2020年12月22日 星期二

〈日本におけるテレビアニメ放映データの分析 ──リストの作成とその概要──〉増田のぞみ・東園子・猪俣紀子・谷本奈穂・山中千恵

  1. 調査の目的と概要
    1. 調査の目的
      日本においてテレビアニメの歴史は半世紀を迎えた。2013 年は,1963 年に「鉄腕アトム」の放映が始まり,30 分の番組が毎週放映されるという連続テレビアニメのフォーマットが形成されてから 50 年になる
      本稿では,このテレビアニメリスト作成のプロセスおよびそのデータの概要の一部について説明することにし たい。
      1. 一般社団法人日本動画協会
        2008 年より「データベースワーキンググループ」を設け,アニメ業界の産業データの調査を行っている。そ の調査結果をまとめた『アニメ産業レポート』が毎年発行されており,そのなかにはテレビアニメの放映本数や 制作分数といったデータが含まれている 。また,「リスト制作委員会」の原口正宏らが関わるテレビアニメデー タも年ごとにまとめられ,ウェブ上で公開されている
    2. 調査の概要
      本リストに掲載する作品は 1988 年までは『テ レビアニメ 25 年史』(アニメージュ編集部,1988)に掲載されたすべての作品,1989 年以降はアニメ雑誌『アニ メージュ』(徳間書店)に掲載される「年間パーフェクトデータ」に載っているすべての作品とした。
      以上のような作業を進めた結果,1963 年から 2010 年までの全 5,273 件のデータ入力を終えることができた。
    3. 調査項目
      本稿では,放映の概要と原作の媒体に関する項目を主に扱うこととする。主人公の設定,物語の舞台設定に関 する項目については,別稿を用意する予定である。
  2.  新作放映数と話数の推移
    1. テレビアニメ新作放映数の変遷
      本テレビアニメリストより作成した日本におけるテレビアニメ新作放映数の推移を示したグラフが図 1

      本研究グループでは,元データで期分けされているタイトルはそのまま期分けを含めることとし,同じタイト ルのなかで 1 つでも期分けが含まれていれば,そのタイトルはすべて期分けの対象とした。その際,期分けの表 記が抜けていたり,ズレが生じているような場合には新たに加えたり,順序を入れ替えるなどの調整を行った
      本調査によって明らかになった新作放映数の全体の推移は,図 1 の通りである。この図からは,各年に新しく 始まるテレビアニメの数は,年ごとの増減はみられるものの全体的に 2007 年までは上昇傾向にあることがわか る。1963 年からゆっくりとしたペースではあるが,着実にその数を増やしていき,とくに 1990 年代から放映数 が大幅に増加している。
      1. 1989
        この背景としては,1989 年に BS(アナログ)放送「NHK-BS2」が 24 時間本放送を開始,CS によるケーブル テレビ向け番組供給も開始され,多チャンネル化が進行したことが注目される。多チャンネル化により放送枠が 拡大したことがテレビアニメの放映数の増加に影響を与えていると考えられる 
      2. 1990-2000年代
        また 1990 年代後半から 2000 年代にかけてはさらに大幅な本数の増加がみられ,グラフは 2006 年の 221 本,続 く 2007 年の 227 本がピークとなっている。この増加の背景には,深夜枠の拡大がある。
        増田弘道は,2006 年にアニメの制作本数が伸びる「バブル」が現出した背景のひとつとして,1997 年にテレビ東京を中心として安 価で放送コードの緩い深夜枠が開放されたことをあげている。これによって,アニメビジネスを新たに始める事 業者と OVA に流れていた既存の事業者が深夜枠に押し寄せることとなった。コアなアニメ ファンやヤングアダルト層に向けた深夜アニメの増加が,テレビアニメ放映本数を大きく押し上げたと考えられ る。
    2. テレビアニメ放映数に関するデータ
      テレビアニメの放映本数の変遷をまとめたデータとしては,冒頭に述べたように日本動画協会の「データベー スワーキンググループ」が発行する「アニメ産業レポート」に記載があり,日本動画協会のホームページにも 「TV アニメタイトル数[1963 年~2012 年]」というグラフが公開されている
    3. 話数の推移
      このグラフを見ると,1960 年代には 1 作品あたりの話数が多く,1970 年代にピークを迎え,その後は 2000 年 代にかけて話数が減っていくことがわかる。毎週 1 話ずつ放映される作品の場合,1960 年代から 1970 年代にかけては,平均の放映期間が軽く 1 年を超え ることとなる。1970 年代の 81 話という数字は,1 つ 1 つの作品に平均して 2 年近い放映期間があったことを示し ている。それが 2000 年代になると大幅に減少し,2 クール) 程度の作品が主流になっていることがわかる

      日本動画協会のデータベースワーキンググループ座長である増田弘道は,テレビアニメの制作実態を知るため には,制作本数だけでなく制作分数を調べることが重要であると述べており,『アニメ産業レポート』においては 制作分数のデータが重視されている。増田は「テレビアニメのほとんどが 30 分のシリーズ作品だった 2000 年代 以前ならタイトル数で数えるのも有効だが,デジタル技術の進歩によって比較的簡単にショートアニメが制作さ れるようになった時代においては,制作分数に注目しなければならない」と指摘する
  3. 原作媒体の割合の変化
    1. 原作の分類方法
      テレビアニメの原作媒体についてみていく。テレビアニメはマンガなど他の媒体で発表された作品 を原作に作られることも多い。アニメオリジナル作品はどの程度存在するのか,またどのような種類の原作が多 いのかを知るために,初出の媒体をみることとした。

      このようなメディアミックス作品については作品ごとに制作される 経緯が異なり,発表年月日が早いものを原作とするのか,そもそも原作は存在しないと考えるのか,その判断は 困難なものとなる(本研究では,原則として発表年月日が早いものを原作とした)。こうした何を原作とするのか 判断が難しいケースが増えていること自体が,現在のテレビアニメの状況を表しているともいえる
    2. 原作媒体の割合の変化


  4. おわりに 
    新作放映数の推移をみると,テレビアニメはこの 50 年間に着実に制作本数をのばし,アニメーション表現のひ とつのジャンル,またテレビ番組のひとつのジャンルとして日本において揺るぎなく定着しており,テレビはア ニメにとって主要な媒体であり続けてきたことがわかる。とくに 1990 年代以降,衛星放送をはじめとした多チャ ンネル化の進行や深夜枠の拡大にともなって新作放映数が増加している。ただし,放映本数が増加する一方で,1 作品あたりの話数の平均は減少し,放映期間が短くなる傾向が確認された。また原作媒体のデータからは,マン ガ原作作品の割合が一貫して高い水準を維持していることが明らかとなった。このことは日本におけるテレビア ニメとマンガの関係を考えるうえでも重要な示唆を与えるだろう。

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列出1963到2010年之間的動畫討論其變化

我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
但是年度動畫如果可以把今年新作與舊作一起刊出來就好了,甚至OVA也一起就更完整了

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