- はじめに
そういうわけで、本論が分析していくのは、 「おたく」という集団ではなく、上で示したよ うな「おたく」カテゴリーとそのカテゴリーの もとになされる人びとの活動のあり方である。 「おたく」というカテゴリーがなかった頃、人 びとは如何なるカテゴリーのもとに活動を行 い、また「おたく」という分類が登場した時、 人びとの如何なる活動の変化の可能性を得たの か。あるいは人びとの活動は、「おたく」とい うカテゴリーに如何なる影響をもたらしたの か。このような各時期の「おたく」カテゴリー の人びととの相互作用のあり方の概念分析を行 い、「おたく」カテゴリーをめぐる人びとの経 験の可能性のあり方の変化を明らかにしていき たい。 - 本論の立場と調査対象
「おたく」という分類が生じることで、誰かを分類したり、され たりすることが可能になり、さらにそのカテゴ リーのもとに如何なる活動が可能になっていく のかという点に注目する。 - 「おたく」以前のカテゴリーの運用事例 「ロリコン」カテゴリーをめぐって
- 他者としての「ロリコン」、自己とし
ての「ロリコン」
70 年代以降、漫画ブームやアニメブーム、さらにコミケといった同人誌文化の展開へ の世間の注目の中、そのファンの存在は広く 知られるようになっていた。
当時、そのような人 びとに「おたく」というカテゴリーが用いられ ることはなく 2 、「ガリ勉」や「ネクラ」といっ たカテゴリーが用いられていた - 投稿ハガキを中心に構成され
ている『月刊アウト』と『ファンロード』
その誌面上において最も際立っ た自己へ適用されるカテゴリーは「ファン」や 「●●ファン」というカテゴリーである。 - 発見された「ショタコン」カテゴリー
嗜好の細分化
このような嗜好を記述するためのカテゴリー の細分化は、アニメ作品の増加やアニメキャラ クターの増加に伴い更なる細分化を進め、さら には誌面上で自らの嗜好が支持され、特集され ることを目的とした投稿も増えていく。このよ うな細分化の過程は、コミックマーケットのカ タログの誌面にも見られる現象であった。 - 「『おたく』の研究」の分析
中森による「おたく」カ テゴリーについてのテクストは 1983 年 6 月号 から 3 か月間連載した後に打ち切りとなった。 また翌年の 6 月号では、投稿欄において編集 者の大塚英志から「差別用語」として批判され ている。 - 「彼ら」「観察対象」としての「おたく」
カテゴリー
中森は自らと「異様な」「少年少女」 たちとを同じカテゴリーのもとに記述できるも のとはせず、「彼ら」として記述している。中 森は「私/彼ら」、「観察者/観察対象」という 区別における「彼ら」「観察対象」に適用され るものとして「おたく」カテゴリーを使用して いるのだ。そして、三回の連載を通してこのカ テゴリーの関係は一貫していた。
「ロリコン」カテゴリーが、 まさに当事者としてそのファン活動を行う為に 使用されていたのに対し、「おたく」カテゴリー は中森という「観察者」にとっての「観察対象」 として用いられている - 嗜好と活動形式の分類としての「おた
く」カテゴリー
中森は 他にも、「おたく」の特徴として「決定的に男 性的能力が欠如している」、「二次元コ ンプレックスといおうか、実物の女とは話も出 来ない」、同人誌ショップにおいて「自 分達だけしか通じない冗談言いあってドヒャド ヒャうちわで大受け」している活 動の様子を挙げて批判する。つまり、「おたく」 カテゴリーが適用される人はある嗜好だけでなく、振る舞いや活動もまたその分類の為のポイ ントとなっているのだ。 - 「『おたく』の研究」に対する反響 避
けられる自己への適用
中森の「おたく」カテゴリーは、 ネガティブなニュアンスを持つある種の「差別 用語」として理解され、その後、3 - 1 の「ロ リコン」事例のように「私」や「私たち」を示 すカテゴリーとしてファン、読者に積極的に用 いられることはなく、ファン雑誌においても異 様な他者、批判される第三者を描く際に用いら れることになっていく - M 事件報道における「おたく」カテゴ リー 「おたく」カテゴリーの変容
- M を何者として描くのか 犯罪と世
代と結びついた「オタク族」カテゴリー
M 事件にお ける M の特徴化の資源として中森の「おたく」 カテゴリーは、変更を加えられ使用されてい る。つまり、中森のテクストにおける「おたく」 は「オタク族」という語の変化を経て、このよ うな M の特徴化の一つの資源となっていった
週刊誌や新聞といった媒体において、 「オタク族」カテゴリーはある種の世代の問題、 さらには「親子」の問題としてまで拡張されて いるのだ。そこには 3 節で見たような「私た ち」としての「ロリコン」や 4 節で見た「彼ら」 「おたく」とは異なる、「親」や「大人」が発見 し、なくすべき異常な世代としての「おたく」 「少年」が描かれる。 - 大塚のテクストの組織に見られる
「我々」としての「おたく」カテゴリー
大塚は「おたく」カテゴリーを「犯罪者予備軍」の「世代」としてではなく、「ぼくら」 のカテゴリーとして使用していく。そうするこ とで M 事件における「オタク族」カテゴリー の使用に基づく「オタク族」への批判への疑義 を示している
大塚はこのテクストの最後で、「おたく」の 対極にある人達も「案外イコールなのでは」な いかと主張している。そこで「イコール」にな る理由として、「おたく」もそうでない人たち も「無意味なコレクション」を集めるような「消 費社会」に生きる者であり、同じ「消費社会」 に生きる者が同じ者に批判を向けても、自分に 返ってくると述べる - 結語
覺得這篇文章想要討論什麼?
討論おたく這個詞語在不同的年代如何被使用,以及在這個詞語出來之前,之們如何使用相近的詞彙
我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
作者對週刊所摘錄的內容是我覺得受用的(因為引用方便),雖然討論的主題很細微,沒有甚麼很大的知識進展,不過大概還是挺有用的
作者對週刊所摘錄的內容是我覺得受用的(因為引用方便),雖然討論的主題很細微,沒有甚麼很大的知識進展,不過大概還是挺有用的