- 問題
- ステレオタイプと社会的カテゴリー
- カテゴリー化とは,あ
るカテゴリーに含まれるものとそうでないもの
を瞬時に区別する過程であり,カテゴリー化を
通して,同一カテゴリーに含まれる対象の類似
性が強調される同化効果と,カテゴリーに含まれ
る対象と異なるカテゴリーに含まれる対象との
差異が協調される対比効果が生じ,カテゴリー
間の境界が明瞭になる強調効果がもたらされる
社会的カテゴリーの中には,人種のように そもそも自明な対比関係がなく,集団の定義さ えも流動的なものが多い。 人は自分が含まれる集団である内集団と自分が 含まれない外集団を区別し,外集団等質性効果 と呼ばれる外集団に所属する人々を均質なもの であると捉える傾向を持つ - オタクステレオタイプ
近年では,オタクを自認し,オタクを公言する ことを問題視していない人々が増加しており, オタクは一般的な社会的カテゴリーとなりつつ ある - オタクステレオタイプに関する研究 では,以下の二つの問題が挙げられる
- 第一に, オタクとそうではない人によるステレオタイプ の相違が検討されていない点である
- 第二に,全般的なオタクのイメージについて
のみ検討されている点である
この ように,今日ではオタクの種類は細分化されて いる。そのため,オタクという広範囲の社会的 カテゴリーに対するステレオタイプの研究だけ ではなく,腐女子やアニメオタクなどのように オタクカテゴリを細分化した研究が行われてい る。 - 近年研究
- 山岡(2016)は,オタクとは異なるが
オタク的趣味を有する「腐女子」のイメージに
ついて検討している。その結果,腐女子のイメ
ージとしては,違和感とアブノーマル感という
2 因子を導出している
また,オタク度と腐女 子度によって,回答者をオタク度だけが高いオ タク群,オタク度と腐女子度が高い腐女子群, オタク度と腐女子度が低い一般群の 3 群に分 け,オタクと腐女子のイメージについて群間の差について検討している。その結果,腐女子イ メージのうちアブノーマル感は,一般群,オタ ク群,腐女子群の順番で高かった。 - 大角・大江(2018)は,オタクの中で も特にアニメオタクに対象を絞り,アニメオタ クのステレオタイプについて検討した。アニメ オタクは,「眼鏡をかけている」や「身だしなみ に気を遣わない」という外見的特徴,「 1 つのこ とに夢中になる」や「頭が良い」などの内面的 特徴,「友だちが少ない」や「あまり外に出な い」,「コミュニケーションが苦手」という行動 的特徴が抱かれていた
- 森本・大久保・鈴木(2017)は,コ スプレを楽しむコスプレイヤーを対象として, コスプレ動機と心理的効用について検討してい る。その結果,コスプレを通した自己表現が, 自己変化による充実感を高め,異なる自己への 変身が現実逃避による高揚感を高め,仲間との 交流が趣味の共有による幸福感を高めることを 明らかにした
- 方法
- 調査手続き・調査対象者
- 調査への同意が得ら れた回答者に対して,「あなたは自身をオタク であると思いますか?オタクであるかは,あな た自身がどのように考えるかで構いません」と 教示し,「はい」と「いいえ」の 2 件法によって 回答を求めた。なお
- 本研究では,「はい」と回答し た回答者をオタク群とし,「いいえ」と回答した 回答者を一般群とした。その結果,516名(男性 258名,女性258名;M = 43.10歳,SD = 11.84 歳)が回答し,オタク群は258名(男性129名, 女性129名;M = 39.85歳,SD = 11.50歳)とな り,一般群は258名(男性129名,女性129名; M = 46.34歳,SD = 11.29歳)となった
- 調査項目
調査では,「本質問は,あなた自身の考えにつ いてお伺いします。あなたが考えるオタクのイ メージについてお伺いします。以下のオタクの 種類に対して,あてはまるイメージを,選択肢 よりすべてを選択して回答してください。」と 教示し,14個のオタクカテゴリそれぞれについ て,10個の印象語からあてはまるものすべて選択するように求めた - 結果
- オタク群と一般群における各オタクカテゴリの印象の違い
- 各オタクカテゴリと各印象とのクロス集計表
- χ2 値が有意ならびに有意傾向であった 8 つ のオタクカテゴリについて,残差分析を実施し た
- 一般群よりもオタク群の選択率 が高かった印象は,ゲームオタク,マンガオタ ク,コスプレイヤーに対する「社交的」,コスプ レイヤーに対する「清潔」,腐女子に対する「妄 想しやすい」,声優オタク,女性アイドルオタ ク,鉄道オタクに対する「マナーが悪い」,マン ガオタクと腐女子に対する「不健康」,パソコン オタクに対する「大人しい」,腐女子に対する 「過激的」であった
- オタク群よりも一 般群の選択率が高かった印象は,鉄道オタクと コスプレイヤーに対する「妄想しやすい」,マン ガオタクと腐女子に対する「不健康」,鉄道オタ クに対する「大人しい」,女性アイドルオタクの 対する「恋愛が苦手」であった
- オタク群と一般群におけるオタクカテゴリと印象との関連性
- プロットの布置のまとまりを導出する ために,x-means法を用いて分析を実施した。
- x-means法は,k-means法による非階層クラス ター分析を拡張したクラスタリング手法であ る。
- k-means法は,事前にクラスター数を指定 して分析を実施するために,指定したクラスタ ー数によって結果が変わったり,最適解に収束 しないという問題が指摘されている
- オタクにおけるオタクカテゴリと印象との関連
- 一般群におけるオタクカテゴリと印象との関連
- 考察
- オタク群と一般群における各オタクカテゴリの印象の違い
- コスプレ
イヤーは,「社交的」に対する全体の選択率 5 割
近くあり,オタク群と一般群ともに「社交的」
であると評価されていた
森本他(2017)で は,コスプレの動機として仲間との交流が導出 されており,コスプレイヤーは,カメラの被写 体となって撮影されたり,撮影した写真を公開 してインターネット上で同じコスプレイヤーと 交流を図ったりすると考えられる。そのため, 「社交的」という印象が高かったと考えられる。 ただし,森本他(2017)で導出された現実逃避 による高揚感が挙げられていたように,コスプ レイヤーは日常生活からの逃避という印象も同 時に形成されている。つまり,一般群は,コス プレイヤーが日常生活では人間関係がうまくい っておらず,現実逃避のためにコスプレをして いると評価したものと考えられる - 「マナーが悪い」というネガティブな印
象は,声優オタク,女性アイドルオタク,鉄道
オタクにおいて,オタク群が一般群よりも高く評価していた。
近年,声優オタ クの声優に対する誹謗中傷や,女性アイドルの オタクによる迷惑行為などが横行している。ま た鉄道オタクも,鉄道の写真を撮影するため に,立ち入り禁止の場所に立ち入ったり,撮影 に邪魔な木の枝を折るなどの迷惑行為が行われ ている。
このようなオタクのマナーの悪さのニ ュースは,一般人に対してネガティブなイメー ジを植え付けると予想されたが,オタク自身が ネガティブなイメージを有していた - 以上の結果をまとめると,各オタクカテゴリでオタク群と一般群で印象に差があった。一般 群では,引きこもりや内向的という典型的なオ タク像を抱きやすい一方で,オタク群では,社 交性や清潔というポジティブな印象を抱くオタ クカテゴリの存在が確認された。また,ネガテ ィブなイメージは,必ずしも一般群に高いわけ ではなく,「マナーの悪さ」のような自身が被害 を受ける印象では,オタク群の方が高かった
- 各オタクカテゴリと印象との相互関連性
- ゲームオタクや鉄道オタクは,オタク群と一
般群に共通して「マナーが悪い」と「陰気」と
いう印象によってまとめられていたが,オタク
群では韓流オタクが加わっていた。韓流オタク
はさらに一般群において,声優オタクと近接し
て布置し,「排他的」と「不健康」という印象を
有していた
ゲームオタクでマナーが 悪いと評価された理由として,オンラインゲー ムなどの匿名性の高いゲームでは,匿名性の高 さから過激な行動に従事するという印象がある ためと推測される。
さらに,韓流オタクは,一 般群とオタク群では異なるクラスターに振り分 けられていた。一般の人々が考える韓流オタク は,韓国アイドルのライブに参加したりするオ タクを想定していたために,同じくライブに参 加するような女性アイドルのオタクと声優オタ クと同じカテゴリに含まれたと考えられる - 腐女子やマンガオタクは 妄想しやすく,過激であるという印象でまとめ られ,女性アイドルのオタクや声優オタクは不 健康で排他的としてまとめられ,鉄道オタクと ゲームオタクはマナーが悪く,陰気とまとめら れ,アニメオタクやパソコンオタクは,恋愛が 苦手で大人しいという印象でまとめられやすい ことが明らかにされた
- 本研究の含意
その結果,オタクは,オタク を社交的などとポジティブに捉える一方で,オ タクではない人はオタクを妄想しやすく,大人 しく,不健康であると捉えていた。
そのような偏見は,オタク全般に抱 かれているわけではなく,特定のオタクカテゴ リにのみ抱かれていた。腐女子・マンガオタク, 女性アイドル・声優オタク,鉄道オタク・ゲー ムオタク,アニメオタク・パソコンオタクは, それぞれ異なるイメージとの関連が強かった。 したがって,全般的なオタクに対する偏見は複 合的であり,各種のオタクカテゴリが統合され た偏見である可能性が示唆された。
この知見は 本研究において,オタクカテゴリを細分化した ことにより得られた知見であると考えられる - 本研究の限界と今後の展望
- 第一に,Web調査によるサンプリングの問題 である。近年,Web調査が多く行われている が,Web調査ではWeb調査が登録モニターで あり,回答できる人のみを対象としているた め,サンプリングバイアスが生じることが指摘 されている(本多, 2006)。そのため,郵送調査 や無作為抽出調査など,多種の調査手法を用い て調査をする必要があると考えられる。
- 第二に,細分化されたオタクカテゴリの代表
性である
オタクに対して抱かれる偏見を解 消するためにも,オタクを代表するオタクカテ ゴリがどのようなものかを明らかにする必要が ある。また,オタクという全般的なカテゴリーについても印象を検討し,代表的なオタクカテ ゴリの印象との相違も明確にする必要があると 考えられる - 第三に,オタクの自認についてである
本研 究では,自己カテゴリー化の観点から,「自身が オタクであるか」という一項目によってオタク かオタクでないかを判断し,内集団からのオタ クステレオタイプと外集団からのオタクステレ オタイプについて検討した。その結果,オタク に対するイメージを相違が明らかにされた。し かし,オタクではないと自認する人々の中に も,オタクの定義に該当する人々が含まれる可 能性がある。そのため,山岡(2016)や菊池 (2000)のように,オタクの程度によってオタ ク群と一般群を分割する必要がある。ただし, 量的にオタクを捉えたとしてもオタクか否かの 基準点は明確にする必要があり,オタクの自認 性とオタクの程度に応じて回答者を分類し,オ タクとはどのような人々かを明らかにする必要 がある。
覺得這篇文章想要討論什麼?
討論オタク自我認同的人跟不是該自我認同的人,兩者對於オタク群體14種類型的刻板印象之差別
我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
我覺得最後一點很重要,自我認同能作為區分オタク群體的最佳判準嗎?顯然需要另一種較具體的數據來輔助或許能讓該類型的研究做得更好
另外,這類型的研究很多,但是オタク的定義百百種,不同研究用的不同定義做出來的不同結果,能連在一起嗎?
我覺得最後一點很重要,自我認同能作為區分オタク群體的最佳判準嗎?顯然需要另一種較具體的數據來輔助或許能讓該類型的研究做得更好
另外,這類型的研究很多,但是オタク的定義百百種,不同研究用的不同定義做出來的不同結果,能連在一起嗎?



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