- 序文
- 第1 章オタクとは何か~ オタクの再確認~
- 第1 節オタクの誕生とその定義づけ
- オタク」という言葉の誕生
そもそも「オタク」という言葉が現在の意味ではじめて使われるようになったのは、コラムニストで編集者の中森明 夫によるものだった。
彼は、1983年に性的メディアである『漫画ブリッコ』(俗に言うエロマンガ雑誌)誌上において、ある連載を掲載した。その時の連載のタイトルが「『おたく」の研究」というものであったという
コミックマーケットに集まるアニメやマンガのマニアたちを差別 的にみているものだったといえる。中森は終始彼ら「おたく」と自分との差異を記述することに重点を置いていたので ある - オタクの辞書的定義
アニメやマンガのファンであるという意味合いが主流として出されている。特 定の分野。物事にしか興味がないという点でも『広辞苑』と『現代用語の基礎知識』で共通する
『広辞苑」及び『現代用語の基礎知識』において、例えば、広辞苑での「社会的な常識には欠ける」や、現代用 語の基礎知識での「社会性の低い者」という記述にみられるように、どちらも社会とのコミュニケーション能力が劣っ ているものとして記述しているが - オタクに関する文献の中での説明
東浩紀と斎藤環に共通して、オタクはマンガやアニメ、またはそれに付随する形でその中に登場するキャラクターを模 したフィギュアなどといった、メディアミックスする物語作品に対して噌好性が強い人たちだと考えられるだろう。
さらに、両者に共通して見られるのは、オタクが社会的に敬遠される存在であるということである。 - メディアミックス
これはたとえば、あるマンガ作品がテレビアニメ化したり、ゲーム化、フ ィギュア化などしたりすることである - 第2 節オタクのこれまでの歩み
- 宮崎勤
宮崎勤が起こした事件は「オタクが起こした事件jとして、オ タクに対して世間からのネガティブなイメージ、「非社会的で倒錯的な性格」で、「アニメやマンガに執着する、非社交 的で空想と現実の区別がつかない過度に自己の肥大した反社会的或いは犯罪性向のある人物」であると見られたという - 機動戦士ガンダムと新世紀エヴァンゲリオン
ガンダムファンは、ガンダムの世界の中の疑似的な歴史を精査するといった、ストーリーや世界観のほうに関心があ ったのに対し、エヴァンゲリオンファンは、特に若い世代だが、ストーリーや世界観よりは、キャラクターデザインや 設定といった方面に関心が強かったと東は説明している。 
- 第3 節事例から見るオタク
- 町おこし
埼玉県鷲宮町にある鷲宮神社とその周辺の商店街に、アニメ作品「らき☆すた」のファンたちが「聖地巡礼」と称 して多数訪れるようになったという - 秋葉原
バブル経済が崩壊したころから、2000年代まで10年 足らずで秋葉原は変貌を遂げたという。それは、オタクたちの趣味の力によってであったのだと言える。
秋葉原がパソコン関連に特化し、アニメやマンガに特化したのは、共通の客層によるニーズだったと考えることがで きるだろう。このようにして「アキバ」が形成されたのだ
- 第2 章オタクに関する議論
- 第1 節東浩紀の議論から見るオタク
- ストモダンとオタク
- ポストモダンの社会では、
単一の大きな社会的価値規範の有効性が消失し、無数の小さな規範が林立するという「大きな物語の凋落」であった
オタクたちの姿は、社会的現実よりも虚構を選択して趣味に閉じこもるという形をとって、大きな物語の凋落=ポストモダンの特徴を反映しているということができる - ポストモダン社会は、作品や商品のオリジナルとコピーの区別が弱
化し、中間形態としての「シミュラークル」が支配的になるというものだった
したがって、原作と二次創作のどちらも等価なものとして消費するオタク的価値判断はオリジナルもコピーもないシ ミュラークルのレベルで働いていて、極めてポストモダン的だと説明している - 物語消費とデータベース消費
- 物語消費
種々の作品群で考えると、「小さな物語」であるところの個々の物語は、「大きな物語」への入り口としての機能しか 持たず、設定や世界観のほうが評価・消費されるという。ゆえに、「小さな物語」は、「大きな物謁の断片の見せかけ の作品として生産され、消費され、オタクたちの文化ではこの「物語消費」が支配的なのだという - データベース消費
このデータベース・モデルのわかりやすい例として、東はインターネットを挙げて説明している。そこには、すべて のウェブページを規定するような隠れた大きな物語は存在せず、一方には符号化された情報の集積=データベースがあ り、もう一方にはユーザーの読み込みに応じて作られた個々のウェブページがあるという、近代の世界像とは別種の二 層構造によって成り立っているのだという(東,2 - 第2節斎藤環の議論から見るオタク
このことについて斎藤は、オタクが近代のメディア環境と思春期心性が相 互作用した結果出現したライフスタイルの一つであると説明し、すなわちオタクは思春期以降、第二次 性徴出現以降の性欲を必要とするため、「子供のオタク」は存在しないという
このことはディズニーアニメに関しては例外なのだという。つまり「ディズニーおたく」は原理的に存在し えないというのだ。なぜならば、デイズニーアニメはセクシユアリテイを徹底的に排除しているからで ある。これは、,性的な描写を一切しないという単純なことではなく、むしろ過度に描こうとしない姿勢は、逆に隠蔽効 果としてセクシユアリテイを強調してしまうことにも繋がるからだという
- 第3 節自然主義的リアリズムとまんが。アニメ的リアリズム
まんが・アニメ的リアリズムに依拠する左半分は、消費者をオタクと限定しているために、活字を好むか映 像を好むかは消費者の好みに依拠し、言語的/視覚的問わず、虚構を「リアル」なものとしてとらえるほうが効率がい いと考えられて制作消費されている領域である。オタク的消費行動は、二次創作活動や、ライトノベル作品(活字)が アニメ化(映像)されるなどのメディアミックス展開といった、活字/映像の違いを超えてすべて混ざり合った市場に おいて行われることが多いように考えられるため統一している。

- 第4 節オタクの特徴行動の類型仮説および尺度作成
- 東、斎藤、大塚らの議論のまとめ
- オタクの特徴的行動類型とオタク尺度


- 第3 章オタク尺度作成のための行動特性に関する調査
- 第1 節調査概要
- 第2 節調査結果。考察
- 第3 節因子分析
- 第4 節平均値比較による分析
- 第5 節調査全体での考察
- 第4 章オタクとは何者なのか
- 第1 節オタク尺度の作成

- 第2 節オタクとは
- オタクとマニア
オタクが「性の対象を虚構の中に見出す」といえる可能性が高いことが見出された。このこと がオタクとマニアとの決定的な差異ではないかと斎藤も述べているが
オタクは、趣味の領域に「リアル」な部分を求める、すなわち、虚構内部に現実的自己を少なからず求 めているということではないのだろう力も
マニアたちが愛着を示‐ウラ対象は、切手や鉄道、書籍(ビブリオマニア)、軍事といった性的欲求を向けよ うがないものであると考えられるからだ - オタクって誰?
- 「オタクは虚構への親和性が高い」ということである
すなわち、アニメや、マンガ、ライトノベルも含む だろう、これらの物語作品群の存在原理=「まんが・アニメ的リアリズム」に依拠した虚構世界を大変好む存在である ということだ - 「オタクは多重見当識を生きる」
すなわち、ある特定の作品を楽しむのに、さまざまな視点から鑑賞し、 分析し、評価する。そのための知識もまた備わっている、ということである。アニメ声優然り、マンガ家、作家然り、 また、その作品の評価についても把握している - 「自律化したキャラクターの集合=データベースの中で生きている」ということである
彼らは意識的にし ろ、無意識的にしろ、物語を生み出し、キャラクターを生み出している存在を知っている。それがデータベースであり、 そこから生み出されたものを消費して(=萌えて)生きている。
すなわち、マンガ、アニメ、ライトノベル、同人誌、 さらには、キャラクターのイラストやフィギュアなど、1つめの条件に近いとも考えられるが、キャラクターが作り上 げていく物語および商品の中で生きているのである。 - 「趣味の領域に性を見いだす、持ち込むことができる」ということである
これこそオタクが「マニア」と一線を画す最大の要素であるといえよう。虚構存在の中に、現実の生々しい'性を持ち込 むという倒錯性こそが、オタクに対する嫌悪のまなざしの真の対象であるという斎藤環にはなるほどうなずけるものがある - 總結
オタクは、趣味の領域、ともすると性生活の一部をも虚構世界に置きながら現実世界で生活を営むという倒錯性を季 みつつも、彼らはその倒錯を知った上で、生きるためのコミュニケーション効率性としての「リアル」をうまく制御し て生きている(多重見当識)。
また、自分が好きなもの(=趣味)に対しての'情熱が強い(情報収集など)存在であり、それに関連することについ ても、必要とあらば技術的な知識(パソコン、さらにはOA機器も含むか)の備蓄も怠らない。
そのため、もしかする と非オタクから見ると異端で忌むべき存在に見えてしまう可能性がある存在ると、言ったところだろうかも - 結語
覺得這篇文章想要討論什麼?
討論オタク的確切定義,如跟マニア 的差別
我覺得這篇文章有哪些重點?或是我的心得?
阿~第一次讀日文論文,感覺不是很順耶~
阿~第一次讀日文論文,感覺不是很順耶~

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