2020年12月18日 星期五

〈若者のオタク化に対する警鐘 若者の考える「オタ活」とオタクコミュニティの現実 -廣瀨 涼〉

  1. はじめに
    筆者は、オタクという言葉が気軽に使われるようになった結 果、若者がオタクのコミュニティの実態を知らないまま、気軽にオタクのコミュニティに参加してし まい、自身の抱いていたオタ活との間にギャップが生じてしまう現象に対して問題意識を抱いている のである。結果的にコンテンツ離れしたり、そのコンテンツを好きであると公言することに息苦しさ を感じている若者のオタクも多くなってきている。本稿では、その要因を筆者なりに考察してみた。
  2. 「オタク」という言葉の今
    オタクという言葉 がアイデンティティと同義で使用されており、趣味に対して時間やお金を消費する「オタ活」を通し て、自身のアイデンティティを充足したり、発信している。このような変遷を経て、近年「オタク」という言葉は日常的に使用されるようになってきている。
  3. オタ活と SNS
    オタクの活動の場は時代の流れとともに変化している。インターネットの登場により、「2ちゃんね る」のような大型匿名掲示板での交流が、オタクの情報交換の場の中心となった。
    実際に SHIBUYA109 来館者(15~24 歳女性)を対象とした「オタクに関する調査」4をみる と、「最も力を入れている興味対象に対する具体的なヲタ活」として「Twitterで情報収集する」(73.1%) や「SNS の専用アカウントを作る」(53.3%)が高いなど、SNS における活動がオタ活において大き な意味を持っていることが伺える。
  4. SNS におけるオタクのコミュニティの構造
    SNS に存在するオタクのコミュニティの特徴として、コミュニティの境界線が明確ではないことが 挙げられる
    同じ自身が確認できない広い範囲の大きなオタクのコミュニティであっても、現実社会のコミュニ ティでは、個人が“能動的”に行動を起こすことにより、広義のコミュニティ(オタクがたくさん集 まる場)との接点を持っている一方で、SNS においてはオタクとしてアカウントを作成した段階で、 広義のオタクのコミュニティに“受動的”に接点を持つことになってしまうのである。
  5. 若者がオタ活をすることに対する問題
    筆者は、若者が、オタクのコミュニティの性質を十分に理解しないで他 のオタクと交流することに危機感を抱いている。オタクという言葉が気軽に使われるようになった結 果、若者がオタクのコミュニティの実態を知らないまま気軽にコミュニティ参加してしまい、自身の 抱いていたオタ活との間にギャップが生じてしまうという現象が起きているためである。結果的にコ ンテンツ離れしたり、そのコンテンツを好きであると公言することに息苦しさを感じている若者のオ タクも多くなってきている。
    筆者はこの要因として、①「ファン資本」と②「コンテンツ市場の性質 とオタクの定義」が関係していると考えている。
    1. 「ファン資本」
      ファン資本とは、ファンコミュニティで相互作用を行う ための元手となるもののことである.オタクのコミュニティにおいては、オタク同士の情報交換や交 流といった「相互作用」が不可欠である
      1. 実資本
        龐は実資本を、我々自身の経済力や人脈、スキルといった社会生活を送る上での元手と定 義しており、その中には経済資本、社会資本、文化資本が存在すると論じている
        実社会のコミュニティでは、相手の名前や年齢、職業などの人となりを、交流を通して認識してい くが、SNS におけるコミュニティは繋がり合うきっかけが「趣味嗜好」であるため、相手の本名はお ろか、年齢や性別もわからないまま交流をすることが一般的である。そのため、趣味嗜好に対するベ クトルのみが接点であるがゆえに、SNS におけるオタクのコミュニティは、一見、実社会における社 会的立場はフラットな状態に見える。しかし、フタを開ければ交流をしていた相手が確固たる経済基 盤を持つ大人であるということももちろんある。
        アイド ルとの握手券や人気投票のための投票権獲得に CD を大量に購入し、自身の経済力でアイドルを応援 するというシステムが、支出額=愛という一種の視覚化できる指標を定着させてしまったことで、他 のコンテンツにおいてもその歪んだ構造がより影響を強めていると筆者は考えている

        筆者は、オタク とは、好きな対象に対して時間やお金の消費を繰り返すことで精神的充足を行う存在であると考えて いる。自身のペースでその対象に向き合うべきなのである。せっかくそのコンテンツが好きでコミュ ニティに足を踏み入れたのに、他人を顧みた消費によって心理的に切迫感を感じてしまい、そのコン テンツを好きであると言いづらくなってしまっては、精神的充足どころか本末転倒である


    2. 「コンテンツ市場の性質とオタクの定義」
      従来のオタクは、他人 から認識されることで成立しており、レッテルとしての側面が強かった。言わばそれを称賛と捉える かは別として、他人からオタクと思われたらオタクであり、他人からにわかであると思われたら、に わかだったのである
      最近の若者は、自称することでオタクは成立すると考えており、アイデンティティを顕示す るように自身がオタクであることを発信している。また、他のオタクは比較対象ではなく、あくまで も仲間であるという考えが強いようである
    3. マウンティング
      マウンティングとは、自分の方が優位と思いたいが故に、自分の方が立場が上であ るとアピールすることを意味する。オタク同士のコミュニケーションにおいては、コンテンツに対す る知見の深さやイベント参加経験等コンテンツ自体との結びつきの強固さをアピールする「経験力」、 グッズの購買力や投資力をアピールする「経済力」、いつからファンかをアピールする「オタク暦」が マウンティングの主な対象となっている。
      ファン資本で論じた通り、消費することがコンテンツ愛に 繋がると考える層が存在しており、彼らは他のオタクに経済力でマウントをとる。その対象は若年層 のオタクも含まれており、消費を煽ったり、消費する経済力がないことに劣等感を抱かせるような発 言をする。
    4. 同担拒否
      もしくはその一部を独占したいと思う欲求をもつ オタクもおり、自身が好きなコンテンツ(特に特定の人やキャラクター)と同じコンテンツが好きな オタクを排除しながら交友関係を広げようとしたり、自身よりコンテンツに対する熱量が少ないオタ クに対して、「なぜそのようなことも知らないのか」「そんなことも知らないならファンを名乗るな」 といったように高圧的な態度をとることもある。これは、自身の購買機会を守るという側面と同時に 社会資本という側面から見ても、ファン資本(情報提供や珍しいグッズの見せつけ)を提供し続ける 中で、比較的ライトに消費をするオタクを自称する層や経済力がない若者に対して、同じ土俵に立っ てほしくはないという一種のプライドのようなものも垣間見ることができる
    5. オタクを自称することがアイデンティティとなっている多くの若者がこのようなオタクが存在して いることや、オタクを自称することのリスクを認識していない。その結果、コンテンツコミュニティ に対して、自身が抱いていたイメージと差異が生じ、他のオタクとコミュニケーションをとることを やめてしまったり、最悪の場合そのコンテンツから離れてしまうこともあるのである。 
  6. その「オタク」は誰を指しているのか
    オタクに関する調査は、市場規模やトレンド、消費傾向を把握するための重要な資料であるのは間 違いないわけであるが、その対象がどのような人々を指しているのか念頭に置いて調査結果を見てい くことが大事である
    1. オタク人口
      1. 矢野経済研究所では、 調査項目で「自分がオタクか否か」を問い、それを下にオタク人口やオタクの個人消費額算出を試み ている。2017 年の彼らの調査によると、18~69 歳までの男女のうち 19.9%が何らかの「オタク」で ある、と答えている。そのため、オタクを自称する幅広い層をサンプルとして扱っており、2018 年の アニメ市場のオタク人口を 598 万人と算出している
      2. 野村総合研究所の 2005 年の調査では、 アニメオタク人口を 11 万人と推量しており、算出された数字だけ比較すると、ほぼ 10 年で約 590 万 人増えたことになってしまう
        野村総研の調査では、2004 年 8 月に野村総合研究所が行った「趣味やこだわりに関する生活者調査」 の分析の結果から、消費性オタクの出現率を生活者全体の約 11%、心理性オタクでは全体の約 36% であると特定した。そして、消費性オタクであり、かつ心理性オタクである層、すなわち中毒的で極 端な消費行動を示し、かつ心理的にもオタク的な特徴を有する生活者を「オタク」と定義づけた。こ の「オタク」の出現率はおよそ 3.6%、つまり 28 人に 1 人の割合でオタクが存在するとしており、野 村総研によるオタクは、彼らの基準によって ......... オタクかオタクでないか線引きされた存在であると言え るだろう。
    2. 対象市場の範囲の差
      SHIBUYA109 来館者(15〜24 歳女性)を対象とし た「オタクに関する調査」では、72.6%が「ヲタ活」をしていたという
      1. 「ヲタ活」という言葉が「ファン」「お金や時間をたくさん費やしているもの」 という 2 つの軸で使われていることがある
        1. 自分向けヲタ 活
          自分向けヲタ活は、エステやネイル、 カフェ巡りなど消費の結果が自身に回帰するものを指し、一般的に自己投資や自分磨きと呼ばれるよ うな性質を持っている。
        2. 他人向けヲタ活
          他人向けヲタ活は、アイドルや YouTuber、マンガやアニメなど、従来のオタ クが消費してきたような「コンテンツ」を対象としており、自分の消費が興味対象の応援に繋がる性 質を持っている。
      2. 矢野経済研究所が調査対象をアニ メやマンガなど 16 市場に限っている一方で、若者の考える「ヲタ活」は言うなればすべての市場であ てはまるため、若者の 8 割がオタクであると自認するようになってもおかしな話ではないのである。
    3. オタクの消費調査
      1. SHIBUYA109 lab. と CCC マ ーケティングによる 15~24 歳の女性を対象とした「オタ活に関する調査」によると「1 年間でヲタ活 に使う平均金額」は約 58,000 円という結果となり、ヲタ活に費やす費用は、年間の可処分所得の約 10.1%を占めていたという。
      2. 矢野経済研究所の「2019 年オタクに関する調査」を基に算出した オタクの平均年間消費額は「平均 22,500 円」であった
  7. 若者がオタク化することに際して
    このような若者のオタクを大きな器で受け入れることが、コンテンツ消費人口を増やし、コンテン ツを継続させることに繋がるわけだが、全てのオタクにそのようなスタンスを求めることは不可能で あろう。そもそも、オタクにとっては、マウンティングする事による優越感、されたことによる屈辱 感自体が消費行動に繋がったり、結果的にコンテンツに対する理解や知見を深めるモチベーションに なるからである7。そのため、コンテンツコミュニティの全てのオタクが若者のオタクに対して寛容な わけではないという状況については、そのコミュニティにオタクを名乗って参与する若者のオタク自 身が十分に認識して自衛する必要があると筆者は考えるのである。

得這篇文章想要討論什麼?

討論了當オタク層擴大之後,產生了階級以及衝突,這之間的心態分析,以及討論オタク消費市場也應要分析這其中的階級,上下階級的人數相差很多。
而這些都可歸結到當次文化逐漸成長時,均值分布不再,取而代之的是金字塔分布,但我好奇的是,這樣的團體發展,能所有團體共同的現象,抑或是オタク特色而產生的現象呢?

我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
在上面

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