- 研究の背景・目的
そこで本研究は,日本におけるテレビアニメの変遷を分析することを通し,日本の大 衆文化の位置づけの変遷を明らかにし,アニメの「聖地巡礼」を成立させた背景を考察 することを目的とする - 日本におけるテレビアニメ
- 分析対象とするテレビアニメ
日本でテレビ放映された最も古いアニメ作品といわれる,1958年の「もぐらのアバン チュール」以降,2000年代の終わりとなる2009年末まで,約50年間にテレビで放映され たアニメ1,231作品について,そのうち 5 分以内のミニ番組やほかのテレビ番組内の 1 コーナーであったもの,および特別番組であった133作品を除き,1,098作品を分析対象 とした - 放映されたアニメ作品数の推移
- 時代ごとのテレビアニメの特徴
- 1969年以前(1958年~1969年)
作品として確固たる番組となったのは, 1963年に放映された手塚治虫の「鉄腕アトム」である
60年代の作品は,手塚治虫をはじめ,藤子不二雄,赤塚不二夫など,人気漫画家の漫 画作品を原作とするものが中心であった少年漫画雑誌が中心で,1966年の「魔法使いサリー」まで,少女漫画を原作とするも のは見られない
放映時間は,1963年の「銀河少年隊」の17時,同年の「仙人部落」の23時,1966年の 「レインボー戦隊ロビン」の20時,1968年の「佐武と市捕物控」の21時(ただし,本作 品は放映開始半年後より19時台へ移行)の 4 作品を除くと,放映時間が確認できた作品 の残りすべてが18時から19時台に放映されていた。 - 1970年代(1970~1979年)
70年代の作品は,『週刊少年マガジン』『週刊少年サンデー』などの少年漫画雑誌に加 え,『週刊少女コミック』『週刊マーガレット』などの少女漫画雑誌,さらに『小学一年 生』などの学年別学習雑誌や児童文学など,その原作は少年少女向けのさまざまなも のへ多様化が見られる。
ロボットアニメと呼ばれるジャンルの始まりとい われる「ゲッターロボ」が1974年に放映され,以降のアニメジャンルで重要な位置づけ となるアニメ作品が生まれ始めたのもこの時期である。
放映時間は,19時台が全体の75%を占め,17時台から19時台で95%を超えている
21時台から22時台に放映された のは,「日本誕生」「いじわるばあさん」「まんが花の係長」であり,いずれも『サン デー毎日』『週刊ポスト』といった,大人向け週刊誌に掲載されたものであった。また, 1979年の「闘士ゴーディアン」は,10時台に放映され,確認できた中では初めて,朝の 時間帯に放映された作品となっている。 - 1980年代(1980~1989年)
80年代の作品は,原作をもたないオリジナル作品の増加が見られるとともに,少年少 女向け漫画雑誌,学習雑誌,児童文学などに加え,『ビッグコミックスピリッツ』『モー ニング』などの青年向け雑誌に掲載された漫画を原作とするものも散見される
放映時間は,19時台が依然としてもっとも多いものの全体の50%程度となり,一方で 17時台が大きく増え,結果的に17時台から19時台で90%を超えている。また,10時台を ピークに, 7 時台から10時台の午前中に放映される作品が,全体に対しては6.3%と大 きな割合ではないが,これまでの傾向と比べると,大きく増加している。 - 1990年代(1990~1999年)
90年代の作品は,1990年の「PEACH COMMAND 新桃太郎伝説」がゲーム『桃太郎 伝説』,1995年の「ストリートファイターⅡV」が『スーパーストリートファイターⅡ V』といったように,人気の家庭用ゲーム機のソフトやコンピュータゲームを原作にし たものが目立つようになる。
さらに,その定義はあいまいながらも「ライトノベル」と近年呼ばれている,中 高生をターゲットとしているといわれ,挿絵やイラストが比較的多い小説を原作とした ものが現れたのもこの時期である。
この時期のもっとも大きな変化は,深夜の時間帯に放映されるアニメの増加 である。80年代までは,分析対象とした作品で,もっとも遅い時間に放映されたものは, 22時台または23時台であった。80年代にはミニ番組や特別番組として,24時を超える時 間に放映される作品が散見された
1992年に『近代麻雀オリジナル』と いう雑誌を原作とする「スーパーヅガン」を皮切りに,24時を超える時間に放映される ものがみられるようになったのは,この時期である。1997年には25時以降のアニメ放映 枠ができ,同年には 1 年間に12作品が24時以降の深夜に放映されるようになった。こう した動きの結果として,90年代に放映された作品の13.6%が24時以降に放映された。 - 2000年代(2000~2009年)
2000年代の作品では,18歳以下を禁じ たアダルト向けゲームを原作とするなど,内容においても完全に大人だけを対象とした ものがみられるようになった。
放映時間は,作品数としては,これまで継続して最多であった夕方の作品が減少し, 午前の作品が増加,そして深夜の作品が急増した。作品数が午前の作品は,90年代と比 べて約 3 倍となり,深夜の作品は10倍以上で,全体の半数以上を占めるまでとなった - 考察
- 日本のテレビアニメの原作にみる変遷
- 日本のテレビアニメの放映時間にみる変遷
日本のテレビアニメの放映時間は,1969年以前,1970年代は95%以上という,ほぼす べてが夕方の時間帯が中心であった。80年代に入り,午前の時間帯が増え始め,時代と ともに増加傾向にある。90年代になると,24時以降の深夜の時間帯の作品が現れ,2000 年代以降は全テレビアニメ作品の半数以上を占めるようになった - テレビアニメにみる日本の大衆文化の位置づけの変遷
大人を対象とした,深夜の時間帯の作品は,アダルトコンテンツなど,その内容とし ても大人向けであるものがある一方,少年少女向け漫画雑誌に掲載されている作品を原 作とするものも,この時間帯に放映されるものが多くある。このことから,現代におい て少年少女向けの漫画は,少年少女だけのためのものではなくなったのではないかとい える。そして,漫画とテレビアニメが大衆文化の一端を担う,大人も楽しめるものに発 展したのではないかと考える。
我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
作者列出00年代前的動畫播放時間,來證成動畫受眾的年齡逐漸擴大
但是我覺得深夜、下午的區分有點淺薄,畢竟青少年(國高中)有可能也會放在下午,跟國小幼稚園時段接近,這中間應該分三群受眾來討論
另外如果可以把這一千多部的題材一個一個整理,我覺得更精彩
最後OVA應該一起討論才是
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