移転し、あれほどヒットしたのか。その答えがもっとも肝 心な秋葉原のオタク街化の中心的な仕組みとなっている
        それは、他の場所にない著しい人格の偏在が秋葉原に起こっていたからだ。パソコンを 好むマニアの集中によって発生した人格的な偏りである。パソコンを好む人は、アニメの 絵柄のようなキャラクターを好み、そうしたキャラクターが登場するアニメや、ゲーム、 ガレージキットも愛好する傾向があり、オタク趣味の構造を持っている
    5. 進化する街
      集まる人々のオタク趣味の構造から、秋葉原はオタク街化してきた。そのような中で、 秋葉原をメジャーにさせるブームが起きた。それが「電車男」ブームである
       また 2005 年には「つくばエクスプレス」が開業し、交通的にも便利になり、秋葉原駅東 口には「ヨドバシカメラ・マルチメディア Akiba」が作られた。さらに 2006 年には、電気 街北口の駐車場跡に、さまざまな領域(フィールド)の人々と、様々な領域の情報が集い、 そして交流(クロス)することによって、IT を活用した次世代の新しいビジネスを創造する ことをコンセプトとした「秋葉原クロスフィールド」が完成した。
  4. 広まるオタク文化
    1. 「萌え」とは
      その歴史の中で生まれたキャラクターへの愛情を表現する言葉が「萌え」である。旧来 の語意通りの、草木が芽吹く様ではなく、この萌えるという言葉に加えられた新たな語意 が、趣味嗜好の問題を指し示している。その語意とは、特定のキャラクターやキャラクターを構成する特定の部分的要素に惹かれ、好みに感じることである。入れ込んでハートが 熱く燃えているようなイメージが、そこにはかけ合わされている。その起源は、アニメ、 コミック、声優など複数の説があり、1993 年から 1994 年頃にわざと漢字の誤変換を残し た言葉遊びを好んでいたパソコン通信ユーザーの間で広まったのがきっかけといわれてい る。 
    2. キャラクターライセンス市場の拡大
      『デジタルコンテンツ白書 2006』によると、日本の 2003 年のコンテンツ産業の総売上 額は 12 兆 7906 億円となり、これは第一次産業、農林水産品の総生産額約 10 兆円を上回っ ている
      そして、その中でもキャラクターライセンス商品の市場は推計、2 兆 0837 億円と なっている。
      1. 市場が拡大されたのか、それにはエヴァンゲリオンブームによりアニメへの投資が 増えていることも大きい。
      2. そして最も大きな理由として日本のインターネットの普及が挙げられる。インターネッ トの普及によってオタクの存在や活動が顕在化され後押しされたのである


    3. コミックマーケット
      日本全国からオタクが集まるイベントがある。それが世界最大規模の同人誌展示即売会、 「コミックマーケット」である。通称「コミケ」とも呼ばれる
      それ が 21 世紀の現在(2004 年 8 月開催、コミックマーケット 66)では、有明にある東京国際展 示場に 3 万 5000 サークル、51 万人もの人々を毎回 3 日間(通常、毎年 8 月と 12 月の 2 回 行われる)で集め、経済活動としても一日に概算 20 億円もの金額が動く市場に成長した。
      そしてコミケのさらなる重要な特徴はオールジャンルのイベントであるということ だ。ジャンルの規制がなく、漫画や小説などのオリジナル創作物や、商業作品のパロディ、 成人向け同人誌、鉄道、カメラなどの伝統的なマニア分野の同人誌から各領域の評論系同 人誌、グッズ販売、そしてコスプレまでが一堂に会するのである
    4. コスプレから世界へ
      コスプレとは、漫画やアニメなどに登場するキャラクターの衣装や容姿を真似て、その キャラクターになりきる「コスチューム・プレイ」の略である。
      日本で初めて生まれたメイ ド喫茶は、コスプレ衣装の販売で知られるコスパを母体として 2001 年 3 月に開店した「Cure Maid Cafe」であった
      店員がメイドの扮装をするメイドビジネスの店は、2005 年 7 月には秋葉原 周辺に約 20 店にも及び、さらに全国にも拡大されつつある。また 2005 年 5 月にニューヨ ークタイムズに紹介されるなど、世界的にも知られるようになった。
  5. 結論

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主要是討論秋葉原的歷史,順便簡介御宅族跟相關的內容

我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
我是覺得他把御宅文化相關的點都大概簡介了一下,滿全面的。

2020年12月10日 星期四

〈オタクの消費行動の考察-奥出拓摩〉

  1. はじめに
  2. オタクについての概要
    1. 「オタク」の定義
      オタクとは、「こだわりがある対象をもち」、「その対象に対して時間やお金を極端なほ ど集中的に消費しつつ」、「深い造詣と想像力をもち、かつ情報発信活動や創作活動など も行っている人々」である。一方で「社会一般からは価値を理解しがたいサブカルチャ ーに没頭し、コミュニケーション能力に劣る人」というネガティブな見解が示されるこ とも多い。しかし、定義や範囲など曖昧なところが多い。
    2. 「オタク」の語源
      「オタク」という言 葉を初めて使い始めたのは『超時空要塞マクロス』を作ったスタッフだと言われている。 制作者間でお互いを「お宅」と呼び合っていることや、『マクロス』の登場人物にも「お 宅」と呼び合わせていることから、まず SF ファンの間で「オタク」という言葉は広ま ったとされている。 
    3. 世代別のオタクの特徴
      1. オタク第一世代(1960 年代生まれ)
        基本的に SF ファンで、劇画の登場によりマンガは大人も読む者として認められつつ あったが、「アニメは子供のもの」という風潮の中で育った
        マンガやアニメは、学生運動を主 導した戦中生まれ世代や団塊世代の抱いていた社会変革思想の対抗物として意識され ていたため、彼らのオタク趣味全般に理論化・体系化への指向が強い場合が多い。コ ミックマーケットなど現在に至るイベントの基礎を築いた者もこの世代である
      2. オタク第二世代(1970 年代生まれ)
        少年期に「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」などアニメブームの洗礼を受け、 広くアニメなどが趣味の範疇に受け入れられた。これらの作品が SF を基底として、架空の技術体系を構築する手法をとったため、提供される側にはその架空の技術体系を 網羅したがる方向性もみられる
        バブル世代と団塊ジュニアに相当し、1970 年代末期~1980 年代のテレビゲーム・パ ソコン趣味の担い手ともなった。ロボットアニメ最盛期に育った世代でもあり、プラ モデルなどこれらの作品に関連した製品が登場して一大市場を築き、その受け手とな った。なお、この世代の親(1940 年前後生まれ)は、「仮面ライダー」の石ノ森章太郎 や「機動戦士ガンダム」の富野由悠季など、特撮の大作家が多い世代である。
      3. オタク第三世代(1980 年代生まれ)
        1990 年代後半に「新世紀エヴァンゲリオン」の洗礼を受け、セカイ系と言われるム ーブメントの担い手となった
        1980 年代前半に生まれた世代は、高校までにインターネットが普及し始めた世代で あり、インターネットをテレビや雑誌などと同質の媒体として利用していることがう かがえる。
        なお、第三世代以降の世代ではオタク趣味が一般的なものとなり、オタクコミュニテ ィの拡散化と嗜好の分裂化・多様化がかなり進んでいるため、個人個人を一つの世代 で括って考えることが難しくなっている。
      4. オタク第四世代(1990 年代生まれ)
        インターネット利用が一般的な環境の中に育ち、従来の世代が遊び場や友達・仲間を 広場や公園に求めたのと同質の感覚で、コンピューターネットワーク上のネットコミ ュニティにも求めていった世代である
    4. インターネットの普及によるオタクの顕在化 
      インターネットなどの電子的ネットワークが普及する以前は、オタクは地縁、人縁で のみ結びついて活動していた。そのため、オタク同士が同好の士を発見し結びつくため には、そもそも両者が互いにオタクであることを普段の生活の中で認識し、接近しなく てはならず、接触できるような場所やイベントが必要であった。
      1980 年代後半になってパソコン通信が始まり、初めて地理や時間の制約を越えて、オ タク同士がコミュニケーションをとれるようになった。さらに 1990 年代後半からのイ ンターネットの普及や 2000 年代のブロードバンド環境、パソコンの一般家庭への普及 などによってコミュニケーションの場が急速に拡大した。
      1. インターネット普及に伴う環境の変化として
        1. 第一に、地理、人的ネットワークなど 物理的に制約を受けていたオタクが、パソコン通信、インターネットの普及によって、 容易に相互を発見し、コミュニケーションをとれるようになった
        2. 第二に、インターネットを利用することにより、ニッチな分野の情報でも簡単に収集 することができるようになり、ネット上のオタクコミュニティに容易にアクセスできる ようになった
        3. 第三に、ネット上でいわゆる「同好の士」を簡単に見つけ、コミュニケーションがで きるようになり、お互いに情報や意見をより簡単に交換できる環境ができてくると、今 まで情報収集を主にしていた人が、今度は情報発信を行うようになり、オタク全体の活 動が活発になった
  3. オタクの消費行動
    1. オタクの行動様式
      1. 高水準の消費
        理想へ近づくためには「金に糸目をつけない」傾向がある。また、支出に関しては、その分野のオタクである限り何年でも消費を続けるため、一般的な消 費者と比べると、その分野に対する生涯総支出額が高い
      2. 新たな価値の創造
        オタクは商品やサービスへの消費だけでなく、自分のこだわりのある分野については、 自分なりの解釈や考えを積極的に表現する傾向がある。その範囲は、自分のこだわり のある対象についての解釈に始まり、それらの解釈の体系化(理論化)や、さらには 自分なりの補完や創造による創作活動にまで及ぶ
      3. 積極的な情報発信
        ネット上でコミュニティを形成するようになったオタクは、幅広く情報収集や情報交 換を行っている。その結果、オタクのコミュニティでは、数々の情報や評価などが、 集積、更新されるようになる。そして、このオタクによって生み出される情報が、口 コミ情報として非オタクへ伝播し、市場全体に影響を与えるという流れも出てきてい る。
    2. オタク的行動原理
      以下では、野村総合研究所が 2004 年 8 月に実施した「趣味やこだわりに関する生活 者調査」の分析の一部を用いる
      1. 消費性オタク
        消費市場において「極端な消費行動を行う層」が存在する。一般に、十分なサンプル のもとでの、ある分野に対する消費支出あるいは消費時間の分布は、およそ平均値付 近に集中する。しかし、「自分が強くこだわりを持っている分野に対する消費支出や消 費時間」の分布は、平均値付近に集中する層のほかに、さらに上位にもうひとつ第二 の層が形成される傾向にある。
        この「無条件に消費をしてしまい、ブレーキが効かなくなる状態の消費」を「オタク 的消費」とし、その性向が強い層を「消費性オタク」とする。

        オタク的消費では、理想像を追い求める情熱が原動力となり消費行動がとられるため、 多くの場合、消費に対する価格弾性が極小となり、趣味に対して支出可能な金額のほ とんどをつぎこむという極端な行動に走ってしまいがちになる。また、コレクション を増やす、ハイスコアを更新するなどの、消費、創造活動を繰り返し、徐々に理想像 に近づくにつれ、理想像への情熱はさらに高まる。
      2. 心理性オタク
        オタク的消費においては、「創造性」、「情熱」が消費行動を加速させる構造が明らか となった。そこで、このオタク的消費のスパイラルモデルをもとに、オタクのこだわ りに対する基本的な考え方や行動を分析し、「創造性」、「情熱」、「消費」に対応するオ タクに特徴的な6つの心理および行動要素、いわば「オタク因子」を抽出した
        1. 収集欲求
          こだわりがある対象に関する情報や商品やグッズは、すべてそろえないと気がすま ない、そろえることにより優越感を感じるという心理である。
        2. 共感欲求
          自分のこだわりの対象に関して、そのよさを他の人にも知ってもらいたい、趣味の 仲間を増やしたいという心理である
        3. 自律欲求
          こだわりのある趣味に対し自分なりの評価の基準や解釈を持っており、他人にどう 思われようと自分の考えに基づいて物事を判断したいとする心理である
        4. 帰属欲求
          価値を共有できる集団を形成し、その集団へ帰属することを強く求める心理である
        5. 顕示欲求
          自分なりに集めた情報や作品の解釈・批評を、インターネットなどを用いて発信し たいという心理である
        6. 創作欲求
          こだわりのある分野に関連し、自己流の解釈に基づいたカバー作品を創作したり、 まったくオリジナルの作品を創作したり、自己流の改造を加えるなどの創造・創作活 動を行うことへの欲求心理である
      3. オタク発生の割合
        「趣味やこだわりに関する生活者調査」の分析の結果から、消費性オタクの出現率を 生活者全体の約 11%、心理性オタクでは全体の約 36%であると推定した。また、消費 性オタクであり、かつ心理性オタクである層、すなわち中毒的で極端な消費行動を示 し、かつ心理的にもオタク的な特徴を有する生活者を「オタク」と定義づけた。この 「オタク」の出現率はおよそ 3.6%、つまり 28 人に 1 人の割合でオタクが存在するこ とになる。 
  4. オタクの支出に関する分析
    ここでは、いわゆるオタク関連商品に対する支払い行動を見ていく。対象となる商品群 は、アニメ(DVD/CD/グッズ類)、コミック・ライトノベル、ゲーム、フィギュア、同 人誌・同人作品、コスチュームである。
    そこで、日本のオタク関連商品のユーザー1510 人に対してアンケート調査を行い、その 支払い行動について定量的に分析をするという試みを紹介する
    1. 支出額に関する記述統計





      表四:
      フィギュア(24,264 円)にな らんでアニメ(24,939 円)が高額になっている。支出額の大きさは、その単価が高いこ と、客層の年齢層が高く小遣いが多いことなど、複数の要因が考えられる。特にフィギ ュアの場合は、年齢層が突出しており可処分所得も高いなどの影響が強いと思われる。
      アニメとコミックは、ゲームとフ ィギュアに比べて月買物回数が多い傾向にある。比較的単価の低い商品を、何回も買い 物に出かけて買いためていると推察される。 
    2. クリエイター気質の測定



    3. 支出額の決定要因
      重回帰分析とは、説明変数(x)と被説明変数(y)との関係を一次式にあてはめ、x の 係数を推定する手法である
      ここでは、被説明変数(y)として、月支出額と月支出額/小遣いの 2 つの指標を用い る。


  5. オタクコンテンツ市場の動向
    野村総合研究所「「オタク層」の市場規模推計と実態に関する調査」(2004 年 8 月 24 日) → 総額 2900 億円(範囲:アニメ、アイドル、コミック、ゲーム、組立 PC)
    浜銀総合研究所「萌え市場は 888 億円」(2005 年 4 月 1 日) → 総額 888 億円(範囲:コミック、映像、ゲーム) 
    メディアクリエイト『2008 オタク産業白書』(2007 年 12 月 28 日) →総額 1866.8 億円(範囲:DVD/CD、出版コンテンツ、ゲーム、グッズ類、同人)
    1. オタクコンテンツの 2007 年国内市場規模
      2007 年におけるオタク関連コンテンツ(DVD/CD、出版コンテンツ、ゲーム、グッズ類、同人)の市場規模は 1,866.8 億円である。2006 年の市場規模は 1,821.7 億円とな り、2007 年は対前年比で 2.5%増であった。
    2. DVD/CD パッケージソフト市場
      1. 定義
        オタクコンテンツのパッケージソフトとして、アニメ DVD、アニメ・声優・ゲーム CD を取り上げる
        オタク系の専門店で売られている DVD・CD をオタク商品、それらが形成する市場をオタク市場としている
      2. パッケージソフト市場規模
        2007年のオタクコンテンツ市場におけるDVD・CDの 市場規模は340.2億円である。 うち DVD 市場が 163.0 億円、CD 市場が 177.2 億円である。これはセルのみの集計で あり、レンタルなどを含めた数値ではない。
        2006 年の市場規模は、全体では 333.5 億円で、うち DVD 市場が 168.2 億円、CD 市 場が 165.3 億円となっている。DVD 市場がやや減少したものの、市場全体と CD 市場 では売上を伸ばしている。 
    3. 出版コンテンツ市場
      1. 定義
        ここでは、オタク産業の市場規模をオタク向け専門店の売り上げベースで算出してい る。 
      2. 専門店における市場規模
        専門店の売り上げベースでの市場規模は、2007 年は 406.7 億円、2006 年は 413.3 億 円となった。 雑誌やコミックスが停滞する一方でライトノベルは、2007 年では対前年比 104%と 伸びを見せ、この傾向はここ数年続いている。ライトノベルは専門店との親和性が高 いが、コミックスは一般店でも購入しやすいため、一般市場と比較して占有率が低く なっている
    4. ゲーム市場
      1. 定義
        1. コンシューマーの美少女ゲーム、乙女ゲーム、ボーイズラブゲーム 
        2. 上記以外のコンシューマーで、オタク層の購入が考えられるタイトル 
        3. PC アダルトゲーム(一部非アダルトも含む)
      2. 市場規模
        2006 年の市場規模は 559.6 億円である。2006 年から 2007 年へは 100.2%と 横ばいに推移している。内訳は、コンシューマー美少女:61.8 億円、乙女:27.9 億円、 BL:3.2 億円、その他:209.9 億円、PC:257.2 億円となっている。
        2007 年 1~8 月で 380.9 億円、12 月までの年間予測では、推定 560.8 億円である。コンシューマーは 300.6 億円、PC 向 けが 260.2 億円であった。コンシューマーと PC でほぼ二分する形となっている。コン シューマーの内訳を見てみると、美少女ゲームが 88.3 億円、乙女ゲームが 20.8 億円、 ボーイズラブゲームが1.5億円、その他のコンシューマータイトルが190.0億円となる。
    5. フィギュア/キャラクターグッズ市場
      1. 定義
        1. フィギュア
          完成品フィギュア、トレーディングフィギュア、ガレージキット、プラモデル、プ ライズなど。
          ここからプライズを除いたものが今回の集計の対象となる。
        2. キャラクターグッズ
          雑貨や文具、アパレルなど、一般のキャラクターマーチャンダイズと同じもの。ま た、コスプレ関連商品もキャラクターグッズとみなしたため、コスプレ衣料もここに 集計されている
      2. 市場規模
        2007 年 1~8 月までの各ヒアリング先リテーラーの売り上げから 12 月までを見込ん で推定したところ、2007 年の市場規模は 281.8 億円であった。うちフィギュア市場が 162.3 億円、キャラクターグッズ市場が 119.5 億円だった。
        2006 年と比べると、市場 全体では 277.9 億円とほぼ横ばいである。フィギュア市場は 156.1 億円で拡大、キャ ラクターグッズ市場は 121.8 億円で減尐傾向にある。
    6. 同人誌市場
      1. 同人誌市場の範囲と定義
        現在、“同人誌”とはオリジナル(一次創作)作品のほか、既存のコミック、アニメゲーム等を題材とした二次創作作品の自費出版物を指す。出版社→取次→書店という 流通にのるものではないため、一般の書店や小売店では購買できない
      2. 同人誌市場の規模と推移
        2007 年の市場規模は 277.3 億円である。うち即売会が 103.7 億円、DL 販売が 39 億 円、書店委託が 134.6 億円となっている。2006 年の同人誌市場全体の規模は 237.7 億 円である。内訳は、即売会が 90 億円、DL 販売が 33.8 億円、書店委託が 113.9 億円と なる。即売会よりも書店委託が大きいことが特徴である。 どの経路においても、前年比 115~118%と高い成長率であり、市場は拡大している
  6. 結論
    1. 創作活動をするユーザーは、そうでないユーザーと比べてより多く消費すると想 定されたが、統計的なサポートを得ることはできなかった。重回帰分析において創作活動 経験の標準化係数が 0.000(有意確率 0.994)であることから、月支出額に全く影響を与 えていないことが確認された。もちろん、単純集計レベルでは、創作活動をしている人の 支出額は多い傾向にあるが、それは平均年齢と小遣いの高さに大きく影響された結果であ り、創作活動自体がもつ効果ではないと結論づけられる
    2. 市場は全体的に堅調に業績を伸ばしてきている。しかし、オタクユーザー一人あたりの消費にも限界がある。オタク人数が急激に増加するということもない。限られたタ ーゲットを各商品カテゴリーで取り合う状態になりがちである。そのため、オタク商品で あったとしても、一般ユーザーやライトオタクといった層に対して販売を促進していくこ とが今後の課題となる。

得這篇文章想要討論什麼?

對2007或2008年左右的御宅消費做一問卷調查與分析

我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
文章中有一個地方的平均值(表八)KEY錯了,應是0.022,而不是0.22,不知道是不是因為這樣P-VALUE才會有誤。