- はじめに
徳間書店が発行している『アニメージュ』(1978 年創刊)は日本の老舗ア ニメ雑誌の一つであり,学研プラスの『アニメディア』(1981 年創刊)や KADOKAWA の『ニュータイプ』(1985 年創刊)などと並び,「アニメ雑誌 三強(御三家)」と呼ばれることもある有力誌である. - 本研究の背景・目的・方法
- 『アニメージュ』とアニメージュ文庫
- アニメージュ
1980 年代の『アニメージュ』と言えば,アニメ『機動戦士ガンダム』のキャ ラクター(マチルダ・アジャン)が表紙を飾った 1980 年 3 月号が,アニメ雑 誌としては異例の重版を果たすなど,商業的に大きな成功を収めたことでも よく知られている - アニメージュ文庫
アニメファンを主な想定読者とするアニメージュ文庫は,1982 年 12 月に 創刊された徳間書店の文庫レーベルであり,『アニメージュ』での連載等を 通して本誌とも連携を図りつつ,アニメノベライズやオリジナル小説のほか, キャラクターの写真集やアニメのフィルムブック,アニメ制作者のエッセ イ・自伝など,多種多様な刊行物を世に送り出してきた.さらには,アニメ 文化やアニメ雑誌と密接な繋がりを持つ文庫レーベルの特性上,出版,映像, 音楽の各分野に跨った商品展開が積極的に進められており,後に若年層向け エンターテインメント小説の代表格となるライトノベルと同じく,他/多メ ディアを横断するコンテンツ群を生む「場」となっていたのである. - 研究背景
日本では 1970 年代後半,角川文庫が横溝正史『犬神家の一族』や森村誠 一『人間の証明』などを対象に推し進めた「小説を本,映画,レコードなど によるメディア・ミックスの相乗効果によって売る方法」である「角川商法」 の商業的成功を受け,文庫本は「古典や定評ある著作の廉価版シリーズ」から「読み捨ての廉価本」へと変容したとまで言われている 3).また,これ以 降も文庫本を交えながら複数のメディアを横断する出版戦略として発展・ 拡散していくメディアミックスのうち,1980 年代に隆盛したものの一つが, 雑誌とその掲載コンテンツを用いた展開事例であった.例えば 1980 年代か ら「雑誌の時代」を迎えた角川は,『ザテレビジョン』(1982 年創刊),『コン プティーク』,『ニュータイプ』等の雑誌をプラットフォームとして 4),角川 文庫や角川スニーカー文庫とも連携を図りつつ,水野良『ロードス島戦記』 や松枝蔵人『聖エルザクルセイダーズ』など,現在のライトノベルの源流と なったコンテンツを数多く生み出していったのである - 研究目的・方法
そこで本稿は,まず 1980 年代の『アニメージュ』とアニメージュ文庫の 実態を,『アニメージュ』の誌面や関連広告,文庫本や目録などの同時代資 料のほか,編集者や作家といった当事者たちの証言から明らかにしていく - 『アニメージュ』とその周辺動向
- 『アニメージュ』がもたらした功績
『アニメージュ』は 1978 年 5 月に徳間書店が創刊した,日本で最古参の部 類に入る月刊アニメ雑誌である
1984 年公開のアニメ映画『風の谷のナウシカ』は興行収入が約 14.8 億円 を記録し 11),映像・音楽ソフトなどの関連商品の売り上げを含めて,商業 的に大きな成功を収めることとなった.この結果を受けて徳間書店は以後, アニメ事業に本格参入するとともに,『アニメージュ』とその掲載コンテン ツを用いたメディアミックスに引き続き取り組んでいったのである
1980 年代 の『アニメージュ』とその周辺で見受けられた『風の谷のナウシカ』をめぐ る動向は,日本におけるメディアミックスの形成・発展に対し,同誌が残し た確かな功績の一つだったと見なすことができよう - 『アニメージュ』に見るメディアミックスの特徴
980 年代以降,徳間書店が『アニメージュ』や『リュウ』の掲載コンテ ンツをもとに展開したメディアミックスについて,大塚英志はその特徴を, 「高畑勲や宮崎駿という怪物的創り手の存在が前提」の「徹底した作家主義」 にあったと述べている - クリエイター主義
『ロ マンアルバム・宇宙戦艦ヤマト』(徳間書店,1977 年)の出版とヒット以来, 出版業界におけるメディアミックスの重要性を実感した尾形は,「アニメー ション情報誌である以上,コミックページは大量でなくてよい.しかし,そ れだけにコミック専門誌とはおのずから違う個性的な作品でなければならな い.むしろ,作家の起用も,アニメーターなど,アニメーション関係者のな かにすぐれた偉材が隠れているのではないか……という発想があった.既成 の作家を追い回して苦汁をなめるよりは,はるかに合理的だし,成功率も高 いだろう」)と考え,原作確保のために『アニメージュ』でのマンガ連載を 模索し始めたという. - アニメージュ文庫の創刊が意味するもの
別名「AM JuJu(エイエム ジュジュ)」と呼ばれたこの文庫レーベル は,「出すからには他社にないもので,アニメ・ファンが見て読んでおもし ろいものを,このポリシィで 5 部門作ってみました」)という趣旨のもと, 「NOVEL」(アニメノベライズ・オリジナル小説など),「CHARACTER」 (キャラクターの写真集・ストーリー集など),「FILM」(アニメのフィルム ブック・技法書など),「PEOPLE」(アニメ制作者のエッセイ・自伝など), 「THE BEST」(シナリオ集・絵コンテ集・画集・ゲームブックなど)の 5 部 門が設けられており ),豊富な刊行ラインナップを読者にアピールしていた - アニメージュ文庫とは,尾形が重要視した「情報ミックス時代」, 換言するなら「メディアミックス興隆時代」とも言うべき状況を見越して取 られた方策の一つだったのである.そうであるならば,『アニメージュ』と その周辺動向のなかでアニメージュ文庫の創刊が意味するものは,同誌を主 軸としたメディアミックスを可能にする環境構築,及び,コンテンツ創出に 向けた取り組みの本格的な開始だったと考えられる
- アニメージュ文庫の特徴と役割
- 当事者たちが語る創刊の経緯
- アニメージュ文庫創刊前後の出版動向に目を向ければ,ヤングアダ ルト市場に多数の出版社が参入してくるとともに,1980 年代のアニメブー ムに乗じる形で,複数の文庫レーベルが誕生していた.具体的には,1980 年に文化出版局のポケットメイツ,81 年に朝日ソノラマのアニメ文庫,82 年に徳間書店のアニメージュ文庫,84 年に双葉社の双葉社アニメ文庫と講 談社の講談社 X 文庫などが創刊されており,これらの文庫レーベルではア ニメ関連書籍の刊行を中心に,「アニメとのメディアミックスを前面に押し 出した文庫戦略」が採られていたのである
- 刊行物とその特徴―小説を中心に
- 初刊行となるオリジナル小説は,『アニメージュ』1984 年 8 月号から連載 が始まった首藤剛志のファンタジー小説『永遠のフィレーナ』の文庫本第 1 巻であった.そして,人気 RPG『女神転生』シリーズの原作となった西谷 史の伝奇 SF 小説『デジタル・デビル・ストーリー 女神転生』),藤川圭介 の青春小説『エイプリル・シャワー物語』などが後に続き,以降も様々なジャ ンルをカバーするオリジナル小説が多数刊行されたのである.
- そうしたラインナップのうち,例えば『アニメージュ』で 1986 年から連 載され,翌年には文庫化を果たした藤井青銅のコメディ小説『死人にシナチ ク』は,アニメファンの高校生を主人公に据えつつ,読みやすい軽快な文章, マンガ家・あさりよしとおのマンガと挿絵を交えたキャラクター描写とス トーリー展開,アニメ業界のパロディを多分に含む内容などが特徴的で,現 在ではライトノベルの一源流と見なす声も少なくない
- 作家の発掘・育成とメディアミックス
- 創刊間もない頃のアニメージュ文庫は,まずアニメノベライズを経 由したメディアミックスに取り組んでいた.例えば,首藤剛志『その後の戦 国魔神ゴーショーグン』は 1983 年に「アニメージュレーベル」からイメー ジレコードが発売され,同著『戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人』は 85 年にアニメ映画化とビデオ発売を果たしている.そして先に見た 2 点の記事 以降,いよいよオリジナル小説を原作とするメディアミックスが本格化して いったのである.具体的には,1987 年に西谷史『デジタル・デビル・ストー リー 女神転生』を原作とする OVA『デジタル・デビル物語 女神転生』と, 同名の PC ゲームが発売.また,首藤剛志『永遠のフィレーナ』も 1990 年 代前半に OVA 化とゲーム化が行われており,これらの様相はまさに,現在 盛んなライトノベルを原作とするメディアミックスの展開手法を彷彿させた.
- アニメージュ文庫 が『アニメージュ』の「クリエイター主義」をやはり基盤としながら,作家 の起用・育成からメディアミックスまでの取り組みを推し進めていた状況で ある.その意味で『アニメージュ』とアニメージュ文庫は互いに不可分な存 在と言え,当初喧伝されていた通り,両者はまさしく「兄弟」関係にあった 雑誌と文庫レーベルだったと言えよう 40).そして,両者はこのような関係 を基軸に据えつつ,メディアミックスとライトノベルの形成・発展にも寄与 してきたわけである.
- おわりに
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本稿では主に 1980 年代の『アニメー ジュ』とアニメージュ文庫を対象として,これらの実態を雑誌の誌面や関連広 告,文庫本や目録などの同時代資料のほか,編集者や作家といった当事者たち の証言から明らかにしつつ,その歴史的位置について考察する
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以アニメー ジュ跟アニメージュ文庫為主,討論80年代的動畫、小說、漫畫出版狀況,可說是現今已習以為常的跨媒體製作的源頭,以及標榜創作者主義的出版方針,也是值得關注的一點。
以アニメー ジュ跟アニメージュ文庫為主,討論80年代的動畫、小說、漫畫出版狀況,可說是現今已習以為常的跨媒體製作的源頭,以及標榜創作者主義的出版方針,也是值得關注的一點。
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