- はじめに
本稿ではまず,コミックマーケット,またはコミケット,コミケと呼ば れるイベントの変遷と,そこで行われてきた活動を資料に基づいて概観す る。
次に, 2004年夏に開催されたコミックマーケット66において筆者が行っ た調査を元に,コミックマーケットの参加者が,現在どのような活動を 行っているのか,そして,その活動がいかなる特徴,および意味を持つの かを考察する。 - コミックマーケットの概観――歴史と活動の変遷
コミックマー ケット,あるいはコミケット,コミケという呼称は,同人誌活動に関わる 者においてさえ,時に同人誌即売会一般を指す言葉として誤用されるとい う現状がそれを物語る。コミックマーケットとは,正確にはコミケット準 備会が主催となり,現在は夏と冬の年に2回,東京ビッグサイトを会場と して定期的に開催されているイベントを指す - 漫画同人事情――コミックマーケット以前から第一回コミックマーケットまで
漫画同人誌は漫画を描いている素人が同志を募り,作品を持ち 寄って発表するための媒体として成立していた。後年,漫画原稿の複製が 手軽で安価な手段により実現するまでの漫画同人誌は「肉筆回覧誌」と呼 ばれる形態を取る。それは,同人のメンバーが投稿した生の原稿をまとめ て一冊に綴じ,同人の仲間内で回覧板のように回し読みをするものだった
75年は,漫画同人誌が肉筆回覧誌から1人1部の所有へと形態を変え始 めた頃でもある。漫画原稿を複製する手段としてコピー機や簡易オフセッ トが登場し,漫画同人誌の一般向け頒布,同人会員のコピー誌所有が可能 となった。 - 漫画専門誌『COM』(虫プロ商事)
67年になると『COM』誌上で会員募集,サークル結成のお知らせなどが載り, 次々と全国サークルが誕生していくことになる
その『COM』は72年に休刊を迎える。『COM』と いう拠り所を失った漫画ファンは,『COM』に代わって同好の志を結集さ せるための手段を模索した。その試みの一つから,漫画批評集団「迷宮」 によって,コミックマーケットが生み出された。それが,1975年に開催さ れたコミックマーケット1――つまり,第1回コミックマーケット――で ある。 - コミケットの規模
- C1
第1回コミケット(C1)は,1975年12月21日に開催され,サークル32, 一般入場者700名が参加した。参加者は9割が少女漫画ファンの女子高生で ある - C5
C5(77年春)が開催された年は,テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』が人 気を得る。『~ヤマト』人気は,コミケットに創作漫画系ではなくアニメ系 同人誌の増加をもたらした。そして,アニメ系サークルの急増により - C11
C11 (79年春)では,会場が漫画系とアニメ系と分けられる。アニメ系同人誌は 一過性の流行現象で終わることなく,コミケットに定着する。また,同時 期に,後年ブームへと発展する,いわゆる「ロリコン」同人誌が登場して いる - C12(79年夏)には,男性参加者が増加傾向を見せる。男性参加者を中心としたロリコンブームは C18(81年夏)頃,頂点に達する。 続く C19(81年冬)で参加者の過半数は男性が占める。その C19では, サークル600,一般9,000の参加を数えた。
- ロリコンブームに次ぐ大きな転機は女性参加者の間に起こった。C28(85
年夏)では,『週刊少年ジャンプ』(集英社)連載の高橋陽一著作であるサッカー漫画『キャプテン翼』(以下,C翼)同人誌が登場する。『C翼』
同人誌は10代女性のコミケット参加を急増させた
C28の参加者は,サー クル3,450,一般30,000である。こうした女性を中心とする盛り上がりの ピークは C39(90年冬)で
女性参加者の間に起こった変化は,5年間で,サークルはおよそ4倍,一 般はおよそ8倍まで参加者を増加させた。その頃には,コミケット参加者 のうち7~8割を女性が占めるようになっている。この傾向は,『C翼』人 気,それに続く『聖闘士星矢)』ブームを反映している。 - コミケット全体に影響を与える大きなトレンドは現 れていない。それでもコミケット参加者の増加はサークル,一般共に加速 していく。
- その要因の一つに,元々は非同人漫画誌の読み手だった層が, コミケットの存在を知り,コミケットへの参加を始めたことが挙げられる。 さらにプロデビュー後もコミケットへの参加を継続する描き手の増加が, この変化をもたらした。
- コミケッ トという場では,漫画同人誌に限らず,多様な「表現」が許容されている という事実も重要である。冊子という形態をとって頒布される「表現」は もちろん,後述するコスプレもコミケットで見られる表現の一つである。
- コミケット会場の変遷
- コミケットの参加者たち
- サークルと一般――同人誌を売買する人びと
大抵のサークルはコミケット参加に伴う支出の回収すらおぼつかない のが実情である。一般の場合,コミケットへの参加は支出の要素しかな い。
それでも,数十万人規模の参加者がコミケットに集まる。金銭に替え られない「何か」を参加者はコミケット参加によって得ていると考えな ければ,参加者の行動は説明出来ない。その「何か」については別項で 考察する。 - コスチュームプレイ――同人誌から離れた参加者たち
コスプレとは,任意の漫画やアニメ,ゲーム作品の登場人物が着用し ている衣装を真似た扮装をする活動である。
コスプレイヤーが,コスプレ衣装を入手する方法は様々である。コス プレイヤー自身による手作りを初め,コスプレ専門店でのオーダーメイ ド,既製服や小物類の購入等々,多様な手段でコスプレイヤーは自らが 着用するコスプレ用の衣装を整えている - コスプレがコミケットに初めて登場したのは,C8(78年春)である。そ
して,C15(80年夏)頃にコスプレは激増を見せ,現在に至る。
C23(83 年春)からは,警察の指導によりコスプレ衣装着用のまま会場外へ外出 することが禁止された。コスプレ衣装と普段着の着替えについては,コ ミケット主催者があらかじめ,その場所と使用時間の指定をする。 - コミケットと商業漫画・小説の関係
C10(78年冬)頃には,漫画同人誌の描き手を経てプロデビューする者が 現れ始める。また,同時期に,同人誌の描き手を商業誌の描き手として起 用した雑誌,単行本が創刊されている - 「日本初のロリコン漫画誌であり,同人誌の美少女コミックをメインにし た新しいタイプのエロ漫画誌の草分け」\となった『レモ ンピープル』(久保書店)が創刊されたのは,81年である。80年前後には, 女性向け・男性向け問わず商業誌漫画においてコミケット出身の描き手が 活動の場を獲得し始めた。
- 同じ年,コミケット準備会が『コミケットセレクション☆ 83』を発行している。同人誌作家10人の作品を収録した同誌は,現在のア ンソロジー単行本の先駆けをなす
- 87年頃には,同人誌作品を集めたアニパロの再録本や,ジャンルアンソ ロジー)が次々と出版社から発行され,一般の書店の店頭に並んだ。この 動きは,コミケットに代表される同人誌即売会をはじめとするごく限られ た場で流通していた漫画同人誌を,内容はそのままに体裁だけを変えてコ ミケットに関わりのない一般の読み手の手に届くものとした。
- 88年には,漫画作品ばかりでなく,小説同人誌の商業誌化が始まる。そ れは,小説同人誌の書き手(同人作家)を商業小説雑誌の書き手に起用す る動きの始まりである。90年には小説同人出身の書き手による最初の単行 本が発行され,公称で15~20万部を売り上げた。同人作家を書き手とした 書き下ろし単行本というスタイルは,91年頃に定着しはじめる
- コミケット初期には,同人誌の書き手は,通例としてプロになると同時
に同人誌から撤退した。現在は,商業誌に連載を持つ,いわゆるプロの作
家がコミケットで自作同人誌を頒布する事も珍しくはない。
商業出版は,「ロリコン」等の言葉によって表されるその時々で読み手を 強く引きつける作品の傾向と,作品を執筆する書き手の双方について,コ ミケットという場に出現したものを取り入れ,商業出版物とての漫画・小 説の方向性を定めて一般読者に提供しているのである。 - コミケット66(2004夏)
- コミケット66に見るコスプレ
- 同人誌即売会としてのコミケット66
コミックマーケット66においては,たとえ同じジャンルの愛好者同士で あっても,会場で行われる交流は希薄だった。その要因は,同一ジャンル 内でさえ趣味・嗜好が細分化し,同じジャンルというだけでは,お互いに 快の共有への期待が困難になったことにある。ゆえに,コミケット参加者 は自分の快を乱す可能性を孕む直接的な対話から撤退し,同人誌の売買を 通じてのみ,お互いの好みや意志を表現する。相手からの返答があらかじめ期待されていない一方的な意思表示を選択することにより,コミケット 参加者は自己を不快から守ると同時に他人を不快に陥れる可能性を回避す る - むすびにかえて
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本稿では,コミックマーケットの概要及び,そこで現在見られるコミュ ニケーションのあり方と意味を明らかにした。それは,お互いを傷つけな いコミュニケーションと,それによる自己の確認であった。また,コミ ケット参加者を通じて考察された現象は,現代の若者全般に見られる特性 がコミケットという場に表出したものであることを確認した。
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前半段介紹同人展的歷史與內容,後半段是個人遊記參雜同人展中的交際行為,大概應該是我想去受到肯定,但又害怕過於親密的接觸,於是在網路上po我在現場囉,然後看著大家在下面留言,我看到了、我買了很不錯等留言,並從這獲取滿足感,但現場就僅僅只是短短的交流而將進一步的互動轉移到網路上。
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